公式サイトにて、開発ブログの公開が始まりました。
第1回では、Patch 4.2でスキルが完全リメイクされたXerathについて、ZenonTheStoic氏がリメイクの理由とその過程について詳しく語っています。
以下は記事の訳となります。
やあみんな!
開発者たちが過去~現在に考えていたことについて語る新しいチャンネル、League of Legendsデザインブログへようこそ! 私たちは、皆さんと語らうための手段としてこのブログを用意しました。私たちの哲学はもちろん、私たちがやったこと、その理由まで理解してもらえる手段にもなると思っています。進行中のことについては公式告知を行うことはありませんが、League of Legendsのようなゲームのデザインについて、もっと知ることができるようになります──そう、開発チームから直接!
私たちは、扱っているトピック(とその名前、外見、などなど)をがんばって進化させていくつもりですが、その過程の初期から皆さんと会話をしたく思いました。なぜなら……そもそも、それを何故しないのか!?
登場するたびに、それぞれの新しい執筆者についてはご紹介します。まず今日は、Associate Champion DesignerのZenonTheStoic氏がXerathのリメイクについて、リメイクした理由の背景をいくつか語ってくれます。お楽しみください!
Pwyff
なぜゲームプレイのリメイクを行うのか?
私たちがリメイクすることを決める時、その理由はいつも、以下の理由2つが結合したものです。
- 能力の原型を使うことを満足させる
- 総合的なゲームの健全さ
League of Legendsにおける各チャンピオンは、架空の能力の原型(もしくは空想)を象徴するものであるべきです。Dr. Mundoは殺しても死なない強大なタンク、LeBlancは嘘偽りを操るトリックスター・メイジ、などなど、象徴するものは様々です。時として、昔リリースされたチャンピオンが、意図した目標を大きく果たさなくなってしまうことがあります。たとえば、Sejuaniの能力の原型は、巨大な槌矛を携え猪に跨がる戦士、といったものでした。リメイク前はおそらく、彼女の能力にとっては、猪も槌矛も何の意味もないものだったのです。あちゃー。
ゲームの健全さに関して、チャンピオンのスキル構成が「不健全」になりうる状態は、たくさん存在します。雪の結晶の形がそれぞれ異なるように、私たちのチャンピオンはみんな、それぞれ独特の問題を抱えています。Xerathが抱えていた一連の問題については、次の段落で詳しく見ていきます。
なぜXerathを変更しているのか?
私たちは、Xerathがリメイクの候補者に値する理由となる、3パターンのゲームプレイを発見しました。
第一に、Xerathの意志決定はとても単純で、全く面白くありませんでした。「味方は何をしようとしているのか?」とか「自分はどういう位置取りをしたらいいだろうか?」といった問いが生じるのではなく、実際にはXerathの意志決定分岐はここに収束します……「ultは撃てるか?」。さらに悪いことに、Xerathはultimateを放っている間、できることはごくわずかでした。
第二に、Xerathはとても扱いにくいニッチを占めていました……画面外から大きなダメージを叩きつけることが可能な、タンク潰しだったのです。ダメージを回避する手段に欠けるチャンピオンの場合、防御的なアイテムを買ったり、ダメージ源から距離を取り続けたり、といった対策を取れてしかるべきです。高いspell penetration値を誇るXerathに対しては、どちらの選択肢も取ることができませんでした。
最後に、「敵をさっさと倒すためにultimateを使う」パターンは、私たちのメイジのデザインにはとてもありふれたものです。このパターンを主目的として規定されたチャンピオンたちが余りにも多く流行した場合、ゲームは最高値を叩き出すためだけの軍拡競争に成り下がることが多くなります。こうして、彼らの流行はその月の特筆すべき傾向となるでしょう。
能力の原型を使うことを満足させるとは、一体何でしょうか?
Xerathの原型とは、超遠距離から優先度の高い目標を狙い撃つ、熟練した長距離メイジです。Locus of Powerは、このコンセプトを薄めてしまっていました。Spell penetrationと、Xerathの持つすばらしい目標狙撃能力の間には、あまり関係がありませんでした──非常に難しい後衛を誘い出してキルしようとすることもできましたし……XerathにとってはMRがないも同然の敵前線に対し、ダメージをばんばん与えるだけの仕事もできました。さらには、Locus of Powerによる被rootと、その不便極まりない長時間のクールダウン(ランク4/5到達前)により、これがXerathに可能な唯一のプレイとなることも、頻繁にあったのです。
そう、要約すると……核となるプレイパターンが不健全であり、かっこいい能力の原型を完璧に実現しているとは言い難かったのです。そりゃあ、リメイクのための、明らかな理由になりますよね。
どのようにXerathを再構築したか?
同様のことが、旧パッシブとLocus of Powerが持っていた、spell penetrationにも言えました。これらのタイプの能力は、実際には狙撃手というコンセプトを薄めていたのです。コストなしで得られるarmorにより、Xerathは離れている場所から距離を詰めてくる敵に対し、あまり注意を払わずに済みました。Spell penetrationのせいで、できる限り価値の高い対象を選ぶという行為には、意味がありませんでした。価値の高い後衛の対象を探している間、狙撃手はきちんと距離を保つ必要があるように変えることで、私たちはとても良くなると感じました。Xerathのスキル構成によって、成功したプレイヤーを凄腕の狙撃手のように感じさせる。現在のスキル構成には、そのために必要な要素が含まれています。
Xerathの敵についてはどうか?
Xerathの新しいスキル構成では、既にたくさんのカウンタープレイを内包させました。Xerathは機動力を犠牲にして射程を得、新スキルのほとんどは回避が可能であり、したがって味方の準備や集団戦に依存し、そしてコストなしで得られるspell penetrationがなくなったことで、Xerathに大してはMRを買うことがが有効だと思えるはずです。
しかし、このスキル構成はすばらしいぞ、と断言するには、微妙な点が2つあります。
Xerathの新しいスキル構成は、マナが枯渇しやすくなっています。しかし、新しいパッシブであるMana Surgeにより、通常攻撃を当てることでマナが回復するため、この制限を回避することができます。このことは、525に縮められた通常攻撃の範囲に入らなければならないという意味でもあります。さらに、敵チャンピオンへの通常攻撃は2倍のマナが回復する、というニンジンをXerathの鼻先にぶら下げました。これが、リスクのあるプレイを奨励することになればいいなと思います。リスクのあるプレイは、楽しいからです。
その上、ゲーム中最長の射程(グローバル以外で)をXerathが獲得している間は、敵が行えるカウンタープレイ(Xerathに飛びつき、調子に乗っているところをめちゃめちゃにする)ができるだけ明確になるべきだと、私たちは考えました。したがって、Rite of the Arcaneの間にArcane Barrageを撃ち始めると、敵はXerathの位置が見えるようになります。加えて、Flashで射程外へ出ることができないため、プレイヤーの皆さんがXerathのultに反応する様子は独特のものです──回避か、戦場の霧中にある安全な場所への移動か、どちらかをはっきりと選ばなければならないのです。
このスキル構成のアップデートで、Xerathをプレイした時と、Xerathを敵に回した時の両方で、私たちはXerathのプレイがもっと楽しくなることを願っています。すばらしい新パーティクル・アート・効果音も相まって、より魅力あるMagus Ascendantを作ることができたと、信じています。
ZenonTheStoic
公式記事
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