1月11日付のMeddler氏の投稿より、ジャングルについての現在の考えと、バロンバフおよびインヒビタータワーのスケーリングについての投稿の訳です。
注意事項:以下の内容は今後の作業や計画を含みますが、将来的な実装を確約するものではありません。
原文
Quick Gameplay Thoughts: January 11
ジャングルについて、現在の考え
今回の投稿では、ジャングルについての踏み込んだ考察を数点お伝えしようと思います。こうした投稿について今週前半にいただいたフィードバックにあった話として、昨年は変更の理由や考えを書くよりも、変更の内容について書くことに少し偏りすぎていたと一部の方が感じていたことがわかりました、この両面についてバランスを改善していきたいと思います。
ではまず、9.2予定として現在検討中の変更をざっと見ていきましょう。
キャンプのスケール
- 普通のキャンプ:経験値の伸びを150% → 125%
- バフのあるキャンプ:経験値の伸びを157% → 125%
- スカトル:ゴールドと経験値の伸びは基本値の倍々ペース → 基本値の180%
- ダメージ:28~164 (20 + レベルごとに8) → 20~156 (12 + レベルごとに8)
- 秒間ダメージ:20~54 → 19~42
- 合計ダメージ:60~162 → 57~125
- DoT持続時間:3秒間 → 2秒間
- マーク中に視界を得られる仕様を削除
変更の理由は?
最初に、ほとんどのMMR帯でジャングラーの影響力が高すぎると私たちは判断しています。特に試合序盤をジャングラーがコントロールしているので、ジャングラーは現在のように高い与ダメージを持つべきではありませんし、ソロレーナーが得る経験値に近い成長速度を保つべきでもありません。これまでの長い歩みを振り返ると、ジャングラーはチームのマークスマンと同じか少し上ぐらいの経験値を獲得する傾向にありました。私たちは時間をかけてジャングラーが獲得可能なゴールドと経験値を大きく増やしてきましたものの、かつて私たちが認識していたほどソロレーンよりもはるかに獲得リソースが少なくなるべきだとは考えておらず、この方針を少し過剰に進めすぎてきました。同様のことがスマイトのアップグレードについても言え、これらに設定された能力はジャングラーが得るゴールドや経験値が少ないという前提でもともとはバランス調整されてきており、それゆえに現在あるべき水準を越えた強さが求められてきました。スマイトアップグレードのダメージをへらすのは、行き過ぎて不必要なダメージを、特にスキル以外のダメージ源から減らしていく大規模プロジェクトの一部でもあります。このプロジェクトについての詳細ももうすぐお話しします(おそらく来週)。
経験値の減少も、プレシーズン(8.23)で変更と対処を試みた点です。ホリデー休暇が近く大きく状況を動かしたくはありませんでしたので、私たちが良いと考えた面では正しい変更ではなく、保守的な変更に留まってしまいました。思い返せば、十分な行動に必要な水準に達していない変更でした。
他に可能性があるジャングルの変更
他にもジャングルへの変更を数点検討していますが、時期は未定です。ひとつめは、チル・チャレンジスマイトに代わるユーティリティ能力を作ることです。昨年トラッカーナイフを削除したのは、組織的なプレイをひどく硬直化させ、使えるジャングラーのラインナップに圧をかけていたなど、トラッカーナイフが戦略やマクロプレイ面で持つ影響力が大きな問題を生じさせていたからです。トラッカーナイフの不在が残した空白は明らかですが、スマイトアップグレードについては選択肢を増やしてもよいと思います。これまでに試してみた新スマイトアップグレードは、短時間シールドと増加移動速度を得られるというものです。そこそこいい感じではありますが、まだ確定してはいません。方針変更したり、別のスマイトアップグレードのテストしたりといった予定も、現時点では何も決まっていません。
ふたつめは、プロプレイと通常プレイの間で有効性に差があるジャングラーたちの調査検討です。これまでの考察では、プロ(や高MMR帯での組織化された5人プリメイド)におけるジャングルの影響力はソロキューよりもかなり低くなっています。プロプレイでジャングラーが弱いと断言したいわけではありませんが、この差によってバランス調整がさらに難しくなっているチャンピオンやアイテムなどが、両方の文脈からできてしまっています。これはプロプレイにおいてチームワークやコミュニケーションがより多く行われているためで(ジャングラーの位置把握とその情報を元にしたプレイが容易)、プロではバフはレーナーに渡されることがかなり多く、特定のひとりが掛け算的に強力なスケールを得る傾向にあり、レーナーがジャングルキャンプを狩る傾向も強くなっています。ジャングルのバフの仕組みとその扱いで苦労する部分については特に変更を行う可能性が濃厚ですが、まだはっきりとした方向性は決まっていません。
「○○については?」コーナー
レベル2ギャンクは?
- 全MMR帯で使用されている範囲のジャングラーを見ていると、レベル2ギャンクが強力なプレイパターンを持っているものもあれば、持っていないものもあります。確実にラインを越えていると感じられる一部のチャンピオンについては、ジャングル周回の強さを見直しています(カミールとシン・ジャオですね)。ここでの問題は序盤のギャンク可能能力というより、各チャンピオンごとに生じているものだと考えています。
- 現在強力なピックとなっているチャンピオンの中で、スカトル獲得が得意なチャンピオンや苦手なチャンピオンについても把握しています。現在、スカトル争奪戦に参加しない場合に逆の周回ルート(赤バフからクルーグへ向かう)から得られる報酬が意図どおりになっているかどうかを調査中です。他プレイヤーと相互作用を起こさない安全なプレイに、危険なプレイと同様に価値があってしかるべきとは考えませんので、これらの間にある差は縮めたくないのですが、少し大きくするべきか今は保留にするべきかを検討中です。
- スカトルクラブがどのチャンピオンへどれだけ影響するかについてとは別に、現在の最適解ほどスカトルクラブに関与したがらないジャングラーが多くいるという所感も抱いています。見解としては全体的に理解できます。同時に、中立スペースでのオブジェクトに大きな優先度を置くことで、健全な相互作用面や技量の発露、リスクとリターンのトレードオフなどにおいては多くの恩恵があると確信しています。
- ギャンクの頻度や序盤のジャングルのプレッシャーもまた、問題として認識されています。現在はダメージを減少させる箇所を見極めたいと考えており、おそらくは序盤にとても圧倒的なギャンクができるジャングラーを弱体化し、各キャンプから得られる報酬の伸びも減らした後、ジャングラーのプレッシャーがどうなったか評価するつもりです。ジャングルの脅威がレーンを少し締め付けすぎているのではないか、という意見をいただいており、これには同意します。
- かなり多く寄せられた要望として、ジャングルキャンプの復活タイマーをもっと短くしてほしいというものがあり、おおむねパワーファームをもっと強く、ギャンクのコストをもっと上げてほしいという理由からでした。昨年中頃に大いにテストを行ったのがこの点です。その時の結論は調整の余地皆無というものでしたが、チェインファーミングが明確な最適解になる前でした。そのような状況では少なくとも統計的には、チェインファーミングが最も有効なプレイスタイルになっていたため、パワーファームジャングラー(ジャックス、イー、ウディアなど)の強さの上限は既に低く、平均MMR帯によって調整はまたしてもさらに難しくなっていました。
ジャングルエンチャントの○○には変更の必要があると思う
- 現在4種類あるジャングルのエンチャントについては、幅広く使用者が存在するとても良い状態で、攻撃的な選択肢か防御的な選択肢(シンダーハルク)かで、複数のエンチャントを使用可能であり実際に使用率も分かれているチャンピオンが存在しています。ブラッドレイザーは少し幅の狭いエンチャントで、コアユーザーとなるグループはかなり小さく、高MMR帯では使用率がかなり落ちます。また長らく感じている印象として、ウォリアーは他3種のエンチャントと比較した際に、能力値以外のもので満足できる面白いものを提供できていないようです。クリティカルアイテム群やシステム的なダメージ、全体のバランス調整など、現在作業中の計画が多いため、これらへの対処について優先度を高くする計画は現在ありません。次にジャングルアイテムの合成経路について作業をすることになれば、こういった問題点についての対処を検討したいとは考えています。
バロンバフとインヒビタータワーのスケーリング
PBEで発見されているかわからないので言及しておきます。バロンバフの仕組みとインヒビタータワーの能力値について、9.2でいくつかの調整を行います。バロンバフは20分時点で現在よりも少し弱くなった状態から始まり、同じところまでスケールしますので、早々にバロンを取ることで圧倒的な能力値を得られることはなくなります(攻撃力24~48→12~48、魔力40~80→20~80、影響下のミニオンが得るダメージ減少率70%一律→50~70%)。インヒビタータワーは31~45分の間で55~70の防御能力値を持つのではなく、常に70の物理防御および魔法防御を持つようになり、平均試合時間でなら常に少し頑丈になるはずです。