ボリベアのVGUに関するLutzburg氏とプレイヤーとの質疑応答の訳の続きになります。
G4B内関連記事
ボリベアのVGU担当Rioter Lutzburg氏によるコメント集 Part 1
ボリベアのVGU担当Rioter Lutzburg氏によるコメント集 Part 2
(3回目になる前置き)
Lutzburg氏はRiotのチャンピオンデザイナーのひとり、最近のマルファイトやウーコンのリワークにも関わっていました。
ボリベアのVGU担当として、最近はredditやTwitterで頻繁にプレイヤーと会話を楽しんでいます。
その中から、新しいボリベアについての情報が多く含まれたものを抽出し紹介します。
また、膨大かつ現在もその投稿は続いているため、今回の記事はパート3ですが、今後も継続的に紹介していくつもりです。上記リンクからパート1、パート2もご覧ください。
今回はボリベアVGUのPBE実装後から、redditにおいては現在(2020年5月24日)に至るまでのコメント集となっています。
Q. GoodなボリベアメインとGreatなボリベアメインの違いはどこで生まれると思いますか?
A. すこし提示しましょう(追記 - すこし、という言葉を16という意味で使いました)
- CCが重いチームに対して追いかけるときに、Qを複数回再使用するためのQを使うタイミング
- ミニオンウェーブを操作して対面した相手に密やかにダメージを与える、レーンをフリーズする、エンゲージする前に自身を強化する等々
- ウルトを使う適切な時を知ること! 多くの配信者が効果的でない使い方をしているのを見てきました
- 敵の動きを予測し、移動リソースを消費させてからEやRで接敵する
- 状況に応じてEの柔軟性を活かす。ダメージを与える、カイトする、追いかける、ゾーニングする、囲い込む、シールドを張る、ウェーブクリア、等々
- Eの性能(シールド、ダメージ、機を見たスロウ付与)を適切に引き出すために、集団戦が動いていく方向、ボリベアが向かうべき場所、敵がどこへ動くかをチーム全体で意識する
- Eを確実に当てるためのQ
- タワーダイブするタイミングと角度、そしてボリベアがどれだけダメージを受けられるかの知識
- EのシールドのタイミングとW2での回復を使って戦闘時に立ち回る(ボリベアのディフェンシブ能力と敵チームのダメージ量の知識)
- モーションキャンセルを用いたQ-AA-W-AAコンボ
- マッチアップとゲーム状況による、どのアイテムを選ぶかの理解(ボリベアは特にアイテム選択による汎用性が高い)
- ジャングラーとしてギャンクする際にEをゾーニングや逃げ道を塞ぐ手段に用いる
- 敵をボリベアのEに入り込むように誘導する(Eは最初の1秒は範囲が敵に見えません)
- Wの2回目の使用までの速度とその回数を最大化するための習熟(PBEで見た多くのプレイヤーは敵に到達してから2-3秒後に使っていました - 貴重な時間を無駄にしています!)
- マークしたターゲットを追うことにリソースを使うか、それとも諦めて新しいターゲットにW1を使うかを知ること
- 時間経過によるボリベアのゲーム内の役割の変化を理解すること
- ゲーム序盤はバーストの出るスクラッパー
- ゲーム中盤はデュエリストかつオブジェクトを奪う怪物
- ゲーム終盤はタンクで後衛をかき乱す
Q. バランスチームがボリベアを2週間しか調整できないのが残念だよ
A. いわゆる「バランスチーム」はこの6ヶ月間ボリベアを「調整していた」のです。私たちは開発サイクルの大部分を共同で動いています(原文)
Q. ボリベアの固有スキルはAPでしかスケールしないじゃないですかーやだー!
A. ボリベアの固有スキルは攻撃速度でもスケールします! 攻撃速度が高ければそれだけ発動回数も増えます。タンクビルドにしていたとしても、固有スキルは通常攻撃の30%の追加魔法ダメージを与えるので、70/30の割合でダメージを出します。
ボリベアのADビルドのスケールはQが1.2増加AD + 1 合計AD、Wが1/1.5 合計AD、Rが2.5 増加ADです。これは実際にはかなりの量のADスケーリングです。(原文)
Q. ウルトで固有スキルが最大までスタックすればいいのに。それとウルトそのものを弱体化させてもいいから、ウルトの最中はヴェインやナサスみたいにWのクールダウンを短くして欲しい
A. ボリベアのウルトは元々は固有スキルを最大値にしていたのですが、これは強すぎると判明しました。ウルトの跳躍はボリベアの弱点のひとつである機動力を克服しているのに、さらにダメージを出すまでの手順をスキップさせていました。やり過ぎでした。
ウルトで巨大化しているときにWのクールダウンを短くするアイデアは好きなのですが、これを実装するにはかなりの量の再調整が必要になるでしょう。(原文)
Q. ウルトした相手に負傷(Wで受けるダメージが増加するデバフ)を与えるアイデアについてどう思いますか? W2ができないで回復できない問題を解決すると思います。
A. ウルトで敵を負傷させるのはボリベアの(集団でも単独でも)戦闘における数少ない課題を克服してしまうことでしょう。方向性としてはそうするとカウンタープレイや、ボリベアをプレイする時の満足度を減らすことになるでしょう。時には負傷させた相手にWを再使用できなくてもいいと思います、タダで得られるものではないはずです(原文)
Q. 固有スキルの雷でタリスマンを誘発するのはそんなにOPでしたか? そうでもないのでは?
A. 数ヶ月のプレイテストを経て、雷の連鎖がタリスマンを誘発するのはOPだと明らかになりました。ボリベアの他のステータスや調整判断を歪ませているという指摘に至ったのです。タリスマンの固有スキルによる誘発を維持するには、基礎的にボリベアを弱体化させなければならなくなりました。ですが、固有スキルでタリスマンが誘発することにそこまでする価値はありませんでした、信じてください(原文)
Q. ボリベアのリワークは……駆け足気味? エフェクトの質が悪かったり、モーションが未完成だったり
A. リワークには10ヶ月かかりました、これはこのサイズのプロジェクトにしては平均的な期間です。粗いテクスチャの存在と、プロジェクトが「駆け足」だったことを同一視することからは、あなたがゲーム開発をよく知ってはいないことがわかります。私たちは信じられないほど高解像度なエフェクトでスタートします、そして技術的な容量をローエンドな環境に合わせるためにクオリティをダウンスケールします。明らかに下げすぎる具合まで行いますが、そこから調整します。ですがこの仕事が高品質で駆け足でなかったことを強調することにはつながりません。
スキンのクオリティについては、まだ作業中であること(結局はPBEですし)と、それらが安価なスキンである事実と、高価なスキンほどに注意を払い装飾を与えることが許されていない事情のミックスになっています(原文)
Q. APボリベア超たのしーです。ADビルドと同じくらい viable (訳注:直訳では「実行可能」、英語圏LoL界隈ではよく使われる単語。ピック率や勝率などを総まとめにした言葉)にしてください。なんでだめなんです? 両方が同等であることになんの問題があります? バランスが取れてる必要があるなら反映率を調整すればいいじゃないですか
A. この考えにはすぐにわかる問題が存在します。反映率はそのビルドが viable かどうかを決定づけるものではないのです。プレイパターン、長所と短所、減速するパターン、パワースパイク、チーム間での依存性、カウンタープレイ、結果のバリエーション、役割ごとの存在感、集団戦での能力、その他1,000の要素で決まるものです。
完璧な世界であるならば私はAPボリベアもADボリベアもタンクボリベアも同等の勝率にしたいです。でもできないんです。もしも強すぎたなら削る用意はしていますし、もしも弱すぎたならゲームが健全になるまで強化しようとするでしょう。
どれが最も適したビルドかを語るには早すぎますが、私たちはタンクビルドとAD-onhitビルドを主にサポートしていく当初の方針を守るつもりです。もしもAP向けの調整が主要なビルドの犠牲を必要とするとしたら、その調整を行うことはないでしょう(原文)
Q. 泉からスタートするときの走り方をQに適用することはできないんですか? スタート時の走り方はいきいきとしていて、Qの走り方は足が不自由な感じがします
A. スタート時の走るモーションはある理由からQにはむいていません。ゲーム開始時のスピードは750に到達し、その間にボリベアがスロウを受けることはほぼありえません。Qの走りにおいては、ゲーム開始時の半分程度で、スロウを受ける可能性もあります。ゲーム開始時と同じ跳ねるような走法は、速度が遅いときには成り立たないのです(原文)
Q. アンストッパブルな神がマナ切れで止まると悲しいので、マナ回復強化やマナ消費を下げることは可能ですか?
A. トップレーンならドランリングやコラプトポーションを使ってみるか、あるいは序盤にシーンやグレイシャルシュラウドへとラッシュしてみてください。また、マナ制限を克服するためのルーンを複数取ることもできます。最後に、PBEでたくさんのプレイヤーが不必要にE(最もマナ消費の大きい通常スキル)を使用したファームをしてマナを無駄使いするのを見てきました。(原文)
Twitterに投稿されたPBE調整リスト
Hey bear fans, thanks so much for all the love you've been showing us after trying Volibear on the PBE. Below is a list of changes we've made largely thanks to your feedback, so please keep it coming! Everything on this list will be playable in-game after the next PBE deploy. pic.twitter.com/yHDJGRcFdb— Nathan Lutz (@RiotLutzburg) May 19, 2020
ツイート訳
『クマの信者たちよ、PBEでボリベアを試したあとにその愛を私たちに見せてくれてありがとう! 以下はあなたがたのフィードバックのおかげで私たちが判断した変更リストになります! リスト内の全ては次のPBE更新後にプレイ可能になる予定です』
画像訳
- デザイン/調整
- 固有スキルの攻撃速度を3%から5%に増やします(上限は15%から25%に増加)
- 引き換えに基礎攻撃力を60から57に低下、Qのダメージを25-125から20-100に低下
- QのCCリセットが攻撃モーションの途中でも誘発するようになります
- Qの攻撃がモンスターに対しても他の対象と同様に殴りかかるようになります
- Eは落雷のタイミングで一時的にその地点の視界を得るようになります
- おすすめアイテムリストをアップデートしました。トリニティフォースも基礎アイテムに含まれています
- ビジュアル
- 立ち止まっているときにCtrl5を押すことでボリベアが胸を叩き咆哮をあげます
- ボリベア警部のロード画面のアートからトランドルの肘を消しました
- ボリベア警部の毛皮からペパーミントグリーンのエフェクトを削除しました
- ボリベア警部の通常攻撃が大振りから「パンチ」モーションを使うようになりました
- ルーンガード ボリベアのスプラッシュアートに彼のクマらしさを足しました
- ルーンガード ボリベアの背中のスパイクがより長くより威圧的になりました
- EとRのスロウ効果が対象に汎用スロウエフェクトを与えるようになりました
- 多くのスキンで大量のビジュアルクリーンアップを行いました
- 千刺の熊からベーススキンの青いエフェクトを削除しました
- 多くの部分のテクスチャの質を改善しました
- 多数のモーション移行の改善
- ウルトフォームで視認性の低かったモデルを処置
- バグ修正
- Qの攻撃モーションがウルト使用後にスロウを受けるかタワーを攻撃する際にキャンセルされなくなりました
- ボリベアはウルト直前に入力した攻撃コマンドや移動コマンドを保存しなくなりました(これによりプレイヤーが意図しない行動をしていました)
- EとRのAPレシオをツールチップと合致するようにしました
- 様々なサウンドエフェクトのバグ
- 誰にも気づかれなかったその他いっぱい
上記のツイートをredditに紹介する投稿
『意見の表明にツイッターや掲示板、DMで時間を割いてくださった全員に感謝します! この変更リストが、私たちが皆さんの声に耳を傾けていること、可能になれば皆さんのアイディアを実装するために全力を尽くしていることを示してくれると思います。
皆さんが最もハッピーになるお知らせは、ボリベアが追加アクションを得たことでしょう。これはctrl 5を押すことで可能になりました。これはボリベアの胸を叩き咆哮を上げるモーションに対するファンの方々の圧倒的な関心をダイレクトに反映したものになります。私たちはThe Cutting Room Floor(訳注:ゲームの未使用データを集めたサイト)から持ち帰ってきました。
この変更の内いくつかはすでにPBEに実装済みで(追加アクションを含む)、残りは明日の朝のPBE更新には実装されることでしょう。
全ての手助けに感謝します。Flip vs. Stunの動画がもうすぐ公開です!』(原文)
Q. ctrl5を追加してくれてありがとう! 他のアクションみたいにボリベアの動きを止めることはできますか?
A. 悲しいことにできません。ctrl5の枠は本来はトグル(切り替え)アクションに確保されていて移動中も使えるのですが、それらは通常は派手なモーションではないのです。これは技術の限界でした。(原文)
(訳注:ctrl5の切り替えの例としては、パイクの武器のエフェクトが切り替わる、ゾーイの移動モーションが変わる等)
Lutzburg氏とEUの配信者Virkayu氏の対談
内容は主に
- Qがすくい投げからスタンになった理由
- Wのマークの仕様
- ジャングルアイテムのエンチャントの適性
- etc.
この動画は第二弾(5/20に公開)であり、第一弾(5/13に公開)は50分超の対談動画となっている(動画リンク)
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