Riot Gamesのチャンピオンデザイナー、Maxw3ll氏によってパッチ12.5におけるグウェンの調整についてのコメント・質疑応答がありました。
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パッチ予告より、グウェンの変更内容
- 裁断(固有スキル)
- 対モンスターのダメージ上限 10 (+25%魔力) ⇒ 10(+15%魔力)
- スキップスラッシュ(E)
- 増加攻撃射程 100 ⇒ 50
質疑応答
Q. グウェンの攻撃射程を下げるのをやめてほしい。以前のバフを巻き戻すとか、他の場所の弱体化たとえばWとかで代わりにしてほしい。
A. 私たちが今回の変更を行う詳細な理由:
私たちがあるキャラクターにおいてバランス調整をするとき、そのキャラクターのどこが強すぎ/弱すぎなのかを確認し、その弱体化/強化の影響を受けるプレイヤー人口の層を対象とする変更を与えようと試みます。グウェンのケースでは、特にプロのプレイで強すぎでした。プロ以外の場所ではやや弱い〜平均的です。
このような層に向けた変更可能なメカニクスを求める場合には、特別に優れたプレイヤーもしくは低pingのプレイヤーが他のプレイヤーよりも有利になるポイントを見つける必要があります。私たちの経験から攻撃射程の優位性がこの基準における優先順位の高いものでした。
もちろん今回のこれが誤った弱体調整である可能性はあります。私たちは完璧ではありません。この変更がキャラクターを使用不可能にしたりゴミのように感じられるようになってしまったならば、修正します。おそらく即座には判断しないでしょう、なぜならどうやったらプロでの存在感が大きくならない状態にできるかの情報が必要になるからです。ですが、私たちはグウェンの動向を気にし続けます。(原文)
Q. プレイヤーのスキル差にあわせた調整が必要というのは理解できますが、攻撃射程というアイテムなどで埋め合わせすることができない要素を奪うのはリー・シンのinsecやリヴェンのアニメーションキャンセルを奪うのと同等ではないでしょうか。
以前キヤナのQEコンボが回避可能になる変更を受けた際も、メインに使っていたプレイヤーは他のステータス等の補填強化があっても不満を感じていました。チャンピオンの使用感を損なう変更はその使い手が決して望まないものです。
メインに使うプレイヤーもグウェンを相手にしたプレイヤーも口を揃えていうのが「Wがブッ壊れ」なのですが、攻撃射程の代わりにこちらを弱体化すべきではありませんか?シンプルな手段では効果時間を減らすかクールダウンを伸ばすかだと思います。
pingの影響についてはよくわかりませんが、EUとNAで標準的と思われる33以下ならAAでの引き撃ちに大差はないのではないでしょうか?私のダイヤモンドのフレンドいわく50以上での問題になるということでした。
A. 返信コメントありがとう! このように語り合えるのはうれしいことです。
私は攻撃射程が減少しても依然として対面の敵をハラスして優れたトレードができると考えています、ただそれがノーリスクではなくなるということです。
グウェンに想定されているパワーカーブは序盤に弱くゲーム終盤にかけてスケールしていくものです。100の増加によりグウェンは近接チャンピオンの中でも最長の射程を持つイレリアよりも50長い射程を持っています。プレイヤーはこの小さな射程のアドバンテージをゲーム序盤のハラスおよび強さとして活用していました。グウェンはEを取得することで多くのトップレーナーに対してレベル1で優位に立つことが可能でした。これを使いこなせるようになった場合、対面にプレッシャーをかけ続けることが可能になり、あるいは最悪のシナリオになったとしても安全なファームが可能でした。グウェンが持つようなハイパースケールする性質のあるキャラクターはゲーム序盤に大きな弱点を持っているべきですが、現在は攻撃射程によってカバーされていました。
キヤナは私たちがアサシンに通常よりも多くの行動妨害スキルを与えてしまった際の好例です。
スキルを同時に使用すると滑らかに繋げられるのですが狙うのが非常に難しいという奇妙な状態に陥っていました。自動で対象に向かうのは合理的な解決策でしたが、結果としてバーストコンボが回避不能になりました。キヤナの全てのダメージはE→スネアQ→AA→Rに限定されてしまいました。このオートターゲットを失うのはとても残念に感じられましたが、本来のスキルデザインは当初はダッシュしながら当てるのが難しいものでした。ですがキヤナがゲーム上健全な状態にするためにはカウンタープレイが少なすぎたので、これを削除しなければなりませんでした。
グウェンのWはとても強力です、これに異存はありません。
このスキルを弱くすることでプロに使わせないことはできましたが、私たちの検討の結果としては、それは高ランクのプレイヤーがAA射程でトップレーンの優位性を持つことでプロよりもソロキューへの影響が大きくなる可能性が高いと判断しました。繰り返しますが、これは私の持論であり、私たちはWへの変更を行う可能性もあります。グウェンがプロシーンでまだ残り続けていた場合、Eの変更後でも追加で検討します。
アメリカ国内でのping遅延に関しては私はあまり詳しくないのですが、個人の経験としてはRiotのオフィスのLANでは私のpingは50〜60であり十分に優れたインターネット回線です。サーバーは国の中心に位置していますので、国の端やインフラのない地域に住んでいる人であれば、私が思うに、ping50よりも低くならないでしょうし33にも至らないでしょう。私はエンジニアではなく運用に関わってもいませんが。
以前の強化を巻き戻すこともできましたが、その強化はグウェンのプレイヤー全体に効力のあるように選んだものでした。その強化以前はソロキューでのグウェンは46〜47%にずっといました。おそらくはプロシーンから去らないでしょう(今はメタがグウェンを必要としていますし、さほど存在感は失わないと私は思います)が、平均的なプレイヤーは負けが多くなることでしょう。
(訳注:11.24のミッドパッチにて基本体力とレベルごとの体力が強化された)
私たちが完璧ではないこと、私たちは自身を完璧だと思ってはいないこと、これら変更の全ては変化しうることを再度主張しつつ締めくくろうと思います。これらのナーフを実装するのは簡単ですが、問題を解決に向けて前進させないとわかれば、別の角度から取り組んでみることになるでしょう。(原文)
Q. キャラクターのアイデンティティを残すことはバランスよりも優先されるべきではないでしょうか? 射程は使用感もあって他のどのスキルよりもグウェンのアイデンティティになっていると思います。QはAAとの関連性から、より近づくことが求められるようになるとこちらのパワーも落ちます。Wもです、安全地帯から攻撃できるかの差があります。射程はデザインの核として密接に関わっています。
A. そのコメントには私たちが意図したものも含まれています。
私たちはグウェンのゲーム序盤の他トップレーナーへの優位性をターゲットにしています。この優位性はグウェンのようにスケールするチャンピオンには通常与えないものです。対モンスターでスケールするスキルは依然として安全にファームできますし、Qの使い方はプロプレイヤーに向けて私たちがグウェンの魅力としてアピールするメインのものです。
キャラクターの使用感に影響があるのは間違いないことでしょう。AA射程の減少は長く使ってきたプレイヤーほど強く感じてしまうものです。しかしながら、再び習熟することが可能なものです。私はこの解決策は好きではありませんけども。(原文)
Q. グウェンがトリンダメアみたいに近接チャンピオンと殴り合わないといけなくなっちゃうんだね。
A. イレリア以外の全ての近接チャンピオンよりも射程が長く、そのスキルを取得した瞬間であれば高い頻度でダッシュすることができます。グウェンで成功するためには今以上に巧妙さが必要になります(原文)
Q. Eの射程減少がプロプレイヤーに影響するとは思えません、50の減少でプロが手放すか疑わしいです。
A. 最初の回答で詳細に答えましたが、要約としては射程に差異があることがレベル1で他トップレーナーに優位に立つことを可能にしています。この優位性をプロは協力してダイブ/インベード/序盤のスカトルに活用しています。
一般的に私たちはシンプルなステータスの強化以上の変更をすることにオープンであると思っていますが、実際の問題としてしっかりと行うには時間がかかります。やりたいことの全てを実行することはできないのです。同様のプロジェクト(ジャンナもそのひとつでした)をお見せしきましたが、将来的にはもっとやれたらと思っています。言えることは、もしこの弱体化でグウェンをプロシーンから下ろせないもしくはただダメにするだけになってしまったなら、グウェンを対象にした更なる検討を行うということです。
追記編集:いつもの免責事項ですが、これらの調査がいつ/どう行われるかについては約束はできませんが、私たちは注意深く見ていくというメッセージをお伝えしたかったのです。(原文)
続き
Q. スマッシュブラザーズの調整で思い浮かぶことがあります。マルスが射程を減らされて、その補填に他の箇所のパワーを上げていって……それでも最終的に射程が部分的に戻されるまでメタに帰ってはきませんでした。
グウェンの勝率が地に落ちるのを待つしかないのでしょうか。
A. グウェンの勝率が粉砕されるかもしれませんが、私たちはEloによる強烈な偏りがない限り、チャンピオンを悪い状態に放置しないよう心がけています(アジールやライズのことを想う)。
スマッシュブラザーズに絡めた指摘は、私がやろうとしていることと部分的に同じなのでしょう。射程の増加は確かにプレイ感の良いものではあるのですが、同時にトップレベルで争っているキャラクターに与えるには強すぎました。それゆえに、これを弱体化しようとしているのです。(原文)
続き
Q. 変更後のグウェンはアジールやライズのようにプロでは使い続けられつつもソロキューでの勝率は低いままにされるんでしょうね。
A. その2チャンピオンはプロに縛られたチャンピオンとしての最悪の事例です。グウェンはそうはならないだろうと思っていますが、時間はかかるかもしれません。(原文)
Q. 私はゴールドプレイヤーで、グウェンしか使っていないプレイヤーです。ゴールド帯ではグウェンの勝率は優れているとは言えません。プロのようなプレイヤーベースの0.01%未満がために弱体化されるのは納得いきません。
A. わかります。私もグウェンが好きなシルバー/ゴールドのプレイヤーですが、残念ながらLoLは複数の層に対してサービスを提供しています。私たちは4つのプレイヤーレベル(ノーマル、ハイスキル、エリート、プロ)で多様性のあるメタを提供することに取り組んでおり、結果的にトレードオフが必要なことがあります。
もしこの弱体化が実行されて、グウェンのノーマル/ハイスキル層での勝率が下がったなら、私たちはグウェンを回復させるためにフォローアップするでしょう。(原文)
Q. プロを理由にした変更ではプレイヤースキルによるギャップを埋めるために基礎ステータスを下げずに能力を消す?
A. 実は面白いトピックでして。複雑な能力・操作を持つチャンピオンであることはプロでの問題になることとイコールではありません。ヤスオとリヴェンは操作が非常に大変ですが、両者の勝率が高い層はハイスキル帯(2番目に低い)なんです。全レベルのプレイヤーがアニメーションキャンセルのような複雑な操作をマスターすることはできるのです。
グウェンの場合の問題は、この能力が同時にプロプレイにおいて意図された弱点を補強できてしまう点にあります(つまり、レーンでの優位を獲得しジャングラーとの強力によって敵に逆転させずに序盤を乗り切ってしまうということです)。(原文)
Q. 他のチャンピオンはフレックスピックとしての存在が許されているのに、なぜグウェンは許されなかったのですか?
A. フレックスは大きな問題ではありませんでした。プロがグウェンを好む核となる理由は、
- スケールの伸びが良い
- レベル1で他のトップレーナーを圧倒するので、グウェンを咎めることがとても難しい
という点でした。(原文)
Q. ゲーム序盤を弱くするのであれば、Eのランクで射程が伸びていくようにするのは解決策になりませんか?
A. スキルランクで射程が伸びていくことは経験的に2つの理由からとても悪いフィーリングになります。
使用する視点では、ゲーム時間を通して変化する場合は現在の射程に慣れることが難しくなります。トリスターナのように射程が伸びていくだけの場合と比較すると、グウェンの射程は下がったり上がったりを繰り返すので最悪です。射程が150→200→150→225のように変化することは距離の取り方がわかりづらく、体に覚えさせることもできなくしてしまいます。
また逆の視点にすると、グウェンを相手に戦う場合、その射程が頻繁に一貫性なく下がったり上がったりするので対グウェンに慣れることもまた難しくなります。(原文)
Q. 以前公開されたバランスフレームワークによれば、まだグウェンは弱体化判断には早いのではないのでしょうか?
また、メインにしているプレイヤーとしては射程のようなチャンピオンの個性となりうる部分を失うよりもアイテムやレベルで補えるものを失った方がまだマシなのではと思います。
A. グウェンのプロでのバンピック率はここ数パッチで限界近くを前後していました。12.2では80%以上、12.3ではギリギリ、12.4ではいま現在それ以上になっています。ファイター向けアイテムの変更とグウェンがその影響を受けなかったことにより、グウェンのバンピック率は上がりつづけると予測されるのでなんらかの弱体化は仕方のないものなのです。
勝率よりも何かしらの能力があることを好まれるという話も耳にしますし、何かしら調整チームと話し合う必要があるでしょう。プロからグウェンを引き離すために基礎ステータスか移動能力を下げることは、ソロキューのチャンピオンとしての許容範囲を下回ることになるだろうと現在のところ私は思っています。(原文)
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