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2014年7月1日火曜日

ボイスチャット機能についてのRiot Gamesの見解


Lead Social Systems DesignerのLyte氏がボイスチャット機能についての見解を発表しています。


Voice Chat Discussion

Riotのスタッフは重度のハードコアゲーマーです。私たちの多くはCounterstrikeに人生の多くを捧げてきたように、息をするようにゲームをしています。これらのようなゲームに備えられた機能についてはRiot内でもたびたび議論が過熱します - League of Legendsでも実装すべきか?と。
それは平均的なプレイヤーにとって、Player Experienceが改善するものだろうか?なぜ、いくつかのゲームでは他のゲームのように内部にボイスチャットを備えていないのか?Rioterは長所と短所について何時間も話し合います。そのため、私たちはボイスチャットの与える影響についてより詳細な調査を実施することにしました。
議論が起こるたび、私たちはボイスチャットのオンラインゲームにおける影響力についての研究成果を少しずつ積み重ねていきました。

最近のサードパーティ製のボイスチャットアプリケーションの台頭により、私たちがボイスチャットをLeague of Legendsで実装していない理由と将来的な可能性についてまだ断念したわけではない理由を説明する、研究の成果を発表する時間を作ることにしました。

プレイヤーはこの機能を望んでいるか。

私たちが注目する最も重大なことの一つは知らない人と分け隔てなくボイスチャットを行うことと友人とのボイスチャットの違いです。私たちの調査ではLeague of Legendsのプレイヤーが友人とボイスチャットを使用したいかという質問に対して、League of Legendsをプレイする上でより面白くなると79%が賛成しています。

しかし、知らない人とボイスチャットをしたいかと質問したところ、賛成は50%となりました。2人に1人は知らない人とボイスチャットをしたくはない、もしくは関心がないと答えています。さらに重要なことに28%は反対しています。このように数字を見た時に、私たちはボイスチャットを実装することに対して、4人に1人が望んでいないことを注意深く検討せねばなりません。一方で、友達とボイスチャットをしたいというプレイヤーには他の選択肢が与えられています。


これらの数字はオンライン投票やフォーラムのスレッドで見かけるものとは違うように思えるかもしれませんが、2つの重要な要素があります。1つはプレイヤーはそれぞれ固有のオンラインフォーラムに行く傾向があるということ。2つめにオンライン投票や質問は見知らぬ人と友人とのチャットの違いを区別することがまれだということです。もし、"Leeague of Legendsにボイスチャットが欲しいか"という質問をすれば、ほとんどの人は彼らの視点から答えるでしょう。見知らぬ人とのボイスチャットを好み人は"Yes!"と答えるでしょうが、友達とのボイスチャットをしたいというプレイヤーとしては数字が膨らみ、認識の不一致に繋がってしまいます。

Player experienceはどうあるべき?

最近のサードパーティー製のボイスチャットアプリケーションの急増により、League of Legendsにおけるボイスチャットの影響についておもしろいデータ分析が出ています。

私たちが特に関心があるのはこれらのボイスチャットが見知らぬ人とのボイスチャットはより楽しめるものになるのかということです。

ボイスチャットにおいては他より問題となるのはあなたは一緒にやってる数人とそのアプリケーションを利用した際に残りはテキストチャットを使うということです。私たちの分析ではチーム内の数人がボイスチャットをしていたゲームでのテキストチャットではLeague of Legendsに居場所のない racism, sexism, homophobia, verbal abuseなどが126%増加したことが明らかになっています。驚くことでもありませんが、見知らぬ人とボイスチャットをしたプレイヤーは標準的なプレイヤーより47%多くReportされています。

また他の人気のある競技的なオンラインゲームには性別とボイスチャットのおもしろい研究があります。例えば、オハイオ大学から発表された論文では女性の声での合図を出した場合には男性の声や音声がない場合に比べ、300% ネガティブなコメントを引き起こす原因となります。

要約:
いろいろ考えた結果、友人とのボイスチャットは良いものですが、League of Legendsのプレイヤーが本当に欲しがっているのでしょうか。多くのプレイヤーはSkypeやVentriloでボイスチャットを行っており、それで十分です。ただ、システム的に自動的に簡単に見知らぬ人とボイスチャットできるようにすることは意図的に使用を見合わせたり、お互いをミュート可能な場合でさえ有害だと感じる行為が126%以上増加し、reportが47%以上増えます。


以上より、私たちのボイスチャットについてどのように考えているかをプレイヤーによりご理解いただければと思います。


以下、ボイスチャット関連の質疑応答の抜粋となります。


126%は何を基準として126%なのですか?

Amazon, Google, Facebookなどの他のハイテク企業と同じように私たちはチャットログをリアルタイムで解析し、特定の感情レベルを分析する社内の予測モデルを開発しました。このモデルは例えばチャットが一般的にポジティブなコミュニケーションか、一般的にネガティブなコミュニケーションなのかを検出可能で、racistやhomophobicなものとして監視している特定の単語の頻度を確認することができます。

多くのサードパーティーカンパニーは似たようなサービスを提供しており、多くのゲームスタジオがプレイヤーの認識機能を評価するためにソーシャルメディアの自動感情評価サービスを取り入れています。私たちはLeague of Legends特有のスラングや言い回しに対応するために機械学習と言語分析の専門家と共に社内に作成しました。

PremadeとSoloの問題については、これらの要因はLeagueのほとんどのシステムで全て考慮されています。例えば、特定のPremadeのサイズではReportは~くらいで、特定のPremadeのサイズはと標準的な場合を比べそれが高いのか低いのなどは考慮されています。


Curse Voiceなどのソフトと公式の機能としてのボイスチャットの違い、友人とそれ以外の見分け方

たとえば、ボイスチャットがベータであればプレイヤーはベータ申請して、アプリケーションをインストールし、典型的なプレイヤーよりも見知らぬ人と懸命に話をしようとするかもしれません。このことはプレイヤーベース全体でとても簡易にボイスチャットできるものと比べた場合では全く異なります。

ボイスチャットをしている相手が友人かそうでないかというのはアプリケーションがそれぞれに異なるマーカーを備えているので見分けるのが非情に簡単です。たとえば、Skypeで見知らぬ人と話す場合にはまずチャット越しで情報を交換します。友人が相手なら、既にフレンドリストにいるはずです。これまでゲームを一緒にしたことがなかったり、2回目以降のゲームをやらなかったりした場合には友人でない可能性が高くなります。
いくつかの簡単なヒューリスティクスで友人と見知らぬ人とは簡単に見分けることができます。


アンケートの実施方法

私たちは"生きた"投票をゲームクライアントで行います。そうすることでプレイヤーベースのよいサンプルを得ます。ウェブサイト上で行った場合、サンプルはフォーラムを訪れる人に限られてしますので、全体のプレイヤーベースとは統計的に異なるものとなってしまいます。

フォーラムの人口は不当な人口ではありません。それはあなたがしようとしている全ての質問や議論の内容によります。
もし、プレイヤーベース全体に対して、ボイスチャットについてどう思うか尋ねたいとすれば、ゲーム内で尋ねたほうがより適したサンプルとなります。

ただ、フォーラムの人は特定のトピックに情熱的で興味を持ちます。また、Ranked Modeに参加しているプレイヤーが多い傾向にあります。
そのため、チャンピオンのバランスや競技リーグに関係した問題についてはフォーラムのプレイヤーベースは適したものとなります。


調査の対象となるプレイヤーについて

ランダムにサンプリングしたプレイヤーのゲーム終了後にポップアップします。Leagueの全てのプレイヤーにポップアップメッセージを送信する必要はありません。社会科学では人口の数%を調査することで意味にあるサンプルとなります(これはフォーラムでのサンプリングが不正確である理由でもあります)。多くの社会科学の研究では調査は数百人に行うものもありますが、Leagueにおいては通常数千から数万人に対して、サーバごとに個別に調査を行います。

フォーラムでの投票は間違った統計というわけでもありませんが、それらの統計は全く異なる条件の下で集められています。(非ランダムサンプル、自己選択、フォーラムへ訪問投稿するプレイヤーという異なるサンプル特性)。コミュニティー全体に影響を与えるもので代表とならないものに頼ることはできません。それは科学的根拠があるとはいえないでしょう。確かに他で集めた情報と共に考慮しますが、私たちはデータの奴隷ではなく、data-informed approach を活用しています(例:集めた情報は状況を照らし出す際に役に立ちます)。

ボイスチャットのようなものの場合にはクライアント内でのサンプリング投票、ゲーム内で発生した事象の分析、コミュニティ感情の調査などが行われます。それら全てが含まれます。


地域毎の特色

特に大きな違いなどは見られませんが、多くのプレイヤーが自宅ではなくネットカフェでプレイする韓国では多少のニュアンスがありました。


メンバーの構成について

5人全てかフレンドかそうでないかが重要でした。
5人が全員が友人の場合、experienceは良いものとなりました。
5人全員が初対面であった場合にはexperienceは悪いものとなりました。
5人のうち数人がボイスチャットを使用しており、それ以外がテキストチャットを使用していた場合にはexperienceは悪いものとなりました。


ボイスチャットを備えているDota2の開発者と話したことがあるかと聞かれて

面白い着眼点です。他のMOBAを製作したスタジオは同じような調査結果から、ボイスチャットを実装しないことを決定しました。
私が先ほど指摘した研究結果はHaloのものです。ただ、これらの研究成果は多くのゲームやスタジオでも同じことが言えると思います。

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