2014年12月19日金曜日

Champion Insights: 我々は報復の槍である


公式サイトに掲載されたKalistaのChampion Insightsの訳となります。Kalistaの制作チームが、彼女の制作の一部始終について語ります。


Champion Insights: We are the Spear of Vengeance | League of Legends

一歩一歩前へ


Jinxのローンチで霧が晴れるのと同時に、Kalistaの開発が始まりました。Champion teamは新たなる試練に直面したのです。「女性マークス(ウー)マンの年」では、同じような言葉とたくさんの銃、弓にボウガンまでもが主役となっていました。形成された同意内容はこうです……「女性マークスマンに対し、別のアプローチを取る時が来た」。

ほとんどのチャンピオンは、不定形のアイディアの塊として産声をあげます。ある人が着想を得て、その着想に基づいた作業を行います。頭のなかのものを形にし、周りとそれを猛烈に共有するのです。そのアイディアがメンバーの共鳴を得たのならば、アーティストが絵に描き起こし、デザイナーはコンセプトと仕様を作り、ライターが物語を書きます。これが行われると、新チャンピオンははっきりとした形のわかる萌芽となり始めるのです。

Jinx後、という難問に挑戦したのは、コンセプトアーティストのLarry “TheBravoRay”氏でした。ゼウスとその雷撃に着想を得た彼は、背が高く、筋骨隆々とした女性が何度も何度も槍を投げる、そんな様子をイメージしていました。でも、試合中、毎試合、ずっと繰り返し攻撃を行うのがマークスマンなのだとしたら、投げ続けるための槍をどこから補充するのか、彼はそこに対するユニークな着想を求めていました。


Larry氏は、その問題に対する解決策に言及して「堕ちた戦士という構想を作りたかったんです」と語ります。アイディアを広げるため、彼はアンデッドの女性軍人を数点スケッチしました。「私がプレイヤーに考えて欲しかったのは『なぜ彼女はこうなったのか? どうして彼女は幽霊のような外見で、この槍はどうして彼女の背中に刺さっているのか? このキャラクターを動かす大きな動機は何か?』ということです。そこから、わかったことを考えたんです。チャンピオンデザイナーのBrad ‘CertainlyT’氏が議論とアイディアの投下を始め、コンセプトの行く先を決めるのにそれが役立ちました」

開発初期段階では、そのチャンピオンが秀でているものによってコードネームがつけられます。Larry氏のコンセプトがうまく回り始めてから間もなく、「Spectral Legionnaire(幽霊兵士)」の開発工程は始まりました。

チーム内チーム


熟練した制作者たちが緊密な連携を取っているチームからチャンピオンは生まれますが、そのチームには、全く同じ技能と専門分野を有する人間は2人といません。チャンピオンチームは幅広い人員で構成され、全ての作業が行えるチームが複数あり、それぞれが同時にある新チャンピオンにフォーカスして作業します。

こういったチームが、ゲーム内におけるそのチャンピオンが誰で、何であって、なぜそうあるべきなのか、ということを確実に理解する責任を果たしているとしても、その作業は広く共有され、おびただしい人数のRioterから意見が募集され、仕上げられていきます。何ができあがるのかを見に、Ryze氏やTryndamere氏さえ現れることがあります。

Kalistaを定義する


Anthony “Ant in Oz”氏がRiotのNarrative teamに加わったのは、Kalistaがまだ最初の一歩を印そうとしている最中のことでした。Kalistaは彼の最初のプロジェクトとなり、彼は特急列車に飛び乗ることになったのです。「私たちにわかっていたのは、彼女は裏切られたということで、それは彼女のアイデンティティの4分の1近くを占めるものでした。なので、私の最初の仕事は、いくつかの物語を書くことでアイディアを肉付けし、そのチャンピオンについて作業を行う全員が共鳴するのはどれなのかを見極めることでした。ひとつの物語を読んでみんなが興奮すれば、そのチャンピオンに対するみんなの情熱が再び燃え上がる……すぐわかることと思います。良い評価をもらえたとわかる瞬間なんです」。

Brad氏の(デザイン)側では、Kalistaのスキル構成に馴染むよう、協働的ゲームプレイデザインのプロトタイプ制作を行っていました。協力プレイで楽しいのは、目的をいっしょに達成することであって、単に、近くにいるチームメイトとお互いに同じようなことをすることではありません。この満足の法則は、Kalistaともうひとりのチャンピオンの間に、目的を共有することと、対等な関係すら要求するということでした。テーマ的に用意されたアイディアは、Kalistaの兵士としての側面です。兵士たちはある目的を持つひとつの部隊として戦えるように訓練します──デュオレーンの仲間と同じなのです。

初期デザインを見た時、Anthony氏は飛び上がって喜びました。「背景とストーリーがゲームプレイの方向性にインスパイアされた、良い実例でした。ゲームプレイ、物語、そして様々なアーティスト全員の間を行きつ戻りつしたことと思います。私たちは全員、お互いに刺激し合ったのです。それはとても健全で、仕事をする上では自然な方法だと考えます」。

プレイヤーたちがどのように協働できるのかを求めるBrad氏の探求は、別のチャンピオンがKalistaへ魂を捧げられる「誓約」へと進化しました。Kalistaに適切なテーマ的かつ物語的な発想を得て、Brad氏はデュオレーンのプレイヤーたちがいっしょにファームをし、キルを確保し、お互いにピンチを救い合うことができるよう、最高の働きが可能な方法を固めました。


問題児


Kalistaの構想には、まだひとつの問題が浮上していました。幽霊であるという同意はあったものの、かつて誇り高き兵士であったKalistaと、報復の槍となった現在の彼女の間のバランスが問題で、難しいことがわかりました。

特に混迷した時期についてLarry氏曰く「キャラクターを(社内の)みんなが見始めてから、たくさんのフィードバックがありました……言われたのは『ゾンビっぽすぎる』ということでした。とにかく『ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ』と言われ続けたのです。彼女はアンデッドなので、その点については的を射ていて良かったのですが、私たちが作りたかったのは知性のないゾンビではありません」。Kalistaの初期アイディアを手がけたアーティストたちは、スプラッシュチームのイラストレーターたちと顔立ちを手直しし、彼らが想像した、決断的で冷酷な狩人のイメージを投影したのです。


Anthony氏は、アイデンティティ側でも別の突破口があったことについて話してくれました。VO(ボイスオーバー、台詞)の制作中、「彼女が絶対に『私』と言わないのは、彼女がひとつの存在以上のものだからだ、という理解がありました。だから、『我々は報復の槍である』となるわけです」。この変化は、彼女のアイデンティティに対してより鮮明な理由付けになり、契約を交わす魂と彼女との関係を示すこととなりました。ごくまれにですが、かつての人生を思い出す時、苦しかった過去を垣間見せつつも「私」と言うでしょう。

Fate’s Call──宿命の呼び声


試合中に困難な試練を切り抜けてKalistaを操る鍵は信頼だ、とBrad氏は強調していました。「私たちは絶えず問題に直面していました。いっしょに取り組めば解決できる問題もありましたが、会議では冗談が少なくなっていました。無理矢理変化球を投げたり、問題を解決する方法についての議論をしたり……このチームで私が誇れるものを挙げるとしたら、このチャンピオンに関しては、特に長いリストになるでしょうね」。

この考え方に沿ってLarry氏は続けます。「全ては、たくさんの専門家たちの共同作業の結果です……各員はそれぞれの分野のプロで、信頼できるすごいフィードバックを送ってくれるプロでもあります。ゲームプレイ・フィードバックであれば、理解しようとし、適切な行動を取ってくれるだろうBrad氏を信頼しています。同じことは物語やアート、アニメーションにも言えるのです……」。最後のコメントをお願いすると、Brad氏はこう語りました。「皆さんが実際にワクワクできるものだけじゃないんですよ、わかりますか? ひとつのチャンピオンを作るのではありません。“この”チャンピオンを作るんです」。

このChampion Insightsへの感想をお待ちしています。Kalistaが初めて無料チャンピオンとなるこの週に、彼女をぜひお試しください。