2014年7月31日木曜日

LoL Design Values:上達の徹底解説


開発ブログの今回の記事は、LoLにおける「上達」のデザインについて、Zileas氏が詳細に解説します。



LoL Design Values: In-depth with Mastery | League of Legends

私たちのLeague of Legends design values日本語訳)シリーズの2番目の記事になります! 前回、私たちはenvironment and clarity designerのRichard "Nome" Liu氏を招き、League of Legendsにおいて明確さが重要な理由をお話ししていただきました。今週は、Riot GamesのVice President of Game Design(ゲームデザイン副統括)であるTom "Zileas" Cadwell氏に来てもらって、Leagueにおける最も主要なテーマのひとつである「上達の追求」についてお話ししてもらいます。

Zileas氏はRiot Gamesの古参であり、私たちのdesign valuesシリーズで使われてきたいくつかの言葉──「カウンタープレイ」など──を、初めて導入した人でもあります。ですが今日は、Zileas氏にはもっと「上達」に焦点を当てていただきます。それは、私たちがLeagueで作り上げてきたデザイン決定の全てに関係するものであり、全体としてそれがゲームにとって重要な理由なのです。さあ、参りましょう!
Chris "Pwyff" Tom

上達


プレイヤーたちが別々のジャンルのゲームをプレイするようになるには、別々の理由があります。MMOにおいては、それは進歩している感触や、ソーシャルな達成感覚といったものでしょう。シングルプレイヤーでストーリーに焦点を置くゲームでは、それは没入感や、物語の深部を自分で切り拓いていくことになるでしょう。MOBAというジャンルでプレイヤーに動機を与えるのは、「上達の追求」にまつわることが主だと、私たちは信じてやみません。

世界一のLeagueプレイヤーになろうとしていようとも、ラストヒットの取り方を身につけたいだけであろうとも、League of Legendsをプレイするということは、継続的に成長し、より良いプレイヤーになるということと言っていいでしょう。上達する術を探してLeagueをプレイするプレイヤー、そして私たちのデザイン哲学は、このアイディアと深く結びついている、私たちはそう信じています。私たちが担う部分では、プレイヤーの旅路が果てしの無い豊かさで満ちみちるものでありますように、と願っています。ゲームに対して素早く本能的に適応した人は、最適解を通って理解すること自体に時間を費やした人と同じように、報われるべきでしょう──彼ら2人が通った上達の過程は、それぞれ別のものなのです。

私たちは、上達の中にある、3つの主要な分野を把握しています。個人の専門技術、チームワーク、適応能力です。



個人の専門技術


個人の専門技術とは、戦闘に勝ったり、ゴールドを稼いだりするために、自分のキャラクターを操作する直接的な技術のことです。ラストヒットを取る能力、基本的なコンボを行う能力、方向指定スキルを避けたり当てたりする能力、戦闘中に知識に基づいて意志決定をする能力、といったものになります。あるプレイヤーが専門技術を身につけるにあたり、私たちがお手伝いできる方法としては以下のものを用意しています。

チャンピオンに対する最適な道筋を作ることは、長年に渡って私たちが時間を費やしてきたデザイン戦略です。私たちがチャンピオンをデザインしたり、アップデートしたりする時、そこには複数の上達段階がありうるかどうかを尋ねます──時間をかけさえすれば、プレイヤーが技量に磨きをかけていけるかどうかを。Yasuoと彼のパッシブであるWay of the Wandererは、上達を育むことの良い実例となっています。移動とスキル使用によってFlowを最大化する点が──大きくFlowを増すことがバー全てを「無駄にする」ことではないことを保証されている点も──素晴らしいYasuoと良いYasuoを区別できるからです。

一貫した技術の証明に報いることは、私たちにとって大切な哲学であり、それが当てはまっていないケースを排除しているということです。たとえば、システムのオーバーホールは大きなプロジェクトであり、上達のためのポテンシャルをもっと大きくしようとする試みです。私たちはLeagueを見つめ続け、自らに問いかけ続けます……プレイヤーが輝くために技術を用いることのできない時と場所はどこか、と。こういった問題はどこにあり、修正可能な方法はあるのか、と。

以下に挙げたのは、2014年のプレシーズンで私たちが行った、一貫した技術に報いるためのシステムのオーバーホールの例です。
  • チームのスノーボールを減らすことにより、能力値によってよりも、プレイヤーが自分の技術によって勝つことが、より多く可能になりました。一方のチームがあまりにも早く、干渉外へとスノーボールする時、どんなに素晴らしいプレイをしようとも、相対するチームが巻き返すことは不可能になります。他方で、本当に「育った」ひとりのプレイヤーは、フォーカスを受けて殺される可能性があります。
  • より強力なサポートのスケールを可能にしたことにより、サポートは他チームメンバーの重要性に隠れてしまうのではなく、レイトゲームでも技術を示し続けられるようになりました。試合中、パワーレベルが他プレイヤーからかけ離れすぎている時、高度に熟練したプレイヤーですら、彼らには違いがないと感じられるようになっています。
カウンタープレイ(Morello氏が別のブログで詳細を書く予定です)は、そのチャンピオンをプレイするプレイヤーと、そのチャンピオンに相対し打ち負かそうとするプレイヤー双方のために、習熟することをやり甲斐のある課題とする、チャンピオンデザインの哲学です。2体のチャンピオンが戦う時、微妙な差異、思考、双方にとって重要なタイミングが欲しいと私達は思います……つまり、最も優れたプレイヤーが勝つべきだと思うのです。皆さんは自分が打ち負かすことのできる敵が相手であれば良いだけかもしれませんが、もしカウンタープレイのないチャンピオンがいたとすれば、完璧にプレイされた場合、敵に対しては奥行きが浅いままか、反応できる選択肢が存在しないことになってしまうでしょう。




チームワーク


チームワークとは、チームメイトの意図を読み取りつつ、それを助ける手がかりを与える能力や、逆転された時に積極的な態度を保つ能力や、常にチームのためにベストな行動を行う能力です。

チームワークに関して、私たちは2つの主な分野をデザインしました。チームプレイおよびチームの動機です。

チームプレイはカウンタープレイと同様のデザイン哲学で、Statikk氏が詳細を開発ブログに書く予定です。要するに、特定の戦略や能力のセットが、チームの効果的な協働によってだんだん強くなった場合、そこにはチームプレイがあるということです。基本的なレベルでは、自分がしている行動に、自分のチームメイトが注意を払い、反応する必要がある道を盛り込んだデザインを行わなければならないということです。これを行うために、私たちはThreshのDark Passageのように、チームが効果的に協力した時に素晴らしい力を発揮する能力を作ろうと、試みているのです。

チームの動機は、プレイヤーたちにひとつのチームとしてプレイすることを奨励するものです。アシストゴールドのような基本システムがこの実例であり、タワー、ドラゴン、バロンのようなobjectiveも同様です。また、全てのLeague of Legendsのゲーム外褒賞およびRankedでのプレイ(勝利数/敗北数)は、チームの成功として位置づけてありますが、これはプレイヤーがひとつのチームとしてプレイすることに報いるためなのです。このことの最後の効果は、上達過程にはチームワークを磨くことも含まれているということを、プレイヤーに理解してもらうことです。



適応能力


皆さんが様々なスタイルでプレイする能力とともに、適応能力とは、新しい考え、新しい脅威と新しい変化を学び対応する能力の両方を指します。プレイヤーが違えば、適応方法も様々です。ある者は多くのチャンピオンに習熟することを選びますが、その間に、別の者は1体のチャンピオンを様々なビルドで深いレベルで習得します。私たちはこの双方を支援しようとしていますが、Leagueにおける上達の追求とは、そもそも適応能力の高いプレイヤーになることと同義だと信じています。

私たちが適応能力に報いる最初の方法として用いているのは、システムおよびプレイバランスの変更です。競技レベル(から様々な成功まで、誰の目にもわかるように)で可能な限り多くのチャンピオンをプレイ可能にし続けたいと私たちは熱望しており、チームレベルでプレイ可能な戦略の数を増やそうとすることに、多くの時間を費やしてもいます。より良いバランスの取れたゲームとは、敵のわずかな息づかいをも敏感に感じ取って適応し続けられるプレイヤーをより讃えられるということであり、人気のないチャンピオンと戦略をプレイするために、学習に時間を投じたプレイヤーたちに対しても、同様に報いるということなのです。

終わりに


League of Legendsにおける上達の可能性を、私たちは改善し続けようとしており、皆さんの理解を助けることが、この目標を達成できる道だとも思っています(もしそうでないと思うのなら、ぜひフィードバックをく下さい!)。私たちは基本的に、努力をもってより良くなることがわかるゲームとは、プレイすることに報いるゲームであると信じています。私たちは、皆さんが自分自身の上達に邁進し続けることを願ってもいます──そして、このブログが、新しい技術、チャンピオン、戦略を習得しようとする皆さん自身のための備忘録となりますように!

 Tom "Zileas" Cadwell

関連記事
Game 4 Broke - LoLの情報ブログ: 開発ブログ: The Design Values of League of Legends
Game 4 Broke - LoLの情報ブログ: LoL Design Values:明確さの徹底解説