Riot Gamesのリードゲームプレイプロデューサー、Reav3氏によるチャンピオンの男女比・多様性についてのコメントを紹介します。
06/10 17:55 公開
06/12 23:10 質疑応答に追加
Reav3氏の役職について
Q. この記事(訳注:ベル=ヴェス実装に際してのインタビュー記事。英語)での表記を見るに、役職がチャンピオンのプロダクトリードからLoLのリードゲームプレイプロデューサーになったのですか?
A. ええ、その通りです。(原文)
質疑応答
Q. 最近のチャンピオンは男性よりも女性の方が多いのは何故ですか?
A. 数年前にチャンピオンリスト全体の多様性を調査したところわかったこととして、概算してチャンピオンの60%が男性で40%が女性チャンピオンでした。長期的視点から男女比を50/50にした方が良いだろうと感じたので、ここ数年は平均して男性のチャンピオンより女性のチャンピオンを多めに追加してきました。チャンピオンリストが50/50になるまで続けていこうと思っています。(原文)
Q. プレイヤーベースの半分を見捨てようというのですか? バランスを取ろうとするなら男女交互に新規実装することができるじゃないですか。今いるチャンピオンの性別の違うスキンを出すこともできるはずです!
(訳注:低評価の多いコメント)
A. 女性チャンピオンを多く作っていくことはプレイヤーベースの半分を見捨てることにはなりません。私たちのデータでは女性のプレイヤーは女性のチャンピオンを優先的にプレイしていることを示しており、女性プレイヤーのうち97%は女性チャンピオンのみをプレイしています。男性のプレイヤーは男性チャンピオンと女性チャンピオンで均等に分かれているので、男性プレイヤーにおいては男性チャンピオンも女性チャンピオンも50/50でプレイしていることになります。
その理屈ではどちらかというと、私たちが男性チャンピオンを作ったときには女性プレイヤーは男性チャンピオンをほとんどプレイしないのだから女性プレイヤーを見捨てている、ということになってしまいます。(原文)
Q. 女性プレイヤーに人気のある男性チャンピオンはご存知ですか? August氏はジンかティーモだと言っていたようですが。
A. ええ、ティーモ、ジン、ベイガー、ラカンは人気上位です。特にティーモはジンベイガーラカンを大きく引き離しています。(原文)
追加コメント
『2017年に作ったワードクラウドがわかりやすく視覚化していますね。これはプレイヤーにお気に入りのチャンピオンを尋ねた調査結果です。左が男性プレイヤーで、右が女性プレイヤーです。』(原文)
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Q. 以前同じような統計を聞いた時に自分はどうなのか確認して、自分にもそんな傾向があることを知って驚きました。でも女性プレイヤーの多くはボットでプレイしているし、ボットレーンのチャンピオンは女性が多いんです。最近のボット向け追加チャンピオンがみんな女性なのも偶然ではないのでしょう。カイ=サ、セナ、サミーラ、レル、セラフィーン、ゼリ……
(訳注:最後にボットレーン向けに実装された男性チャンピオンは2019年12月実装のアフェリオス)
A. 女性プレイヤーの傾向として、実際にはADCとサポートとミッドをだいたい同じくらいにプレイしていますね。ジャングルとトップは女性プレイヤーがほとんど選択しないロールです。これは女性プレイヤーは近接チャンピオンよりも遠距離チャンピオンをプレイする方が好きだというデータと強く相関しています。(原文)
続き
Q. トップとジャングルはタンクやファイターの近接チャンピオンの割合が多いのは重要なポイントだと思いますね。確かにイレリアやグウェンもいますが、太ったモンスターや汗臭いおじさんチャンピオンが大半です。これは私がADCメインの理由でもありますね(あ、私は男ですよw)。
ガレンやマスター・イーやジャックスやワーウィックのような初心者に易しいチャンピオンで、女性のチャンピオン(かわいいのです、イラオイじゃなくて)がいれば、このロールがもっと女性に人気になるかもしれませんね。
A. 確かにそのロールには女性的なチャンピオンが欠けていると認識していました。グウェンとリリアはどちらもトップ/ジャングルにもっとチャンピオンタイプの多様性を増やそうと試みたものでした。(原文)
続き
Q. その逆は考慮しましたか? 漢なボットADCやエンチャンターサポートを追加して多様化することです。
A. ええ、もちろん(原文)
Q. 男性のエンチャンターが足りていないですよね。レナータ・グラスクのティーザーでダークなエンチャンターが足りていないと言っていたのを覚えていますが、その時点ではそれをみた大多数が男性で実装されると思っていたはずです。あとタリックがライト(明朗)な「エンチャンター」であるかどうかも議論の余地があります。
それとは別に、「かわいい男の子」チャンピオンもいませんよね。頼り甲斐のある男性ではなくて、もっとほっそりして毛深くないエズリアル/アフェリオスのようなタイプです。かわいいエンチャンターの男の子ともなれば特定の層に大受け間違いなしです。
それと話はそれますが、グレイブス/TFの話が出たばかりですがまだMLM(Man-Loves-Man)の男性キャラクターは少ないですよね。
リクエストになっちゃいますけど、これら複数を揃えたチャンピオンが欲しいです。
A. 挙げられたポイント全てに同意します。レナータは実際に当初は男性エンチャンターとしてスタートしました。シルコからもっと離れた存在のチャンピオンにしたかったので女性に方向修正しました。男性のエンチャンターは依然としてリストの最上位に残っています。
グレイブス/TFだけでなく、MLMのチャンピオンが必要だということにも同意します。(原文)
Q. 女性プレイヤーは全体の何%だというのだろうか、女性向けという指標は必要ないでしょう。よしじゃあこの目標は達成したとして、マッスルな男性エンチャンターを作っていただきたい。
正直言ってクリエイティビティの欠如の言い訳だと感じられる。
(訳注:低評価の多いコメント)
A. 「私は特定の層に向けて取り組んでいると言ったことはない」ことを明確にしておきます。私がコメントを返した先は、女性チャンピオンの比率が僅かに高いのはプレイヤーベースの半分を無視しているという意見でした。私は女性チャンピオンが僅かに多く作られてきている理由は、現在女性チャンピオンが男性チャンピオンよりも少ないためだと答えました。長期的にはチャンピオンの男女比をより均等に近づけるべきだと私たちは思っています。ほとんどの男性プレイヤーはチャンピオンの性別を気にしないので、女性チャンピオンを作ることは男性プレイヤーを無視することにはならないと言ったまでです。(原文)
Q. フェミニンな男性チャンピオンを追加することはありますか? 多様性の観点からはまだまだ不足があると思います。
A. ええ、チャンピオンチームでやってみたいと思っていることですね。(原文)
Q. 以前カイ=サやヨネのようなチャンピオンを増やすと言ってませんでしたっけ? これはどうなっているんでしょうか?
A. ロア(背景ストーリー)からの、という意味ですかね? はい私たちはロアからサモナーズリフトへチャンピオンとして連れてくるチャンスをうかがっています。(原文)
Q. 将来的に女性のアサシンとか新しいAPアサシンが来る見込みはありますか?
A. それがありえない理由が見当たりませんね。(原文)
Q. 女性のダーキンの可能性はありますか?
A. いつでも可能性はあります。(原文)
Q. ダーキンのタンクサポートは?
A. ダーキンは今後もっと開拓していきたいと思っているところです。サポートとミッドがまだダーキンのいないポジションです。ダーキンのサポートが作れればいいなと思っているのですが、まだどのようなクラスになるか決められていません。(原文)
Q. 女性モンスターチャンピオンのデータはどうですか?
A. 残念なことにそれほど多くの女性でモンスターなチャンピオンを擁しておらず、レク=サイが唯一なのですが物語を読まない限りはレク=サイが女性だとはわからないでしょう。ベル=ヴェスがどうなるか気にしています。(原文)
Q. 可愛い女の子チャンピオンとしてもっと現代的な魔法少女、プリキュア(precure)、殴り合いで戦うような魅力はどうでしょうか?
A. まだ議論したことがないのですが、確実に面白いアイデアですね。(原文)
質疑応答(6/12追記)
Q. LoRのキャラクターをチャンピオンとしてLoLに迎え入れる可能性はありますか? レナータ・グラスクが公開される前は事前のティーザーから「コリーナ・ヴェラザ」(訳注:LoRのキャラクター、ゾウンのケミ長者)が来るのだと多くの人が思っていました。
A. ええ、それについてたくさん話し合っています。既存チャンピオンとシルエットが重複しないよう、十分に差別化しなければならないので事情が複雑になっています。たとえば、レナータ制作時にコリーナについて話し合ったのですが、サポートにしてしまうとザイラとキャラが大きく被ってしまうと感じました。両者ともに植物を操るダークで邪悪なサポートですし、LoL版コリーナを全力で作れば、少なくとも植物そのものか植物学によるスキルになるでしょう。いつかはやると思いますが、適切な機会を持てていません。(原文)
Q. でもセラフィーンは次世代型ソナみたいですよね?
A. セラフィーンのシルエットはソナと十分に差別化されています。そもそもセラはミッドレーナーのつもりで設計されました。植物を武器にするチャンピオンが2体以上いないとは言いませんが(マオカイもアイバーンも植物を武器のように使います)、植物を使う女性サポートをもう1体作りたくはなかった、ということです。作れるのは確かですし、剣を使うチャンピオンはたくさんいますので、音楽を使うチャンピオンももっといていいのですが、(ソナのように)弦楽器ではないなど、音楽のスタイルはかなり違う必要があるでしょう。セラフィーンをはっきりサポートと定義する計画はなかったので、プレイヤーがプレイしたい場所で彼女をプレイしているだけです。ミッドでの勝率の方が高い時であっても、ほとんどのプレイヤーが彼女をサポートでプレイしているんです。(原文)
Q. セラフィーンの能力は範囲効果を持っていて周りに味方が多いほど回復の総量は増えますしピール能力もあるし、でもダメージはそれほどでもない。これでどうしてサポートとして使われないと思えたのですか?
A. サポートとして全くプレイされないだろうとは考えなくて、ある程度サポートでプレイされるのは問題にならないだろうと考えていました。一般的には、あるチャンピオンがプレイされる時、最も強いレーン/ポジションに落ち着くものなのですが。社内のプレイテストにおいてサポートよりもミッドで強くなる確信があったので、セラフィーンが主にプレイされるのはミッドだと考えました。ミッドレーン運用の方が強かったという点で私たちは正しかったのですが、実際には範囲を大きく取った時には大多数のプレイヤーが統計的に他よりも弱いポジションでプレイしたがる、という点で彼女は非常にユニークな存在になりました。(原文)
Q. LoRのキャラクターをLoLのチャンピオンへと「進化」させることは検討されなかったのですか?
A. はい、リリースがとても楽しみなものにするためにも、ある程度はそうすべきでしょうね。たとえばセナやヨネに取ったようなアプローチです。キャラクターの物語とビジュアルデザインを、チャンピオンとしてのリリースにともなって進化させました。(原文)
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