「10年以上使われ続けているLoLのゲームエンジンにはさまざまな問題があるが、Riotはこれをアップデートするつもりはないのか?」という問題提起に対して、リードモードデザイナーのReina 'Reinboom' Sweet氏が答えていましたので、内容を訳して紹介します。
元スレッド
Will Riot ever update the League of Legends game engine? : leagueoflegends
Reina 'Reinboom' Sweet氏のコメント訳
LoLのゲームエンジンは、かつてLoLがリリースされた時のものとは大きく異なっています。エンジンと見なされうるツールとシステムの集合体は複数のレンダラーになっていて、VFXのパイプラインはほぼ完全に置き換わっており、UIツールとその背後の技術は完全に置換済みで、オーディオシステムと複雑なゲームデータも全て新構造になっていて、ローカライズシステムも置換済み、他のさまざまな物も新しくなっています。ゲームエンジンには確かに欠点もありますが、とても良い長所もあります。全て、LoLとTFT向けに最適化済みです。
ここで言われている問題のほとんどは、ゲームエンジン段階の問題ではありません。変な挙動、ほとんど行われることのない処理、複雑なバグというのは、ゲームエンジンの問題にはなりにくいものです。そうではなく、一般的には一種のコンテンツの問題であることがほとんどです。そうでなければ、他のゲームエンジンには一般的な解決法が存在しない、LoLに独自すぎる問題です。「善を成す」ことのコストは、LoLのゲームエンジンでもそれ以外でも同じことです。
ほとんど全ての問題は、多くが一種の「コンテンツの問題」に当てはまります。よくある問題はどちらかといえば、そのコンテンツが基礎から間違いを内包していたというより、制作当時になかったツールに関連する問題です。実際、そのコンテンツにはどこかで見直しとアップデートが必要になります。でなければ、コンテンツそのものに自主的な制限などがかかっています。
このスレッドで挙がっていた、一部コンテンツの実例をこちらに書きます:
ニダリーの槍:飛翔物を地面の高さに応じてアップデートする必要があります。見た目を良くし、おかしな飛び方にならないよう、VFXをしっかり考えなければいけません。
「エレメンタリスト ラックスみたいな新スキンはもう実装されない!」:これはLoLのゲームクライアントの消費メモリが原因です(注:LoLのクライアントではなく、ゲームがプレイされている時のクライアントを指しています)。LoLがとても低いPCスペックで動作するようになっているのは、高スペックでないPCでプレイしているプレイヤー層がとても大きいためで、特にネットカフェがない地域(北米など)では重要です。一定範囲を超えないよう、コンテンツのグループを限られた範囲に収めるために(単一スキンの最大コストとか)、私たちは難しいダンスのようなやりくりをしていて、それからさまざまなシステムへの最適化を行うので、こうした範囲は後々に大きくできるでしょう。
おそらく最大の問題は何よりも、スキルとスクリプトの複雑さに関連したものでしょう。繰り返しますが、ゲームエンジンの問題ではありません。リライトとアップデートを続けている対象ではありますが、継続中のプロセスです。大きなコンテンツの相互作用が突然解消したり、とても狭い範囲の特定の相互作用が発生したり、というのはこのプロセスが進行している結果だと思ってもらって結構です。ヴィエゴの実装で、多くの固有スキルのリライトが必要になりました。サイラス実装も多くのスキルをアップデートすることになりました。ツールチップ内のスケーリングアイコン実装で、ゲーム内のほぼ全てのスキルの数値の計算方法を書き直すことになりました。アルティメット スペルブックは、一部のとてもニッチなシステムと、それに関連するスキルのリライト作業を続ける原因になっています(例:アニーのR→ペットのシステムは、複数のペットを操作できるようアップデートされました)。(原文)
質疑応答
Q. キャラクターとスキンのモデルは、最初期のLoLと比べてアップデートされてるんですか?
A. ノーですね。細かい修正はしましたが、大きな労力がかかるような修正はVUの時だけになります。(原文)
続き
Q. そうじゃなくて、新チャンピオンのモデルは古いものと比べてどうなってるのかなって。質問がわかりづらくてすみません。
A. あー、新しいチャンピオンやスキンは新しい技術で作られているかってことですね?
それはもう、完全にイエスです。古いチャンピオンやスキンと、新しいチャンピオンやスキンでは、使われている技術に大きな差があります。たとえば、昔のアルティメットスキンは、古いキャラクターを大きく変身させて完全に新しいキャラクターにしてしまうものでした(例:DJソナの変身)。こうしたキャラクターは既存のものとかけ離れているので、リソースをあまり共有することができません。一方現在は、新しめのスキンに「ギア」システムというのがあって、スキンでアップデートされたパーツやVFXリゾルバーのセクションをピックアップするのが簡単になっていますので、リソースの共有がやりやすくなっています……総消費メモリにも影響を小さくできます。残念ながら、古いスキンはこうした方法で作られていません(制作当時はこうした技術が存在しなかったため)。(原文)
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