2014年1月17日金曜日

北米のメタを理解する – Patch 3.14および3.15


Cloth5.comさまに掲載された、Jera氏著の“Understanding the (North American) Meta – Patch 3.14 and 3.15(北米のメタを理解する – Patch 3.14および3.15)”の訳です。現在の北米プロシーンのメタについて概説した大型記事ですが、読むに当たってはPatch 3.14およびPatch 3.15と、古い環境についての考察であることにご注意ください。




数日中にSeason 4 LCSが開幕するに当たって、Season 3とPre-Season 4の違いに多くのチームが適応しようと奮闘してきた。急激に使用人口が増えたチャンピオンがいる一方で、観測範囲から消え去ったチャンピオンたちもいる。レーンでのアイテム購入の様相、trinketの選択は、Wardとゴールド収入の変更により一変した。1ヶ月以上に渡って思考実験と新戦略のテストが繰り返され、一躍頂上へと躍り出たチャンピオンやチーム構成もあった。韓国や中国の戦略とチャンピオン構成に対し、北米はただ追随するのみだ、と言うのは不公平だろう。北米のチームは、東洋のチームたちが最初に注目しなかった、明らかに異なる戦略を志向し始めている。

この拡大記事においては、北米で人気のある「Siege Control」と呼ばれる構成に対して光を当てようと思う。この構成は、試合の中盤から終盤にかけて、ミニオンウェーブのコントロールを通して敵nexusを攻め立てる、非常に応用力に富んだ構成である。この構成には、おびただしい数のチャンピオンによって異なる特性が付与されるが(たとえば、集団戦を起点とした構成に対して、高機動力の構成で当たるなど)、結局はsiegeへの抵抗性と、siege効率のせめぎ合いとが勝敗を分ける。

一般的には、各レーンのロールに対し、特定の3~4体のチャンピオンののピック/ban率が90%以上に達するのが、プロシーンでは普通である。これらのチャンピオンたちは「現在強い」チャンピオンとしてシーンに現れており、その時々の最新パッチによる変更が、彼らの強さの原因となっていることが多い。こういったピックの根拠に迫り、各レーンの一般的な戦略と、スキルセットに由来するキャラクターの強さの間を補完していこうと思う。各項はレーンのロールごとに分かれており、普遍的なピックの根拠から始め、チャンピオン個人の強さへと続いて書かれている。最も人気のあるピックから、以前は主流だったが消え去りつつあるピック、使い方の限られるピックにも言及している。

目次


Patch 3.14がゲームにもたらした変化


3.13パッチから、Pre-Seasonパッチ(3.14)によってゲームプレイにもたらされた変化には、非常に大きなものがいくつかあった。最も顕著な変化は、全体的なゴールド収入、ベース防衛の強化、そしてward数の制限から来る、チーム全体の目的に沿った視界の必要性である。

全体的なゴールド収入の変化により、試合の速度は変わった。序盤のタワー破壊および試合開始5分前のキルから得られるゴールドが減少し、時間経過によってドラゴンの価値が増すようになった。このことにより、最初の5分間において、より弱いチャンピオンを擁するチーム構成が存在する余地が生まれた。また、ゲーム開始直後からスノーボールすることが難しくなるという波及効果もあり、25分以降のドラゴンにより高い価値が生まれることともなった。より長い時間の試合が増えたことにより、時間をかけて多くのアイテムを入手することで強くなるチャンピオンが好まれるようになり、様々なロールにおいてチャンピオン選択の幅が広がった。現在プレイヤーたちが考えるアイテム購入計画は「2~3個のアイテムを完成させて何ができるか?」という範囲を越え、4~5個のアイテムビルドを検討するようになった(40分以内の試合では)。

Patch 3.14によってベース防衛も変更された。Inhibitorは4分後に復活するようになり(以前は5分後)、inhibitor破壊時に他レーンのミニオンが強化されることがなくなり、それに伴ってinhibitor/nexusタレットは徐々に回復するようになった。まず、inhibitorの復活が早まったことにより、攻撃的なチームがオブジェクトや他レーンのタワーを獲得するための時間が短くなった。ミニオンの強化がなくなったことにより、inhibitorを失った側は自然とレーンをプッシュされることがなくなり(ミニオンウェーブが敵ベースの中に到達していない限り)、隣接レーンの防衛が容易になった。Inhibitor/nexusタレットの回復により、積極的なsiegeを行わないチームは不利になり、防衛側が専守防衛に入ることが奨励されることになった。この状況により、速やかにウェーブを一掃できるレンジ・チャンピオンが際限なくタレットを守り続けるという状況が生まれ、ミニオンウェーブがすぐに倒されてしまうため、スプリット・プッシュの効果は薄れた。試合が長時間化するようになった結果、終盤に強くなるチャンピオンが育つ時間的猶予が生まれ、ミニオンウェーブを速やかに処理できるチャンピオンの地位が激しく向上した。

3.14で行われた視界への変更に対しては、複数のチームメンバーが連携すれば、Season 3終盤と同様の視界のコントロールを得られるようになった。加えて、視界破壊についての変更により、どれだけの赤trinketをチームに擁するかのバランスと、それを運用するプレイヤーが求められるようになった。Pink wardは、敵に触れられず気づかれない場合、非常に高い価値を持つようになった。試合序盤におけるレーンの視界の大きさは2対1のレーンにジャングラーを誘い込むのに都合が良かったが縮小され、最初のリコールまでにサポートは、wardを買うための十分なゴールドを貯められるようになった。長時間化したゲームにおいて戦闘開始タイミングを見極めるのは難しく、消極的な行動で有利を取る防御的チームは、試合から失速していってしまうようになった。中~長時間の試合では2~3人が赤trinketを、残りが黄trinketを持ち、siegeする目的地や、チームが理想的な戦闘を始められる場所に全員が焦点を合わせるというのが、多く見られるシナリオとなっている。

防御的なチーム、素早いミニオン処理が可能なチャンピオン、レイトゲームで抜群のスケールを誇るチャンピオンにとって、これらの変更は非常に良い風向きとなった。北米のLeague of Legendsプロの間で典型的な試合は、35分以上続く試合だ。防御的なピックに集中したチーム構成は、試合を早く終わらせることに重きを置いた構成に比べ、持ち堪えることができるようになっている。と、ここまでで3.13から3.14になったことで起こった全体的な変更をおさらいしたところで、各レーンにおける人気の高いチャンピオンについて見ていこう。


Top


概論:


Topレーンにとって、3.14の変更の多くは、「ハイパータンク」メタに有利に働いた。これらのチャンピオンはレーンにできる限り長く留まることで、ミニオンのプレッシャーを増すことでアドバンテージを獲得し、ビルド完成時期をも早めるというスタイルのチャンピオンである。競技シーンにおけるほとんどの試合では、2人の相対するtopレーナーたちは、試合時間の大部分を担当のレーンで過ごし、マップ上のオブジェクトを獲得する手助けをする場合のみ、レーンを離れる。こうしたtopレーンの別の側面を見てみると、topレーナーは容易に敵を振り切ることのできる離脱能力を持ち、敵チームからtopへと送られたメンバーの時間を無駄にさせることができる。1本のレーンのプレッシャーが消えれば、一方でチャンピオン1体分のアドバンテージによって他レーンやオブジェクトのプレッシャーは増加する。高い防衛能力、高いsustain、持続するAoEダメージを持つことから、これらのチャンピオンは集団戦でマークスマンのフォーカスを引きつける、大きな脅威となる。集団戦において、通常topレーナーは最後に死ぬ。キルするのが難しいのだ。

Topレーンのチャンピオンの弱点は、ある2つのアイテム─Sunfire CapeとSpirit Visageという最も共通的な2つ─を両方購入するまでは、脆く弱いことである。こういったチャンピオンたちには素晴らしい離脱能力があるため、レーンから締め出すのは依然として容易ではない。これらのチャンピオンにとっては、試合の序盤から中盤にかけてというのは泣きどころであるため、レイトゲームに向けた強化を鈍らせ、キャリーが彼らを叩きのめすための時間を稼ぐことが、topレーンのタンクに対する対策となる。


チャンピオン:


Shyvana

Shyvanaはこのメタにおける最高のtopレーナーの一角である。スキルによって追加の防御的能力値を得、物理と魔法ダメージの両方を出し、ひとたび捕まったとしても加速とジャンプによって離脱でき、レーンを速やかにプッシュするための豊富なAoEダメージを持っている。これらのスキルはDefenseマスタリーによってさらに強化することができるが、Offenseマスタリーを掘り進めることによってダメージを増加させるShyvanaは稀である(14/16/0のマスタリー構成を用いる)。

Renekton

Season 3のほとんどの期間、Renektonは主要なtopレーナーの座を占め続けていた。ハラス能力、sustain、離脱能力の揃ったこのワニと戦うのは、容易ではない。集団戦においては、Dominus(R)をアクティブにした上で、Slice and Dice(E)により敵の後衛を荒らす。以上のことから、Renektonは未だに頼もしい選択ではあるが、レイトゲームにおいてはShyvanaやMundoの方が若干スケールが良く、topレーナーに求められる役割に適している。Renektonはこういったチャンピオンたちを相手取ることができるが、弱いtopたちの中で優位に立つためには、序盤~中盤に強くなれるような投資を行う必要がある。Renektonは長い間主要なtopレーナーであり続けてきたため、ほとんどのtopレーン・プレイヤーにとって使いやすいピックにもなっているが、プロのプレイにおいてはピック率が減ってきており、ドラフトピックの早い段階で確保されるチャンピオンではなくなってきている。

Dr. Mundo

新しいDefenseマスタリーへの変更が行われて以来、topレーンにおける大きな恐怖となり続けているのがMundoだ。高いregenerationによるsustain、バランスの取れたダメージ(どちらかといえば魔法ダメージと相性がいい)、ほとんどの離脱や追撃を阻害できる頻発できる長射程のスローが揃ったDr. Mundoは、完璧に防御的なビルドで運用できる数少ないチャンピオンのひとりであり(ほとんどのtopは少なくとも1つは攻撃的アイテムを持つ)、集団戦においても脅威であり続けられる。Mundoをピックすれば、エンゲージした時点で敵にIgniteを温存させたり、APやサポートに対してMorellonomiconの購入を強制させたりすることができる。これにより、ほとんどのチャンピオンに適合しないビルドに対し、2200ゴールドの投資を強制することができる(サポートやmidの増加CDRが40%を越えてしまうため)。


選外:


Rengar:

バグがあるためにLCSでbanされてはいるが、Rengarは依然としてこのメタにおける最高のtopレーナーの一角である。Battle Roar(W)による素晴らしいsustainを持ち、パッシブによって茂み周りでのダメージ交換で有利を得られる。タンキーなRengarは活躍するまでに少々の時間を要するが、ひとたびBonetooth NecklaceやTrinity Forceのような攻撃的アイテムを買い始めれば、試合開始30分時点までにタレットに対する大きなバーストダメージを出すことができるようになる。Rengarは離脱や偵察、襲撃のためにThrill of the Hunt(R)を使うことができ、敵はこの捉えどころのない仔猫ちゃんを攻撃したくても、ステルス対策がなければ不可能である。試合中盤のRengarは非常に強力であり、midへとroamし、Lv6になればステルスからのgankを行うことができる(Rengarが戻ってきていると敵レーナーが推測している時)。視界の変更はRengarのプレイにとって実に都合がよく、最近のLCSイベントでRengarが見られないのは残念なことである。Rengarが再び競技シーンで使えるようになれば、非常に優先度の高いピックとなるだろう。

Riven:

ハイパータンクに対抗できるチャンピオンとして、人気が上がってきたのがRivenだ。試合序盤に強く、機動性に富み、集団戦で大きなダメージを出すことができる。攻撃的にプレイした時のRivenは、スノーボールして優位に立ち、1対1でならtopのタンクたちをものともしない。Rivenができるだけ速くキルを取っていきたい場所では、タンクはPokeで相手を削っていきたい。この状況にでは、Rivenはミニオンウェーブを速やかに排除し、レーンからのプレッシャーを逆にかけ返すことが可能だ。さらには、チームに再合流したり、撤退する体面を追跡するための機動性をも兼ね備えている。Rivenの弱点としては、非常に脆く、フォーカスを受ければ簡単に倒れれてしまう。このため、topでの運用を行う構成においては、ジャングラーにメイン・タンクやイニシエーターの役割を担わせてしまうことにもなる(ジャングラーの収入では難しい)。Topレーンをタンクが支配するようになるとともに、もっと脆いチャンピオンに対してアドバンテージを取ることができるmidレーンで、Rivenの姿をよく見かけるようになってきた。


Jungle


概論:


3.14パッチでジャングルの仕様がいくつか変更されたが、ジャングラーの役割はさほど変わってはいない。Smiteはより頻繁に使用できるようになり、ジャングラー向けアイテムには、より攻撃的なプレイができるように収入補助が付加された。競技シーンでは序盤のバフ交換がよく見られる一方で、クールダウンが短縮されたSmiteのおかげで2番目のバフ獲得はより安全になった。ジャングラーは第一のイニシエーターを担い、スローをかけることで敵のFlashを消費させるようにスキルがデザインされていることも多い。試合の進行に伴って、ジャングラーは一般的にクールダウン減少とタンキーさに焦点を当てたビルドを行い、チームのためにLocket of the Iron Solariを選ぶことも多い。

チャンピオン:


Olaf

そのジャングル速度から安全なファームが可能で、Lv1から強く(斧による視界確保を含む)、1回斧を当てるだけでgankを成功させることのできるOlafは、ジャングルに潜む怪物だ。Lv6に到達すれば、6秒間はいかなるcrowd controlを受け付けなくなることから、危機的な状況に陥ってもするりと逃げ出したり、敵の後衛深くまで入り込んだりすることが可能になる。Undertow(Q)によるダメージと、Reckless Swing(E)によるtrue damegeによって、序盤のOlafは油断ならない脅威であり、安定して序盤のキルを獲得できることが多い。Spirit VisageとSpirit of the Ancient Golemという2つの好相性のアイテムをビルドに含めることで、Olafは30% CDRを得ることができる(最後の10%はLocket of the Iron Solariから得ることができる)。これにより、poke能力を頻繁に使用することができ、追撃にも役に立ち、集団戦で敵を叩きのめすための継続的なダメージを出すことができる。

Vi

壁越えや敵の排除、敵への密着を可能にするスキルにより、ジャングルにおいてViは最高のgankが可能なチャンピオンの一角である。エンゲージした時には、パッシブから最大ヘルスの10%相当のシールドを得ることで、Viはタンキーさを実現している。最終的に、高い機動性およびLv6到達以前からの高いキル・ポテンシャルを持つViは、試合のどの時間帯においても適切な役割を果たすことができる。北米のジャングラーたちはほとんど、Viについてはタンキーなビルドを行う。しかし、相当な優位を得ている時であれば、Cloud 9のMeteosは好んで攻撃的なビルドに仕立てる。タンクとしてビルドしたとしても、Excessive Force(E)によるAoEダメージと、Denting Blows(Wのパッシブ)によるAR低下や対ヘルス割合ダメージにより、Viが出せるダメージは依然として高い。Viは優れた阻害能力を持っており、Viのエンゲージからcrowd controlを繋げられる構成であれば、最高の勝ち筋をもたらすピックである。

Elise:

その素晴らしいスキル性能から、長い間ジャングラーのtop tierに君臨してきたのがEliseだ。長射程のスタン(ランク1で1.5秒)を持ち、crowd controlを逃れて敵に接近することのできるgap closerであり、2つの対ヘルス割合ダメージスキルを持ち、ペットによってジャングル内クリープ・ドラゴン・タワーからのダメージですら軽減することができる。代表的なEliseのビルドは、まずMagic Penetrationを稼ぎ(スキルの基本ダメージが高いため)、次にタンキーに仕立ててゆく。Eliseはオブジェクトのコントロールに長けており、スパイダー・ミニオンを持っているために非常に早い段階でのソロ・ドラゴンが可能でもある。Eliseはどのような構成にも適合するが、彼女の長所とはピックを作り出す点にある。北米(および韓国)の競技シーンにおいて、Eliseは100%近いピック/ban率を誇る。


選外:


Dr. Mundo:

赤(紫)側チームがShyvanaとMundoの両方を要するピックができる時、ほとんどの場合にはジャングルへ向かうDr. Mundoの姿を見ることができるだろう。Dr. Mundoはジャングルでも立派に役目を果たすことができるが、OlafやViといったジャングラーと同等の貢献ができるわけではない。Mundoは敵が死ぬまで追撃を行うことができるが、一発の鉈が外れただけで、Mundoはジャングルへと帰らざるを得ないことが大半である。ジャングルMundoは、ソロレーン並の収入を得ることができないため、集団戦での生存性はソロレーンMundoに劣る。しかしながら、敵にMundoを渡さないことは、強力なジャングラーをピックすることよりも、敵に弱いtopをピックさせることができるという点で、より価値が高い。


Evelynn:

Pink wardが1人1本に制限された3.14での視界の変化により(pink wardの置き場所の知識も相まって)、序盤の予測不可能なgankおよびレーンの脇腹を突く攻撃が可能なEvelynnは、とてつもない脅威となる。ジャングル内の深い位置にワードを置いたり、gankに合わせるための対面の動きの変化を読んだりするといった、Evelynnの動きを追うための戦略は存在する。Evelynnが育った場合、彼女の仕事は優位を最大限に利用して敵を突き放し、ファームによって試合展開に追いつけないようにすることだ。Evelynnが育つことができなかった場合、試合に対する彼女の影響力は最小限に留まり、試合展開は速やかに4対5の様相を呈していく。彼女はハイリスク・ハイリターンなチャンピオンなため(そしてpink wardの設置制限により、pink wardを置かせ続けることでゴールドの浪費を招くことができなくなっているため)、チームはEvelynnを置き去りにして試合を進めざるをえないのだ。

Lee Sin:

これまでもこれからも、Lee Sinは常に有用なジャングラーであり続けるだろう。前述したチャンピオンと比較しても最大級の機動力を持ち、序盤に圧倒的なgankが可能であり、競技シーンにおいて対抗するのが難しい、高いスキルキャップを持つのがLee Sinというチャンピオンである。Lee Sinは非常にメカニカルなチャンピオンであり、不利に立たされることは許されない。彼がレイトゲームにおいて期待されているのは、crowd controlやバースト性能よりはむしろ、敵の排除・分離能力である。高いレベルでLee Sinを運用するためには、忍耐と練習が必要なため、多くのジャングラーたちはメタの主役になっているチャンピオンを選ぶ傾向にある。Patch 3.14によって試合が長時間化した結果、Lee Sinは間接的に弱体化されたと言えるだろう。試合序盤にレーンを育てるか、自分自身が育たない限り、試合に対するLee Sinの影響力は衰えていく。


Mid


概論:


1対1のキルはあまり流行らなくなり、タワーからタワーへの転戦およびジャングラーのgankで、キルを確実に獲得するようになった。これがPatch 3.14の変更によるmidレーンのメタの変化である。2体のバーストメイジによる1対1の対決の代わりに、(siegeされることを防ぐために)ミニオンウェーブ処理能力に秀でるチャンピオンたちと、ある種の敵排除能力やスローを持つチャンピオンたちが、現時点では好んで使われている。攻撃的にも防御的にも、「Siege Control」がチームの焦点となっている一方で、依然としてピックされているpoke能力に秀でるmidチャンピオンたちの人気は、下火になってきている。


チャンピオン:


Ziggs

その多彩なスキル構成から、西洋のプロシーンにおいてZiggsのピック率は抜きんでている。AoEスロー、長射程のpoke、離脱/ディスエンゲージ能力、長距離からミニオンウェーブを処理してしまえるultimate、そして通常攻撃を強化することでタワーの破壊に役立つパッシブ。Ziggsはスローによるディスエンゲージ/ダメージと離脱能力を使うことで、自分めがけてダイブしてくる敵を痛めつけることができる、非常に安全なレーナーでもある。Bouncing Bomb(Q)はクールダウンが短く、ミニオンウェーブ処理にもハラスにも使える素晴らしいスキルである。

Ziggsの最大の影響力とは、とんでもない量のファームを行える能力である。概して、試合終了時に最多CSを記録しているのはZiggsである。高いAPレートかつ短いクールダウンのAoEスキルを持っているため、大抵の場合にZiggsは敵midを越えるアイテム差を作り出しており、勝っていようと負けていようと、そのビルドをフル活用することができる。ダメージの大きい多彩なスキルによって、ミニオンを使ったプッシュを簡単にコントロールすることが可能なZiggsは、北米で最も取り合いの激しいチャンピオンであることは疑いようがない。*公式記録として、最近1週間にわたって繰り広げられたBattle of the AtlanticシリーズとLCS Promotionalトーナメントでは、北米チームがピックしたZiggsが、その週の7試合で勝率100%を記録している。

Gragas

Gragasはかなり長い間、継続的に選ばれてきたピックだ。信じられないほどのバースト、効率のいいミニオンウェーブ処理能力、素晴らしい機動力、そして相手を引き寄せたり集団戦を始めたりといったことが可能なイニシエート。GragasはドラゴンやBaronに対してBarrel Roll(Q)とExplosive Cask(R)のコンボを撃ち込むことで、敵が安全を確保した上で獲得しようとしたドラゴンやBaronを妨害することができる。彼のミニオンウェーブ処理能力は群を抜いており、Body Slam(E)によるマップ移動能力も相まって、特にタワー下の敵を引き寄せる能力が高い。

Gragasはsiegeに対しての防衛と、樽を使うことでsiegeを始めるためのゾーンを作ることの両方が可能だ。現在のメタにおいて、GragasはZiggsの代替とカウンター両方を務めることができる。Barrel Rollによって、Ziggsのミニオンウェーブ処理によるsiegeのプレッシャーを止めることができるからだ。Ziggsのものと比べた時、Gragasのultimateは集団戦や集合した状況で、より便利に使うことができるものだ。
マナの問題を解消するまでは(Chalice of Harmonyを買った後の最初のリコールはLv6付近になることが多い)Gragasはレーニングフェーズで弱く、試合進行とともに能力値の伸びが良くなっていく。このことからGragasに対抗するピックを行うのは難しく、集団戦において彼は継続的な脅威であり続ける。大きな与ダメージ、オブジェクトコントロール、そしてsiege controlによって、3.14メタにおけるGragasは強力なピックで在り続けている。

Orianna

GragasやZiggsと同様に、ミニオンウェーブ処理能力に優れているが、集団戦で役に立つユーティリティ能力を持ち、持続したダメージ交換が可能なチャンピオンがOriannaである。1回のミニオンウェーブを一掃するためにOriannaが必要とする完成済アイテムは最低2つであり、このために安定してミニオンをプッシュできるようになるまでの時間がZiggsやGragasよりも長い。Oriannaを擁するチームは、シールドつきの移動速度増加/スロー、敵排除能力、コストの少ない視界といったユーティリティを得ることができる。Oriannaをピックできた時、敵の後衛に向かってダイブできるチャンピオンでチームを補強すれば、敵キャリーに大ダメージを与えて戦闘から排除したり、キルしてしまうことが可能になるだろう。

Oriannaはレーニングフェーズで弱く、その強さは集団戦の結果に依存しており、スキルショットを当てられなかった時が致命的なために、その存在感は失墜しつつある。ZiggsやGragasがultimateを失敗したとしても、単なるディスエンゲージという結果に終わるが、OriannaのShockwave(R)が失敗すれば、エンゲージしようとしたチームが死者なしで撤退するのは不可能になる(敵チームからすれば、オブジェクトコントロールの面で非常に有利になる)。試合の行く末を左右することの多いOriannaには熟練が必要だが、敵の只中にボールを置けば、圧倒的なダメージを叩き出すultimateを喰らわせてやれるだろう。

Kassadin

マップを縦横無尽に駆け回るその機動力と、少ない投資で非常に大きなダメージを出せる危険性から、Kassadinは100%近いピック/ban率を誇っている。Kassadinが消えたことがわかる前にキルを取られている、彼がレーンを制する能力とはそのようなものだ。さらに言えば、通常はこの時点で3~4人にダイブされてしまえば生還は不可能である。このことは試合中盤で素晴らしいオブジェクトコントロールを可能にし、Kassadinがroamしている場所を追うため、敵に視界への投資を強制する。一旦Kassadinが数キルを確保してしまえば、敵にプレッシャーを与え続けるために必要な、致命的なマナ・アイテムを揃えることのできる収入を得たことになる。試合終盤においては、タンクを摩り溶かし、スプリット・プッシュを止めに来た1人以上の敵から離脱する能力を持つKassadinは、優秀なスプリット・プッシャーへと変貌する。

Kassadinを打ち負かすベストな戦略とは、Lv6への到達をできる限り妨害することである。レベルアップとファームを妨害されたKassadinはLv6で重要な影響力を行使することに支障をきたし、相手にはKassadinの脅威に対処する力を得るための、より多くの時間を与えられることになる。Kassadinの弱点に対して順応したチーム構成と、Lv6時点までKassadinをできる限り安全な存在に留めるカウンタープレイという対策を取れば、midからの注意を引き離すために、ジャングラーが他レーンにプレッシャーをかけるだろう。

選外:


Nidalee:

Nidaleeは典型的なpokeチャンピオンだが、プレイされる頻度は下がってきている(依然としてban率は高いまま)。不利に立たされた時に試合の流れから取り残されてしまうことと、Javelin Tossの弱体化がその原因だ。メタに好都合な「プッシャー」チャンピオンが多く対面に現れる環境では、Lv6前に自タレット下でCSを取ることを強いられるのは、Nidaleeにとって苦しい状況だ。また、Nidaleeは試合中盤やレイトゲームに向けて強くなるために時間がかかるチャンピオンでもあり、ほとんどのmidチャンピオンに比べて、強い時期が後の方へとずれている。Nidaleeのアドバンテージは、Javelin Toss(Q)によるゲーム中最高のpokeで、優先度の高い目標に一度当たれば、試合の流れを変えてしまうことができる。Nidalee側のチームにすれば、敵を1人撤退させることで5対4となるアドバンテージを得ることができるのだ。さらにヒールによる素晴らしいsustain、Cougar Form(R)中の機動力から、相手にしていて最も煩わしいチャンピオンのひとりと言えよう。最終的には、狙い所の良い槍と、敵の拙い位置取りが相まって、Nidaleeを強いピックに仕立て上げているのだ。

Kha’Zix/LeBlanc/Zed:

このようなチャンピオンたちを謗るのではなく、それぞれの強さと弱点を詳らかにするに当たっては、彼らをこう括るのが良いだろう……「バーストアサシン」と。Midにおいて、これらのチャンピオンは試合序盤のキル獲得能力に優れ、収入や経験値の面で対面に差をつけることができる。彼らには序盤にレーンで勝つための確かなプレッシャーがあり、速やかに敵を負かすことによってチームをキャリーしたり、敵の士気をくじくことができる。彼らの大きな問題点は、現在のメタでは試合の長時間化が推進されていることで、レイトゲームで防御的アイテムを持ったキャリーをキルするのは、より難しくなってしまう。彼らは未だに有効なピックであり、より攻撃的なプレイスタイルに居場所を求めることができるが、レイトゲームにおいては他のもっと安全な選択肢を持っておらず、勝利を求めるためには敵チャンピオンを一掃するほかない。

Marksman Mid:

時としてドラフトでは、激しい取り合いになるマークスマンがピック順の早い時期に取られ、その後のピック順で、優先度が2番目に高いマークスマンが同じチームに採られることがある。このことが意味するのは、2人のマークスマンを擁するチームは、可能であれば試合開始後20分到達前に、inner towerをできる限り多く破壊することを見据えている、ということだ。この戦略はファースト・プッシュとして知られており、序盤に3~4本のタワー有利を取ることで、敵が十分なミニオンウェーブ処理能力や硬く鎧を着込んだタンクを確立する前に、大きなゴールド・アイテムのアドバンテージを取る戦略である。序盤のアドバンテージを押しつけられなかった場合、デュアル・マークスマン戦略は崩壊してしまうため、現在のメタにおいて、このプレイスタイルはリスキーで珍しいものだ。タワー破壊時のゴールド配分、topレーンのハイパータンク、そしてsiege防衛が得意なmidチャンピオンという変化により、Season 3と比較して、マークスマンがmidを務めることは少なくなっている。


Marksman


概論:


現在のメタにおける流行として、競技シーンでは素早くミニオンウェーブを処理できるチャンピオンたちが、最高にホットなピックとなっている。競技シーンで最もよく見られる、明らかに主流となっている3人のマークスマンは、Sivir・Lucian・Jinxの三人組である。マークスマンは現在のメタの焦点にはなっていないが、素のダメージ出力の高さとタレット攻略を通して、レイトゲームをキャリーするという点では信頼に値するチャンピオンである。攻撃的なsiegeを行う上でのマークスマンの主目的とは、タレットに対して多くのダメージを、できる限り安全に与えることだ(1ミニオンウェーブにつき、1~2発の攻撃を受けつつ)。防御的なsiegeを行う上では、速やかにミニオンウェーブを処理し、敵タンクに対してできる限り多くのバーストダメージを与えることである(タンクを離脱させ、レーンからのプレッシャーを和らげることが期待される)。


チャンピオン:


Sivir

Patch 3.13においてオーバーホールを受けた後のSivirは、非常識なほどのミニオンウェーブ処理能力と、Boomerang Blade(Q)を当てることができれば素晴らしいpoke能力を持つようになった。最大の(そして最高の)変化はultimateで、エンゲージやディスエンゲージの助けとなる移動速度増加をチーム全体にもたらすようになった。Sivirはsiegeのためのミニオンウェーブ処理とタワー・プッシュに優れ、ほとんどのチーム構成に対してしっくりと馴染む。SivirのSpell Shield(E)は素晴らしいユーティリティスキルであり、素早く使うことでリターンが得られ、適切に使えばイニシエートや引き寄せを妨害することができる(Patch 3.15においてSpell Shieldの持続時間は半分に減少したため、プレイヤーにとってこのスキルを使いこなすことはさらなる課題となった)。Sivirは非常に安全で、集団戦に高いユーティリティを提供し、ミニオンウェーブ処理能力も高いことから、北米では人気のあるマークスマンとなっている。

Lucian

Pokeおよびプッシュ構成において凄まじい成功を収めたため(特にNidaleeとの組み合わせ)、過去数ヶ月を通して急激に人気が高まったのがLucianである。スキル使用ごとに50%の追加ダメージを与えるパッシブにより、単体対象に対して詐欺めいた量のダメージを与えることができるため、タワーを攻めている時にこれを使えば、通常攻撃の半分の追加ダメージによって素晴らしい成果を得ることができる。Lucianのパッシブによる追加ダメージはタワーに対しても有効で、特にSheenの性能とマッチしている。このため、Lucianがタワーに与える通常攻撃1回当たりのダメージは、全マークスマンの中で最大の部類に入る。Lucianは素晴らしいスノーボールの可能性を秘めているため、レーンで優位に立った時には非常に恐ろしい存在となる。Pokeダメージ、追撃性能、ultimateを用いたミニオンウェーブ処理能力から、彼は「Siege Control」メタで輝くチャンピオンである。

Jinx

1回キルを獲得すれば、その後の戦闘を簡単に片づけることができる、ハラスが得意なマークスマンがJinxである。単体対象に対してJinxが与えるダメージは非常に大きく(パッシブから劇薬のごときAS増加を得られるため)、ミニオンウェーブを素早く処理することもできる、長射程のpokeまで持っている。Flame Chomper(E)は、自分を追ってくる対面をゾーニングして追い払ったり、キル獲得のためのcrowd controlとして使うこともできる。理想的なJinxの動きとしては、素早いプッシュによって序盤からタワーを破壊し、レーンにおいては早い段階でキルを取ることを見据える。集団戦での彼女の仕事は、タンクをキルした後、ヘルスの低い敵を一掃するというものだ。JinxのパッシブであるGet Excitedは、キルを獲得するごとに直後数秒間、大きなMS増加を得られるもので、Jinxが敵を追撃(もしくは敵の攻撃からの離脱)することを可能にしており、彼女のアドバンテージを急速にスノーボールさせることができるようになっている。一方でJinxのユーティリティはSivirやLucianほどではなく、Fishbonesを使うことで増加した射程により、短時間にばかげた量のダメージを出せるため、試合を勝利に導く能力があると見なされているにすぎない。


選外:


Draven:

Jinx、Lucian、Sivirに対するカウンターとして、競技シーンではDravenが徐々に使われるようになってきている。Dravenは追撃能力、キャリーとしての序盤の大きなダメージ出力、キルに対して増加ゴールドを得る能力を持つ。つまり、優位に立ちつつ死ななければ、Dravenは激しくスノーボールするということである。斧をキャッチすることでDPSを上げられる素晴らしい仕様を生かしたいため、集団戦の間はチームが彼を守ってやらねばならないというのが、Dravenの問題点である。このためDravenはLee Sinと同様、レイトゲームのために習熟するにはメカニズムの難しいチャンピオンとなっており、不利に立たされた場合には、試合に対して十全に影響を及ぼせないという弱点をも抱えている。

Ezreal:

1年間以上に渡って競技シーンで愛されてきたEzrealに対しては、強化と弱体化が繰り返されてきたが、総体的には盛んに使われ続けている。Ezrealは強力な機動力と、集団戦およびオブジェクトを巡る戦いでよくシナジーするpokeスキル構成を有している。ミニオンウェーブ処理能力が相対的に弱く、3~4個のアイテムを揃えてもあまりダメージが大きくならないため、Ezrealは3.14環境に対してあまり順応できなかった。依然として、適切な対象設定ができれば集団戦への勝利に貢献できるEzrealは、使いやすいピックであり、自分を追う敵前線を回避することによって、戦線を維持することができる。

Caitlyn:

その射程の長さ、適切なミニオンウェーブ処理能力、信頼性の高い離脱能力から、レーンにおいてCaitlynは非常に安全なピックとして用いられる。Caitlynは2対1のレーンを作り、ごく早い時期にタワーを破壊する時には常に用いられており、最初のタワーを折った後は引き続き、タワーを折るために他レーンへと移動していく。このプッシュの背景にあるのは、Caitlynが必要とするアイテムは効率が良いアイテムであり、タワーやオブジェクトからチーム全員が獲得できるゴールドをもって、一刻も早く優位に立つことができるという考え方だ。ひとたび3つ目と4つ目の攻撃的アイテムを手に入れてしまえば、Caitlynは対タワー最終兵器と化す。Caitlynの難しさとは、彼女が最も弱い試合中盤がつらくなりやすいという点であある。LucianやSivirといったチャンピオンたちは、Caitlynの上を行くミニオンウェーブ処理能力とユーティリティを持っているため、集団戦における存在感が求められている昨今の競技シーンにおいて、Caitlynは声望を失ったチャンピオンである。


Support


概論:


Patch 3.14によって、サポートはレイトゲームにおいてより大きな影響力を持つに足る収入を得た(視界の支配権争いを除く)。ワードの設置制限により、チームにおける主なワード管理者というサポートの役割は減少し、サポートはチームのためのユーティリティ・アイテムをさらに購入するという選択肢を得ることとなった。現時点でサポートが最もよく購入するアイテムは、20% CDRおよびイニシエートやディスエンゲージに役立つ加速効果のアクティブを持つ、Talisman of Ascentionである。今や、サポートは戦闘を行う場所をコントロールするという責務を担っている。イニシエート、ピック(捕捉)、ディスエンゲージ、機動力強化が、彼らの武器である。


チャンピオン: 


Annie

現在、北米のメタでもっとも恐れられているサポートのひとりが、Annieである。高い基本ダメージを伴う1.75秒のスタンを複数対象にかけることができ、味方のダメージをさらに重ねさせることができるのだ。このエンゲージに反撃する時間は皆無に近い、というのが問題だ。サポートとしてですら、試合序盤の優れたダメージ出力により、デュオを組んだあらゆるレーンをキルレーンと化す。それがAnnieを最大の脅威とする理由である。たとえレーニングフェーズが上手く行かなかったとしても、強力なエンゲージ手段を生かして、Annieは試合の全ての段階で適切な役割を果たし続けることができる。しかし、Annieのメカニクスに習熟できていないプレイヤーはこれに当てはまらない。FlashとTibbers(R)のコンボはクールダウンが最も長いコンボであり、失敗のリスクが非常に大きい。

Leona

CCの豊富なスキル構成をもって、専守防衛に入った敵チームへの斬り込みが可能なことから、最近気焔を上げているのがLeonaだ。Patch 3.14の変更によって、LeonaはSeason 3には持つ余裕のなかった、耐久性を増すためのアイテムを購入できるようになった。Lv6時点の基本的な連携として、LeonaのCCとマークスマンの攻撃を組み合わせることにより、単体対象のヘルスを満タンから0まで溶かしきることができる。試合進行に伴って、サポート向けのCDRアイテムを入手することにより、LeonaはSolar Flare(R)を約40秒ごとに撃てるようになる。短いクールダウンかつ長射程のエンゲージを行える利点としては、そのイニシエートが上手く行かなかった場合でも(もしくはultが意図した対象に当たらなかった場合)、イニシエーターとしてのジャングラーを温存できているため(ジャングラーがイニシエートに失敗すると死んでしまうことが多い)、リカバリーが容易なことである。

Thresh

ゲーム中で最も独特なサポートスキル構成を持つチャンピオンの一角であるThreshは、プレイのあらゆる側面に言及することが難しいほどの、非常に多彩なユーティリティを持っている。Threshの特性を一言で説明するとすれば、阻害能力、と言い表せるだろう。複数の敵排除能力とスローを持っているため、北米の競技シーンにおいて、最も早い順番でピックされうるチャンピオンのひとりがThreshである。Threshのランタンによって、危機が差し迫ったチームメンバーを一人助けたり、器用な使い方をすれば、戦いに味方を参戦させたりすることができる。The Box(R)によるディスエンゲージは、追撃してきた敵を痛い目に遭わせることができる。また、Death Sentence(Q)による素晴らしい引き寄せが可能で、これにより、チーム構成にさらなるキーポイントを提供することができる。


選外:


Karma:

現在のメタにおける最高のサポートの一角として、真っ先に頭角を現したにもかかわらず、北米のプロシーンにおいては、Karmaはそれほど受け入れられていないし、活躍もできていない。Karmaのスキルは全て、機動性とkitingに関するものであり、チーム全体を加速したり、特定の地点を中心にスローをかけたりすることを可能にしている。試合序盤におけるKarmaはpokeが強いチャンピオンでもあり、彼女を相手にしてタンク不在のレーンをやり遂げるのは難しいだろう。結局、現在はハードエンゲージ可能なチャンピオンが、Karmaよりも優先してドラフトでピックされている。

Lulu:

Luluがピックされる時というのは一般的に、敵の只中に飛び込んでいくことを見据え、集団戦においていくつかのcrowd controlを積み重ねることを見据えたチーム構成を意味している。素晴らしいハラス能力と、対タレットダメージが強いことから、Luluは序盤の2対1のレーンにおいて強い。非常に高いスロー率を誇るGlitterlance(Q)はgankを阻止するのに役立つ。Whimsy(W)は最大ランクまで上げれば対象に2.5秒間のdisableをかけることができ、集団戦の経過が芳しくない時は、自分にかけて離脱することもできる。ハードエンゲージ・サポートに相対した時に困ることと、5対5の集団戦ではあまり有利を作れないことから、Luluのピックはあまり一般的ではない。


Patch 3.15の意味するもの


12月中旬にRiotはPatch 3.15を導入し、3.14で人気のあったチャンピオンやプレイスタイルに対して影響のある、いくつかの小さな変更が適用された。

大きな変更としては、赤trinketのクールダウンが短縮されたこと(-33%)により、視界のコントロールがやりやすくなったことだ。青trinketの射程が伸びたが、このtrinketは依然として限定的な用途しかない(他trinketと比較した時)。ジャングラー向けの金策アイテムは強化され、Conservationのパッシブは他の2つのジャングルアイテムにも付加されたため、Kha'zixのようなキャリー・ジャングラーのビルドには、より大きな多様性が生まれた。

マスタリーの変更により、Offenseツリーに9ポイントを割り振ることで得られるflatな増加AP/ADは減少し、序盤のチャンピオンの強さは減じることとなった。Defenseツリーにおいては、5秒間に失ったヘルスの3%を回復させるPerseverance(3ポイント時)は回復量が2%へと減少し、topレーンおよびジャングルに蔓延しているヘルス回復ビルドは、少しばかり弱体化されることとなった。しかし依然として、この変更がtopレーンメタに及ぼしている影響はそんなに大きいわけではない、と言えるだろう。Defenseツリーに16ポイントを割り振ることが前提となる「Legendary Guardian」の適用範囲は700に減少し(以前は900)、敵が散らばっている場合には、タンクの耐久性が若干下がることとなった。プロにとってはどういう変化かというと……Lv1の間は、防御敵能力値の変更は敵FiddlesticksのパッシブであるDreadの影響下にあるのと大差ないが、射程が減少したため、この「警報装置」はあまり信頼できず、危険なものになった、ということだ。

3.15では、いくつかのデュオレーン向けチャンピオンの強さも調整された。これにはサポートとマークスマンの双方が含まれる。Sivirは素晴らしいユーティリティを持っていたが、Spell Shield(E)とOn The Hunt(R)の持続時間が減少した。このことにより、Sivirがチームに提供していた機動力はいくらか減じたが、一方で彼女のプッシュ力についてはそのまま残された。LucianのPiercing Light(Q)は射程とダメージ両方について弱体化されたが、レイトゲームにおける彼のpokeの脅威は、多少減じたのみだ。マークスマンたちに対するこれらの変更により、Jinxのピック優先度がより高まり、CaitlynやEzrealといったチャンピオンたちも、どのようなことをやろうとするチームなのかによっては、選択の余地が出てきた。

サポート・チャンピオンたちに対する変更には、FiddlesticksのTerrify(Q)の最大持続時間が3秒間から2.25秒間に減少したことも含まれている。Patch 3.13の終わり頃、最優先で使うべきだと考えられていた頃に比べると、Fiddlesticksサポートは使われなくなっていった。Taricもまた、スキルのarmorレートが減少され、スキルが弱体化されたのは明白だ。北米のプロプレイにおいて、この2体のチャンピオンはどちらも重要な地位を占めていたわけではないが、彼らの弱体化によって、3.14のメタにおいて論じた他サポートが強化されたと言えるだろう。

要するに、3.15における変更は、3.14におけるSiege Controlの問題を完全に解決するには至っていない。だが、試合中盤~終盤における視界のコントロール法は調整された。「ハイパータンク」メタは未だに続いているが、効果は若干薄れてきている。マークスマンたちへの変更により、Jinxが最優先ban候補となった一方で、ドラフトで優先的にピックすべきADチャンピオンは減っていった。FiddlesticksおよびTaricに対する弱体化は、プロのチャンピオンプールから単に彼らが消滅した結果となって、現れている。

この先、戦略はどこへ向かって進化していくのか?


多くのチームが安全かつ長時間化した試合をプレイするようになったため、安全なプレイをするチームを痛い目に遭わせる方法を模索する、超攻撃的構成を志向するチーム構成が増えていくだろう。そう、この戦略がSeason 3後期のものから離れて別のものになるのは難しいことであるが、オブジェクトの時間管理を正確に行い、ゴールドの不均衡を発生させてアイテムを完成させる時間を改善できる(より短い時間でダメージを高められる)チームは、素晴らしい効率をもって試合を終わらせることができるだろう。より少ないアイテム、より低いレベルでチームを引っ張っていくことができるため、試合序盤に焦点を当てたピックが流行ると思われる。Midレーンはほとんどのチームにとって焦点になり続けているが、攻撃的なプレイをする上で、ジャングラーの価値が上がっていくだろう。成功するための真の鍵となるのは、1~2個の主要アイテムを完成させることにより、試合を終わらせられるチーム構成である。


原文
Cloth5 | Understanding the (North American) Meta – Patch 3.14 and 3.15 by Jera