10月1日に公開された公式記事「マッチメイキングとチャンピオン選択 - 2022年秋」について、ゲームループ プロダクトリードであるChris "Riot Auberaun" Roberts氏が、Redditで行った質疑応答の訳です。
公式記事
マッチメイキングとチャンピオン選択 - 2022年秋
この記事の目次
キューとマッチングについて
ロードアウトのおすすめ機能
botやスマーフなど、チート対策
チャンピオン選択の匿名性
ボイスチャットの実装
ゲームループ プロダクトリード Auberaun氏
ついに公開されました :) この記事や、私たちチームの担当範囲についての質問に答えるべく、今日中はこのスレッドを見ていようと思います。
追記:繰り返し多く聞かれる内容について、埋もれてしまうかもしれないので「よくある質問への回答集」を以下にまとめておきます。(訳注:この記事内の該当箇所の翻訳にリンクしています)
(原文)
キューとマッチングについて
Q. ブラインドとノーマルドラフトが似たような可能性を秘めている、という点についてもう少し説明いただけますか? ノーマルのルールに、新モードや調整を行うということなんですか?
A. 全体の思考プロセスとしてはこんな感じです―プレイヤーはなぜ特定のキューを選ぶのか?何が動機なのか?何が需要なのか?選ばれたキューはそれらをどの程度満たしているのか? たとえばブラインドは非常に成熟していて、すぐにゲームをしたいからとか、バンの心配なく特定のチャンピオンやロールをプレイしたいからといった理由で選ばれます。でもあなたが飛び込んた場所、人気チャンピオンを他の誰かがピックする前にさっと選んでピック確定を押すか、チャット欄に自分の希望ロールを書き込む速度を競うか、とにかく脳みそを空っぽにしてやりたいチャンピオンを即ロックするかという、ルール無用のチャンピオン選択です。これは最適な体験ではないと私は考えます。
以前の記事で提案した路線に沿って、思考と検討を進めています。
自分がプレイしたいチャンピオンが保証されて、チャンピオン選択で喧嘩する必要がない…実現するとしたら、ブラインドピックはどんなキューになるでしょうか?
チャンピオン選択すら必要なくなる……っていうのは野心的じゃありませんか?(原文)
Q. フレックスキューを良い競技体験にするために、何が必要とお考えですか? 私からすれば、LoLはチームゲームなので、パーティーキューはソロキューと同様に真面目にプレイされるべきと思います。キューを「ソロ」と「チーム」でなく「1~2人」と「3人以上」に分けるのは、コンセプトがおかしいとも思います。
A. これはとても複雑なトピックで、まだまだ多くを調査すべきです。1つ(必ずしも最重要ではない)、私が個人的に考えているのは、「ソロとフレックスは同じ評価軸で評価されるべきではない」というのがこのトピックの一要素であるはずということです。たとえ普段からたくさんのフレンドと遊んでいるプレイヤーであっても、つまりはフレックスでのランク上げと評価がソロと同じ方法で行われているが問題なのだと思います。「フレックスでのXランクは本当のXランクじゃない、ソロキューでのランクが重要なんだ」と思ってしまう原因はここにあります。昔のチームランク戦でもしっかり適切に行われていた部分はあって、現在のClashはその部分が減っているので、将来的に再検討を行うかもしれません。
もう一度明言しておきますが、これは「最重要」な要素ではなく、問題提起された時に私がまず思い浮かべる要素に過ぎません。(原文)
Q. 変更点の多くはとても良いように見える。
可能な限り最も競技的な環境を提供されているソロよりも、デュオに競技的な場を提供するのが重要な理由が、未だにわからない。デュオよりもソロのプレイヤーの方が多いのは確実では?
それに、「デュオがソロのプレイヤーにとって不公平な体験を作り出す」のをRiotが認めているのはおかしいと思うんだけど(デュオをラダー上位から排除したし)、プレイヤーベースの大多数に対してそれを気にしていないように見える。
こうした物事の背後にある考えをお聞かせ願えるかな?
A. ランク戦ではデュオよりもソロプレイヤーの方が多いのですが、デュオは依然として大きな割合を占めています。ほとんどのプレイヤーにとってデュオが持つ利点を軽減することはできます。それなりの時間内にデュオと均等な技量を持つデュオを見つけるとか、ゴールド帯でデュオと対戦していて他のゴールドのデュオが見つからない場合に、プラチナのソロプレイヤーを入れて相殺するとか。マスター帯前後に入ると、それなりの時間内に良いプレイヤーを見つけてくるのは、かなり難しくなります。チャレンジャーにいるLCSプレイヤーのボットデュオなら、相殺するためにソロでプレイしているRulerとKeriaを持ってくる…というのは不可能なんですね :P(原文)
Q. 敗北者のキューはありますか?
A. no(原文ママ)
ロードアウトのおすすめ機能
Q. 関係ない質問なんですが、メタの変化に追随してアップデートされる「おすすめルーン」機能とか、動的なテンプレートなんかは、実装できませんか?
そもそも、ルーンページというのはどうやって作られてるんですか?
A. おすすめアイテム機能と同様に、データから動的にアップデートされます。(原文)
Q. ロードアウトのおすすめ機能は、ARAMでも実装されますか?慣れてないチャンピオンをプレイする時におすすめルーンが出るのは、とてもいいと思います。
A. ええ、ARAMでも実装されますよ。(原文)
Q. ロードアウトのおすすめ機能をオフにすることはできますか?
A. はい、完全に選択可能になっています。現在のルーンの編集機能で編集することも可能です。(原文)
botやスマーフなど、チート対策
Q. 「慣れてないチャンピオンをピックされる」というトロールをされる方が多いな。
Riotがスマーフを排除してくれるならいいんだけど。
bot操作のアカウントは検出が簡単なんじゃないかな……入門者向けAIモードでユーミと意図的なフィードをした後に、ゴールドELOで圧倒的な活躍をするってアカウントに何もしてくれませんよね。
A. その通り、botです!これがbotの対応になります!
皆さんの試合にbotが混じってプレイしているのは許容しません。報告が増加しているので、こうした問題への優先度を上げて、パワーアップしたbot消滅ビームを最近放ちましたが、まだまだ取り組んでいきます。(原文)
Q. スマーフキューに対する調整は何か予定にありませんか?11年間使い続けているメインアカウントは、私があまりランク戦をプレイしないので、スマーフキューに放り込まれ続けています。コイントスみたいな試合を40~50回プレイしないとそこから出られないというのは全然楽しくないので、ノーマルしかやってません。
A. ええ、これは12.17で変更した点です(ここでスマーフキューと言われているのは、ランク戦基準のマッチメイキングのことです)。とても辛い体験ですので、おそらくさらなる改善が必要でしょう。(原文)
Q. 私がいるELOでは、ブースト、ウィントレーディング、アカウント共有、試合放棄のどれかが大体1人いて、試合の公正さというものが著しく低くなってます。こうしたプレイヤーから身を守るには、ロビーでドッジするしかない。こういうのをどうして放置してるんですか?試合妨害としてはソフトで検出されないことが多いので、連中は処罰されずにのさばっています。
そもそも試合放棄したプレイヤーがいると、それを見逃さずにしっかり勝っていくプレイヤーも相手チームにいるわけです。よくわかってないんですが、マッチメイキングはそのプレイヤーが取り組む姿勢に最適化されていて、わざとランクが上がらないようにロビーを操作するなんてこともできるみたいです。チャンピオン選択で人質を取る以外でこうした事態を防げないなら、低品質な試合で悪い体験の中に取り残されるしかないみたいですね。
A. このような問題の一部に対処するため、NAサーバーの高MMR帯にて、手動調整を試す予定です。これがうまく行けば、全世界のサーバーで採用するのが理想でしょう。アカウント共有や試合放棄を行う人たちは排除したいと考えています。
ウィントレーディングや賭博などについてもちょっとお話しすると、これらは実際に発生している問題で、取り組みを続けています。最近これらの問題で停止されたアカウントもありますし、確証が持てたケースについてはそのような対処を続けていきます。許容されない行為です。同時に私たちは、報告を見た時に「良かったと嘘をついている」内容に遭遇していて、全員が悪い試合を体験しているわけではなかったとか、コミュニケーションのない試合だったとかがウィントレーディングだったケースを見つけています。この問題で熱心にやりすぎることについては、実際の影響が大きいと強調させてください。
>マッチメイキングはそのプレイヤーが取り組む姿勢に最適化されていて、わざとランクが上がらないようにロビーを操作するなんてこともできるみたいです。
マッチメイキングは公平な対戦と対戦待ち時間の短縮に最適化されています。以上です。(原文)
続き
Q1. あなた方の言う「公平」や「主体性のある」は、シーズン9以来ずっと嘘っぱちだ。公平どころじゃない。一方的な蹂躙が起こる試合数を見てみろ。
Q2. なんつう筋悪な主張や。10人のプレイヤーが100試合プレイした後、理想のMMRで全員メインロールっていう完璧なバランスの試合でも、一方的な蹂躙は起こるものだよ。
全く同じ技量で常にプレイできる人間などいないよ。ものすごく上振れする試合もあれば、全然振るわない試合もある。バラつくのが自然なんだ。その数が10倍にもなれば、一部の試合は一方的な展開になるさ。
A. 一方的な試合はなくなりません! マッチメイキングすら、接戦とイコールにはならないのです。各試合での接戦の度合いには大量の要素が影響しています……序盤のインベードやメタのスノーボールしやすさ、選ばれるチャンピオン、プレイヤーの疲労度などです。(原文)
続きその2
Q. ウィントレードのようなプレイをした人間が「良かったと嘘をついた」としてアカウント停止されるなら、試合放棄でのアカウント停止になるべきで、ウィントレードによる(自動の)アカウント停止が起こるすほど下手くそなプレイを続けられるELOに、そんな人間がいられるのはなぜ?
A. それは起こりえません。それはプレイヤーのひとり(もしくは複数人もありえます)が調子の悪かった試合で、そうしたプレイヤーがウィントレードをしたとして報告されたということです。
調子の悪い試合と「ソフトなインティング」などの行為の境界線は、あいまいなものです。
故意に敵タワーに飛び込んでいくプレイヤーを見かけた時の対応は、まだまだ理想からほど遠いものです―許容されない行為であり、改善に努めています。(原文)
Q. スマーフを排除するために、どんな計画を立てていますか?
A. 特定の計画と呼べるものはありませんが、この問題にしっかり取り組むなら、スマーフする理由を理解するところが出発点になるでしょう。私たちから解決できる動機を調べ、それらを解決し、それから悪質なケースに立ち向かいたいと思います。
私たちが筋道を立ててしっかり取り組めると考える、スマーフの動機を例としていくつか挙げます。
- 新しいチャンピオンやロールを学びたいけれど、既存のアカウントのランクを犠牲にしたくない、もしくは試合で一方的に負けるのは嫌だ
- オンラインで誰にも監視されることなく、無名のプレイヤーになって、遊びとしてのゲームをやりたい
- 増加LP量が雀の涙みたいになってしまって、ランクを上げたいと思ったら新アカウントを作るしかなかった
- フレンドと遊ぶ時にもっと公平に見える試合にしたい、もしくはその方がフレンドとのゲームが楽しくなる
私たちが絶対に支援しないであろう動機は以下です。
- 自分よりも大きく技量の劣るプレイヤーを一方的に蹂躙したい
- 無名の人間として、ひどく悪質な行為をしたい
(原文)
チャンピオン選択の匿名性
Q. 匿名性は試合中も保たれるんですか?プレイしている試合を隠すことができるなら、配信者にとっても素晴らしい新機能だと思います。
A. それについての計画は今のところありません。ワイルドリフトのレジェンダリーキューにその機能が実装されて以来、LoLでの実装予定を尋ねてくる人たちがいて、ゆるく話し合われてはいますし、個人的にはいくつかのメリットがあると思っていますが(パッと思うのは、これは選択制になるべきだと思います)、この分野を一から調査検討している担当者はいません。(原文)
ボイスチャットの実装
Q. Valorantではこうした問題が頻繁に引用され反映されていて、対処も行われているのに、LoLのランク戦にチーム内ボイスチャットをつけるべきでないとRiotが信じているのはなぜですか?
A. 私たちのスタンスはここでの表明から全く変わっていません。「対処中の」問題が、LoLと同じ経緯で悪いことが起こらないVALORANTのボイスチャットには存在していて、悪質なチャットへの対処に継続して労力を投じているLoLの現状とかけ離れてはいない、と考えるのは難しいですね。
前述したスタンスが今後全く変わる見込みがないと言うつもりはありませんが、状況は前回の表明以来大きく変わっていません。(原文)
「ここ」のリンク先訳(BarackProbama氏の2021年10月22日のコメント - 原文)
こんにちは皆さん、私はLoLのプレイヤー行動システムチームのデザインリードです。
手早く述べましょう。
コミュニケーションを増やしてチームをもっとよく団結させよう、という動機と目的のもとに、LoLにおけるボイスコミュニケーションの実装を求める人たちがいます。
尊い目標だと思いますし、プレイでそれのみが行われるなら、私もチームボイスチャットの実装にはとても熱心に取り組みたいと思います。
残念ながら、私たちが何度も何度も見ているのは、コミュニケーションツールを拡充すれば、ゲームを妨害する行為も強くなっていくということです。もっとシンプルに言えば、「ヌーブめ!」みたいな罵声がボイスチャットを通じて流し込まれ、同じ内容をテキストチャットで表現されるよりもはるかに悪い状態になります。
それ以上に、声というのは社会の主流でないグループにこそダメージを与え、混乱をもたらします。声はその人の個人情報につながり、その人たちが繰り返し晒されてきたハラスメントの頻度や、人生でのつらさを増してしまいます(ジェンダーや訛り、方言などを考えてみてください)。
さらにそれ以上にボイスチャットでは、調停、妨害行為の検出や取り締まりなどが、テキストチャットなど他のコミュニケーション形態よりもかなり難しくなります。
将来的には、ボイスチャットと同等の妨害ができない、リッチなコミュニケーションツールをプレイヤーに使ってもらうことを検討するとは思います。今のところはプリメイドのパーティー向けのみとし、チーム内ボイスチャットは実装しません。
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