LECの動画コンテンツ EUphoria において、Riot GamesのLead Gameplay Designer、Jeevun 'Jag' Sidhu氏がプロ選手から質問を受ける企画がありました。(パッチプレビューを公開してくれているRioterです)
動画に関連したRioterの質疑応答を紹介します。
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0:00 はじめに
2:26 Jeevun "Jag" Sidhuという人物
5:35 Q1 バランス調整の決定にesportsはどれくらい影響している?
15:40 Q2 パッチ内容を決めるプロセスを説明してくれますか?
21:36 Q3 定期的にくる大型パッチの裏にはどのようなロジックがあるのですか?
39:12 Q4 今シーズンで一番難しかったバランス調整はなんでしたか?
42:34 Q5 チャンピオン(というかアカリ)のキットからある要素を削除するような調整はなぜ発生するのですか?
50:46 Q6 どうやってチャンピオンのフレックス性を容認したり弱体化したりを決めるのですか?
55:07 Q7 なぜチャンピオンではなくアイテムを弱体化させるの?
1:00:44 Q8 ウディアはひどく弱くされたのにアクシャンの蘇生が許されたのはなぜか?
1:12:11 Q9 アクシャンについてのツイッターのコメントは読んでいますか?
1:23:45 Q10 Riotが新チャンピオンを作ることをやめる未来はありますか?
1:35:38 おわりに
(訳注:この動画は1時間36分あります。日本語字幕はありません。要約の作成は諦めました。各自でご覧になって雰囲気を楽しんでください)
質疑応答
バランスチーム所属、phroxz0n氏
Q. Riotにアナリスト/データサイエンティストがいるのかをプロの口から訊いてみてほしかったな。
A. 全てのレポート(アイテム、ゲームペース、勝率、チャンピオンバランスフレームワークの自動バージョン、ロールによるパワー、チャンピオン学習曲線、etc.)を作成するinsights analystがいます。
データサイエンティストはデータをアナリストに届かせるためにパイプラインの作成に携わっています。データサイエンティストはデータを得るためのクエリを作成し、デザイナー、ゲームアナリスト、プロデューサー他がフォーマットを使用できるようにしています。
なので先程の質問に答えるなら、Riotにはアナリストもデータサイエンティストもいます。blauのような(訳注:blaustoise氏は元Rioterのゲーム開発者。配信も精力的に行っている)検証は私たちのものとは異なる形になります。彼らは調査やプレイヤーからの研究をもとに定性的な評価を収集していて、アナリストやデータサイエンティストによる定量的な評価とは異なるのです。(原文)
Q. その人たちは直接的にバランス調整に関わっているのですか? それともデータを整理するだけですか?
A. サモナーズリフトチームに100%専任のアナリストがいます。ですがredditで知られているバランスチームというのは、サモナーズリフトチームの3グループの1つでしかありません。アナリストはその3つのグループにデータを提供しています。
データサイエンティストに特定のチームだけにデータを提供させることはありません、彼らがやろうとしていることからすればそれでは範囲が狭すぎるのです。データサイエンティストの仕事は、LoL全体におけるスキン、チャンピオン、バランス等々の多岐にわたるデータをアナリストがアクセスできるようにすることなのです。(原文)
Q. なるほど。では調整を決定するチームが誤ったデータの読み取りをしないように統計の知識を持つアナリストはいますか?
A. アナリストはみな統計の知識があり、通常は数学の学位や同等のものを持っています。彼らはそのデータを見る人がそこにあるバイアスを理解できるようにすることに非常に積極的です。(原文)
Q. とても心配なんですが、データアナリストや調整チームはゲームをプレイしているんですよね?
A. 釣られてみましょう。ええ、私たちはゲームをプレイしてますよ。
サモナーズリフトチームでは3グループに7人のデザイナーが所属しています。1人はマスター、4人はダイヤモンド、1人はプラチナ、最後の1人はシルバーです。
またチームには2人のQAアナリストがいてマスターとグランドマスターです。
これに加えて、別枠にゲームアナリシスチームがあり、そこでは一番下がダイヤモンド3であり7人はマスター以上です。3人はグランドマスター/チャレンジャーにいます。
私たちは可能な限りさまざまなスキル帯からの意見を集めようと心がけています。例えばゲームデザイナーを全員チャレンジャーにしようとするのはよろしくありません。プレイヤーとしての視野が狭まってしまい、有害となるからです。(原文)
Q. バランス調整プロセスで学習曲線を考慮してないのはなぜですか?
A. 簡単にいえば、複雑な問題なのです。
これは現在のモデルの限界であり社内でなんども議論しています。透明性のあるバランス調整プロセスを持つことの価値のひとつには、コミュニティがなぜ調整の決定がなされたのかをしっかりと理解できることがあります。
学習曲線を考慮することは潜在的には有効で価値もあるのですが、欠点もありバランスフレームワークにその情報を含めることの長所と短所を比較する必要が生じます。
また、この情報を実装するための適切な方法を理解する必要もあります。
考慮される事例:
- 初めてのプレイヤーによるゲームを切り捨てるべきか?
- 最初の3、5、10ゲーム?
- 簡単なチャンピオンの最初の10ゲームを切り捨てるとしたら、難しいチャンピオンでは30ゲームを切り捨てるのか?
- 4年前にリー・シンを何度も使っていたけど最近は5ゲームしか使ってないプレイヤーの習熟度はどう評価するか?
- ゲームプレイ回数が平均的なプレイヤーと5倍のプレイヤーを同等に扱うべきか? 同等にしないのであれば、どのように比較するのか?
- そのプレイヤーのメインチャンピオンであるかどうかの判定基準は何か?
- etc.
(原文)
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