3月7日にRedditで行われた、ケイル&モルガナのアップデートチームのAMA(質疑応答)の翻訳になります。主要な項目を抜き出して訳してあります(挨拶なども省いてあります)。
Redditスレッド
We're the Rioters that reworked Kayle and Morgana. Ask us anything! : leagueoflegends
正義の到来に備えよ! 午前11時(PST)から午後1時半(PST)まで皆さんの質問にお答えします。質問を書き込んでもらえれば、チームがあなたの要請に応えて(Lv16に)進化し、(30分以内に)的確な答えを返しましょう。
皆さんの質問に答えるべく集まった定命の者たちはこちらです。
- /u/RiotAugust - デザイン担当
- /u/Jellbug - ナラティブ担当(キャラクター設定と物語)
- /u/EdwinMols - プロダクション担当
- /u/Lonewingy - コンセプトアート担当
- /u/RiotLankyTree - VFX担当
- /u/LiquidLazers - 音声担当(ケイル)
- /u/Riot-iZac - VFX担当(ケイル)
- /u/Auberaun - QA担当(ケイル)
- /u/Riot_Koyuncu - QA(モルガナ)
- /u/shioshoujo - コミュニケーション担当
チャンピオンの設定、物語関連
・ケイルとモルガナは最近何をしていたのか
正義の神髄である母の身に起こったことを知るために霊峰ターゴンへ向かい、悪を討つために母の足跡をたどるケイル。私たちが彼女の姿を見たのはこれが最後です。ケイルはターゴン山頂にて、ヴェールの向こう側の金銀きらめく地へ向かうという使命を成し遂げたのではないでしょうか。
モルガナはデマーシア辺境の荒野に隠れ住んでおり、そこで人と人の間の間違いを正し、犯罪者に心の痛みをもたらしています。モルガナに遭遇した者は「森の魔女」のような人影を見たと言い、数百年前から生きる翼の姉妹の片割れだと思う者は皆無です(ヴェールに覆われたる者だと思う人はもっと少ないでしょう)。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・他の神髄と比較した時のケイルとモルガナの強さ、世界での役割
優っている面もあれば、劣っている面もあります。天から授かった力については、モルガナとケイルは不死の存在の意志が定命の体を乗っ取ったわけではないので(ほとんどの神髄はこうします)、「魔法」の力はおそらく他の神髄より少しだけ劣るでしょう。ですがこのため、2人は完全に自分自身の意志で行動でき、授かった力と本人の一体感はより強く、自身の意志と力が衝突することは少なくなっています。強さや力といったものの定義にもよります。
・ケイルとモルガナの世界での役割
母親の剣が空から降ってきた時、それは天界の大いなる存在の意志が示された瞬間でした。また、姉妹の母親が正義の神髄に選ばれた理由のひとつには、正義のふたつの側面をよく示すこととなるケイルとモルガナを身ごもっていたという理由もありました。姉妹はルーンテラにおける救済の一端を担い、ターゴン山頂で何かが起これば役目を果たすことになると思います。
・モルガナはシンドラのことをどう思うか
モルガナはシンドラが受けてきた痛みと苦しみを理解できるので、同情的になると思います。しかしながら、シンドラが犯した罪がそれで中和されるわけではないので、モルガナはシンドラが傷つけ命を奪った人々への償いを要求し、過ちから学べるように心の痛みを感じてほしいと思うはずです。
・個人的にあなたは姉妹のどちらが好き?
モルガナは私がLoLで初めて使い方を学んだチャンピオンなので、どちらかといえばモルガナ寄りかも。でも不思議なことに、ケイルの完璧主義と自信喪失(特に試合序盤のセリフ、「我が内に闇が潜むなら、自らの光で照らしてみせる」とか「光への道、それは孤独だ」など)に共感しますし、みんなにはケイルが「神聖なる存在」になるために諦めたものを理解してほしいと思います。
(以上4項目の回答者:Jellbug氏 - 原文)
・2人のセリフについて
セリフを楽しんでいただけているとのご好評、とても嬉しいです! 2人は私が関わった初めてのチャンピオン制作ですので、皆さんが2人を好きになってくれて本当に嬉しいです。モルガナについては彼女がケイルに対して抱えている苦痛が凝り固まっている(そしてそれが姉への愛情を分厚く覆い隠してしまっている)描写を、ケイルについては感情をひどく抑制しているためにモルガナに対して何かしようとしても考えるのが困難になっている様子をたくさん話し合いました。2人から受ける正反対の印象は、姉妹の関係に起こった悲劇のひとつでしょう。
プロジェクトのリードナラティブライターとしてほとんどのセリフを書いたのは私ですが、チームメンバーや同僚のライターたち、セリフの抑揚について指摘してくれた編集者にはたくさん助けてもらいました。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・神髄の器になった人間の人格は基本的に全消去されてしまうのか
いえ、もちろん違います。神髄ごとに少し違うのです――アトレウスは神髄になった際にパンテオンに完全に乗っ取られてしまったので、家族は彼の死をとても悲しみました。ダイアナとレオナは人間としての個性のほとんどを留めているものの、神髄になった際に得た神としての記憶と感覚があるので、時々それに苦しんでいるかもしれません。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ケイルは自らの人間性を否定して崇高な存在になろうとしているが、ゲーム内での最終形態はそうなった姿なのか
ケイルの最終形態は、ルーンテラの現在における彼女の姿です(ここ数百年間保っている姿)。天界の力を完全に受け入れ、人間としての感情を完全抑制しています。ケイルは正式な正義の神髄ではありませんが(正式な神髄は母親)、できる限り神髄に近い存在になりたいと思っています。ルーンテラと天界を脅かす巨悪を打ち負かすために彼女が選んだ道は孤独で険しく、愛する者から離れて修道士のように目標のみに没頭しています。
・ケイルの正義とは
ケイルの正義観は法律にもとづいたものです。「レ・ミゼラブル」のジャヴェール警部と似た正義観を持っていて、法を犯したのであれば理由にかかわらず、罪に見合った罰を受けねばならないと信じています――過ぎた罰ではいけないし、少なすぎる罰でもいけません。いうなれば「目には目を」タイプの正義です。罪に対する罰―大小にかかわらず―を受けた後であれば償いは終わっており、罪によって罰せられることはないと信じています。民に対する懲罰や処刑を楽しんでいるわけではありませんが、正義を守るためにはやらなければいけないと感じています。
・モルガナの主義主張とは
自分自身の過ちと向き合う方法という面では、彼女のやり方はよろしくないですね。モルガナは自分が間違っていること、自分が怪物になることを、どこか奥深いところで恐れているので、その疑念を抑えつけています。彼女はこれを信じているために、自分の奉じる正義を実行し続けることができなくなってしまいました。ケイルがデマーシアを去ったのは、自らの過ちを直視することができなくなったからです――裁判官としての自分、家族、街との向き合い方がわからなくなったのです。
モルガナの正義観は微妙なニュアンスを含んでいて、白黒はっきりというわけではありません。ある人間が何のために何をしたか、ということによって判断は違うのだとモルガナは信じています。罪そのものというよりは、罪を犯した理由を問うものです(モルガナは法律の文面のみを奉じる輩を特に嫌いますが、法の力を悪用する者もいます)。「レ・ミゼラブル」を例にすると、ジャン・ヴァルジャンがパンを盗んだのは家族を救うためだったので、それは罪ではないとモルガナは判断するでしょう。そのような不公平な法律を作る社会が間違っているとモルガナは考え、家族を救うために法を犯すしかない状況にジャン・ヴァルジャンを追い込んでしまった社会そのものには、実際に問題があります。これはモルガナにとって、法律の文字のみで考えるに近しいケースです。彼女はまた、重犯罪を犯そうとした人々には、そこから教訓を得てこれ以上ひどい罪を犯さないように痛みを与える必要があるとも考えています。痛みと苦しみは救済と成長のために重要であり、民の間に共感を作り出すと考えているのです(モルガナにとって人間であることの意味のひとつです)。
(以上3項目の回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ケイルの価値観
ケイルはほかならぬターゴンおよび神髄と同じレンズを通して物事を見るでしょう。とは言いますが、ケイルがターゴンに初めて到着した時、母親と天界に対して勝手な解釈を持っていたでしょうから、最初はそれが彼女の判断を曇らせたかもしれません。
・デマーシアにおける神髄
デマーシアはケイルを「守護者」として物語や神話に語り継いでいますが、ターゴンの守護の神髄になったタリックとは違う扱いです。
・デマーシアにおけるヴェールの貴婦人の伝承
ヴェールの貴婦人についてデマーシア人が持つ解釈は、時の経過とともに変わってきました。裁きを行う人物と思う者もいれば、罰を与える人物だと考える者もいます。そうでない者たちは、ひどく悪い感情を抱いていることがあります――嘆き、悲しみ、死といった印象です。ラックスの物語で見られる彼女の描写はこれに近いものです。ですがモルガナは、子羊と狼とは全く違う存在です。
(以上3項目の回答者:Jellbug氏 - 原文)
・神髄の子供について
姉妹は厳密には神髄ではなく、正義の神髄の娘になりますが、天界から授かった力を持つ半人半神です。母親のお腹の中にいた時に姉妹は力を授かりました――母親は妊娠中に霊峰ターゴンの頂上に登り、正義の力を得たのです。
このため、モルガナとケイルは正義の二側面を象徴する存在になっています――モルガナの視点は苦痛を通した成長による救済、ケイルの視点は文章に記された法にもとづき弱者を守るための罰を与える正義です。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・罪深き菓子職人モルガナの設定
罪深き菓子職人モルガナの世界では、姉のケイルはコンテスト優勝経験のある有名な菓子職人で、モルガナは永遠に姉の陰で生きるしかない運命なのだと思います! モルガナは果たして怒りをコントロールして完璧なデザートを作れるようになるのか? 時が経たねばわかりませんね。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ガレンの剣の魔法とケイルのアルティメットの関係
ガレンのRはケイルの天界の魔法に関連しています。ガレンの最近の行いについて、ケイルは確実に許しを下すでしょう。
ケイルのRは前任の正義の神髄から受け継いだ力の象徴で、正義と真実を世界に降り注がせ、罪なき人々を守るために使われます。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ケイルとモルガナを正義の神髄の娘としたことについて
以前の設定には神髄の子供という存在はいなかったので、面白いと考えました。2つの世界の間で引き裂かれるキャラクターというのも模索したのですが、これはあまり合いませんでしたね。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ケイルの新しい設定について
ケイルはデマーシアと無辜の民を助けるために計り知れないほどの英雄的行為を行っています(叙事詩で称えられているものもありますし、ユニバースの物語でも描かれています)。ケイルが街を救った回数は数え切れず、特に街ができたばかりで防備が弱かった頃には活躍したでしょう。彼女が心から気にかけているのは正しいことを行うことで、正義をもたらすためにはどんなに極端なことであろうとも実践し、そのためにはあらゆることを諦めてきました。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・ケイルとモルガナそれぞれの長所と短所
ケイルの最大の欠点は、自身の正しさそのもの、そして自身の欠点と過ちを無視できてしまうことです。ケイルの最大の美点は、世界で善きことを成し無辜の民を守りたいという理想を持っていることです。モルガナの最大の欠点は、過去に自らが犯した過ちを看過できないことです。モルガナの最大の美点は、罪を犯した者に対して、罪の内容にかかわらず共感できることです。
・姉妹の母親(ミヒラ)について
2人の母親については、多くの人たち(2人の父親と、おそらくモルガナも)が、彼女の剣が空から降ってきたということで死んだと考えています。ですが言わせてもらいますと、はっきりとした描写のない死を信じてはいけません :) どちらにせよ、ミヒラの剣が空から降ってきたというのは、彼女が困難な状況にあるために、娘たちに義務を受け渡す必要があるということでしょう。彼女が死んでしまったのか、行動不能になったのか、どこかに閉じ込められているのか……それはわかりません。
・ケイルとモルガナの強さ、存在の分類
2人の母親こそが正義の神髄です。ケイルとモルガナが天界の力を持っているのは、母親が神髄になった時にお腹の中にいたからですが、姉妹たちは神髄ではありません。そして姉妹たちは対立する性質の正義を掲げているのです。
ケイルとモルガナは他の天界の神髄と比べて強くはないのですが、それは2人の体が不死の神を宿しているわけではないからです。しかし姉妹が力を合わせて戦えば、正義・処罰・慈悲の面で異なる信念にくわえ、それぞれ異なる魔法の力を持っていることで、単なる足し算以上の強さを発揮できるでしょう。
ええ、姉妹は神髄ではありませんが、半神半人の存在です。
・ケイルとモルガナの年齢
姉妹はゾーイよりも年若い存在です。
・ケイルとモルガナは他の神髄に会ったことがあるか
姉妹はデマーシアで人間の父親に育てられたので、ターゴンや他の神髄については、聞かせられている以上のこと(不確かなことも含まれます)はあまり知りません。しかしケイルはターゴンへ行ったので、もっと正確なことを学び、他の存在にも会っているでしょう。
・ケイルとモルガナの力の覚醒
ケイルとモルガナが母親の剣を手に取った時、生まれる前から秘められていた天界の魔法が目覚めて、2人は力と翼を得ました。2人のDNAにはずっと力が刻み込まれていたのですが、解放が必要だったのです。
・ケイルとモルガナが現在互いに抱いている感情
感情的ないざこざを丁寧に取り除いていけば、ケイルとモルガナは互いへの愛情をまだ抱き続けています。2人が再び顔を合わせれば(ぜひ会うべきだと思います!)、両方に必要なのは互いの過ちを認め合う謙虚さでしょう。おそらくは共通の敵に遭遇すれば、これが起こると思うのですが……
・子供の頃の姉妹
デマーシアができて間もない頃、子供だった姉妹はとても仲良く育ったと思います。高い木に登ったり、取っ組み合いのけんかをしたり、近所の森を探検してみたり……そんなふうにふつうの子供がすることもたくさんしたでしょう。
・最近のデマーシアについてのケイルの態度
近年のデマーシアについては、ケイルは思うことがたくさんあるでしょう。当初の理想はかなり歪んでしまい、行き過ぎた行動を取っていると感じるのではないでしょうか。最近のデマーシアの無法状態と、サイラスの脱獄が引き起こした混乱についても、問題視するでしょう。
・ケイルの好物
ケイルの好きな食べ物はケールです。ごめん、やらなきゃいけないって思ったから。
・ケイルの裁き
ケイルの処罰観というのは、罪に応じた公平なものです。なので、パン1斤を盗んだ人を罰しようとするのなら、その罪の大きさに適切な方法で罰するでしょう。「目には目を」タイプの裁きです。ケイルの感覚では、この種の処罰は救済であり、最終的には、必ずしも死をもって贖う必要はありません。
(以上11項目の回答者:Jellbug氏 - 原文)
・姉妹の母親のターゴン登頂行
母親は妊娠中にターゴンを登りましたが、妊娠していることはわかっていました。なので妊娠初期に登ったのです。
(回答者:Jellbug氏 - 原文)
・姉妹の存在定義
これはJellbug氏の方が回答すべき質問ではないかと思いますが、姉妹はルーンテラで言う「亜神」の定義を満たしていると思います。ケイルは次の正義の神髄として完全に公認された存在であり(なのでダイアナやレオナとも対等です)、一方でモルガナはもっと人間寄りです。ケイルは天界における理想の正義が具現化したものに近いのですが、モルガナは自分自身の、共感できるものとして理想を抱いています。
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
・2人の性格をD&Dの属性に当てはめると
大丈夫。私は大のD&Dオタクなのです。
スキンについてはよくわかりませんが、この2人については「秩序・善」と「混沌・善」の対比を使うべきだと個人的には確信しています。
秩序・全と混沌・善の魅力は正反対ですが、ケイルを悪として考えるのは想像をたくましくしすぎだと私は考えます。ダンジョンマスターとして、秩序・善のキャラクターは秩序の名と「もっと良いこと」のためにひどく混乱したことを行うことがあるのはわかっていますので、それをケイルの性格の形容として使うことができると思います。クールな質問でした!
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
チャンピオンのゲーム内性能、制作過程関連
・テストしてみたモルガナの新能力
モルガナの新固有スキルとして、低体力時に「怒り状態」になるというものをテストしてみました。
「体力が30%未満になるとモルガナは怒り、6秒間、敵チャンピオンに向かって移動する際に移動速度が60%増加し、100%のスペルヴァンプを得る。この効果時間中はモルガナから毎秒ごとに確定ダメージを与える波動が発射される。クールダウンは120秒」
この独特なスキルは敵に対して強烈な印象をもたらすことになりましたが、戦うべき時と逃げるべき時を判断すべき場所では、モルガナのプレイスタイルを大いに混乱させてしまいました。
結局は――モルガナに変更を行おうとする理由を私たちが一生懸命探していた時、私たちに必要なのはとても明確なアップグレードだったのです。モルガナはゲーム内最古にして最も長くプレイされ続けているひとりで、このキャラクターにできることはたくさん思い浮かんだのですが、プレイヤーの皆さんからの「今のままが好き」という意志表示を尊重するのがベターだと考えました。
(回答者:Riot Scruffy氏 - 原文)
モルガナがダメージを与えた敵や、モルガナの味方がCCを与えた敵に対して移動する際に移動速度が上がるという新固有スキルを作ってみました。
新固有スキルはとてもクールでした! とてもダイナミックで攻撃的なパターンができ、Wの存在感が大きく増しました。私は新固有スキルを実装する気満々で、プレイヤーラボでは実際にモルガナメインのプレイヤーたちにテストしてもらったのですが、プレイヤーたちは皆この新固有スキルを嫌いました。フィードバックを要約すると「モルガナは後ろに下がってQを放ち、味方にシールドをかけるもの。Rを使ってない時でも敵の中に飛び込めとは何事か。そんなことしたくない。それは僕らが求めるモルガナじゃない」ということでした。このため、新固有スキルはボツになりました。モルガナは既にとても人気のあるチャンピオンなので、壊れていない点を「直す」のは良いことではなかったのです。
他に試してみたのはこんなことです。
スネアした敵に対し、通常攻撃の射程を延長する固有スキル。ライフスティール効果も発生。
アルティメットに進化する自動効果(ケイルのように)を追加し、レベルアップするたびにRに新しい「段階」が発生する。敵へ向かって移動する際に移動速度が増加するとか(これは採用になりました)、大きく体力を回復するとか、確定ダメージを与えるとか。
低体力の敵にWが当たった時に「炎上させる」というバージョンもありました。するとクリティカルが発生するようになります。キルがとってもお上手でした。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
開発後期の私たちのフィードバックは要約するとこうです。序盤のケイルは弱く、CS面では不利になるでしょうが、安全なプレイに努めてQとEでのファームを心がければ、Lv11になった時にゲーム内でも随一の力を手にします。モルガナについては低体力の敵に対してWを使うとクリティカルするというバージョンをテストしました。敵の体力を削るのは不得意ですが、ソロレーンのモルガナはQ+Wのフルコンボのキルポテンシャルがとても高いです。これを最初にテストした際には、意図したダメージ量の4倍ものダメージが出ていました。
(回答者:Auberaun氏 - 原文)
モルガナのWのツールチップには魔法ダメージを毎秒与えるという記述があったのですが、実際には沼が与えるダメージは0.5秒ごとだったというバグが発覚しました。August氏が設定したダメージ数値は半分になっていなかったため、この場合に2倍になったダメージがさらにクリティカルしていたのです。
(回答者:Auberaun氏 - 原文)
モルガナの開発中には、アルティメットに「進化」の要素を加えるというバージョンもありました。
記憶を掘り返してみると、ランク2のアルティメットは与えたダメージの100%と同じモルガナの体力を回復させます。ランク3のアルティメットは、全てのダメージを確定ダメージに変換し、敵に向かって移動する際に大きな移動速度アップを獲得できました。
ブラッドミア2.0でしたね。
(回答者:Auberaun氏 - 原文)
・Lv11になるまではケイルが近距離攻撃チャンピオンであることについて
「プレイヤーは本当に近距離攻撃から遠距離攻撃になるチャンピオンをプレイしたがるかな?」という問題についてはかなりの量の議論がありました。結論としては、そういうプレイヤーは確かに存在するし、以前好まれなかったものであっても好むプレイヤーが存在するのであれば新しい経験を作っても良いだろうということになりました。
昔のケイルは基本的に遠距離攻撃のマークスマンスタイルが魅力となっており、弱くなっていますがレベル1~11でも楽しくプレイできるようにたくさんの作業を行いました。このため、QとEは近距離攻撃時であっても安全なファームができるようなスキルで、ギャンクやダメージ交換でメイクプレイするチャンスにもつながるようになっています。
(回答者:Riot Scruffy氏 - 原文)
・VGUの制作過程
ザヤ&ラカンとは違ってケイル&モルガナはコンセプトアーティストもデザイナーもナラティブライターも共通していたので、VGUの初期段階はとても単純なものでした。2体のチャンピオン、4つの形態、合計17種類のスキンにわたる作業になると制作過程では複雑さが増したので、ジャグリングの玉の軌跡が絡み合うような状態でした。ゲームプレイへの取っ掛かりについては、モルガナのゲームプレイは既にしっかりしたものがありましたので、特にありません。ケイルについてはAugust氏が中心になって、当時のケイルのプレイパターンをたどるように、試合進行にともなって進化するケイルのゲームプレイコンセプトを作り上げました。August氏がチームに送ってきたメールに、ガチャゲームで☆3からスタートするキャラクターが☆6になり、ゲームの最後には強力なキャラクターに育つというコンセプトが書いてあったのを覚えています。
(回答者:Reav3氏 - 原文)
・モルガナへの変更が小規模だった理由
モルガナはシンプルなチャンピオンですが、スキルセットはとてもしっかりしていて、長い時間が経っても色褪せません。私たちは変更したいがための変更は行いたくありません。モルガナは非常に人気のあるチャンピオンで、勝率も手堅く、ゲームでも健全で、プロの競技シーンでバンピック率100%になったこともありません。これらすべての基準において、モルガナはほぼ完璧なチャンピオンと言ってもいいので、穴のないものをいじる理屈はありませんでした。
(回答者:Reav3氏 - 原文)
・ミッドモルガナの実現性について
私はデザイナーではありませんが、Rに鎖でつながった敵へ向かう際の移動速度アップがついたのは、レーンでキルを確保したり、プッシュ後にロームしたり、確実なスノーボール(彼女のスケールを考えると非常に重要)を可能にしてくれるものです。
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
・モルガナへの要望と、VGU後のミッドモルガナ
私から見ると、モルガナプレイヤーたちが欲していた最終的な要望は、プレイパターンを大きく変えることなく何か新鮮なものを加えてほしいというものでした。
バランスの再調整は、明らかにソロレーンモルガナに有利だと私は思います。APビルドはWのキルポテンシャルを上げていますが、強力なウェーブクリアとCC無効化というモルガナの個性はそのままです。相変わらずサポートとして素晴らしいチャンピオンでもありますが、ミッドモルガナの面白さは上がりましたし、非常に強力だというデータが実装されたばかりながら得られています。
(回答者:Koyuncu氏 - 原文)
・新ケイルのパワーカーブについて
もともとの決まっていた方向性は、旧ケイルにあった近距離攻撃から遠距離攻撃になるパターンのように、強さを進化させるというものでした。このキャラクターは近距離攻撃であることもあり、遠距離攻撃であることもあり、この2種類をぎこちなく切り替えるというものでした。かつて旧ケイルがハイパーキャリーだったバージョンがありましたので、試合が進むと強力な遠距離攻撃を放つようになる近距離攻撃のキャラクターというのは「ケイルっぽい」コンセプトでクールな構想になるだろうと感じたのです。
最適状態として、ケイルは試合序盤はわざと弱く設定されていますが、成功へつながる道は確かにあります。比較対象は昔のヴェイン……レーンでは弱かったもののうまくRを使えばキルから成功をつかめたころのヴェインになると思います。
レーンでのケイルが全く役に立たないと言う人たちがたくさんいます。社内のプレイテスト結果を見ると、それが本当なのかはわかりません。リヴェン以外のトップレーナーに対して、ケイルが互角以上を維持できる状況というのはたくさんあります。その主張が本当なのかどうか、特に高MMR帯でデータの収集を続けています。
ケイルが成功できる道が本当にタワーハグだけであれば、序盤から有利を得られるように調整していきます(そして必要であればレイトゲームの強さを下げる)。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・モルガナのQのスネアの持続時間を短くして、他の部分を強化しようとは思わなかったのか
思いませんでした。とてもシンプルで強い結果につながるチャンピオンというのは良いと考えます。モルガナのQとEはこの例です。あらゆるチャンピオンが通常攻撃3回で強化される必要はないのです。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・ケイルの固有スキルのLv6とLv11を入れ替えて、先に遠距離攻撃になるようにしようとは思わなかったのか
それはないですね。近距離攻撃チャンピオンとしてのケイルの機能を(未完成なら)完成させて、それから必要であれば遠距離攻撃の機能を下方修正することになるでしょう。私を信じてほしいのですが、近距離攻撃チャンピオンではこれらのスキルが非常に強くなってしまう設定が存在するのです。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・ケイルのWをほとんど変更しなかった理由
ケイルのWをもっと複雑にしたバージョンも試してみたのですが、結局は以前と近いものに戻そうということになりました。通常攻撃メインのチャンピオンは、オーブウォーキングに必要な操作がすでに多いというのがわかったのです。なのでWはシンプルでわかりやすいまま、別の場所に注意を割けるほうがよいということになりました(くわえて回復能力は天使にピッタリですしね)。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・ケイルで試してみた新能力、旧ケイルから維持したかったもの、ポジション適性
ケイルが進化で得ていたもので最高にクールだったのは、Lv16に到達した際の「真の飛行」でした。どういうことかというと、非戦闘時であれば壁を越えて飛んでいけるという能力です。すごくクールだったんですが、一部によろしくない悪用を招くケースがありました。ウディアが戦おうと接近してくるところに、挑発のようにマップ上空を飛び回るといったケースです。
旧ケイルからは3つの要素を維持したいと考えました。近距離攻撃と遠距離攻撃の違い、レイトゲームでのキャリー能力、そしてサポートキャリー(WとR)です。取り除きたいと思ったのは、二極化したプレイパターン(もっと多様性を与える)と、戦闘中に遠距離攻撃から近距離攻撃に不定期に戻ってしまう扱いづらさです。
「フレンドとのノーマル」では想定ロール外でもケイルが使えるようになると思いますが、ジャングルやサポートでとてつもない強さを発揮することはないでしょう。現在の想定ロールはトップレーナーのようです。
シャークケイルは次のパッチで実装予定。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・新ケイル開発中にあった困難な問題、面白いエピソード
しばらくの間私たちが理解しようとしていた最大の問題のひとつは「このキャラクターにとって成功するために良いのはどういうタイミングなのか?」でした。
非常に高い成長率のパワーカーブを持つキャラクターというのは、ガングプランクと同様のレーンパターンで、序盤に黙らせなければレイトゲームで強力に育ちます。これと同じアイディアをケイルに適用するにあたり、毎試合序盤で黙らせられてしまい偶然育つことができた時だけチームを勝利に導けるケイルと、試合では節目のレベルに達するだけで対面を常に突き放して成長し序盤に食い止めるのが難しいケイル、この2つのケイルの間を私たちはかなり行ったり来たりしていました。ケイルがレーンでひとつでも有利を得れば非常に強力な成長を続けてしまうため、テスト中のチームからのフィードバックは「OP!」が多かったのです。この傾向はどうやら中~低MMR帯のどこかで、試合が長期化しやすいとケイルは成功しやすいために起こるものだという結論にたどり着きました。高MMR帯では序盤にケイルをとがめて黙らせる技量のある対面が多いのです。
もうひとつの挑戦は、ケイルを良いジャングラーにしないことでした。このキャラクターでジャングルができるのなら、レーンで弱いという弱点を隠し、敵との対決なくしてファームを貪った末に節目のレベルで強さを発揮できてしまうでしょう。ケイルの序盤の弱さは、リー・シンやシン・ジャオのようにケイルをキルして試合をコントールできる(ケイルはスカトルを奪い合うこともできませんので)キャラクターのためのものではないか、という疑惑もあったようです。ケイルのジャングラーとしてのパフォーマンスは他ロールよりもひどく悪いので、これについては証明できたと思います。
開発初期に起こった面白いこととしては、August氏がケイルの進化で得られる能力を引き上げようと苦心していた時のことです。Lv16であらゆる壁を飛び越えて飛翔できる(非戦闘時)バージョンをテストしていました。障害物にはマップの角も含まれていたので、スプリットプッシュした後に敵がどこかに行ってしまうまでマップの彼方まで飛び立つということをしていました。これは痛快でしたね。ケイルそのもの以外ですと、August氏といっしょに働くのは素晴らしい経験でした。彼は人の心がよく理解できる、才能にあふれたデザイナーです!
(回答者:Auberaun氏 - 原文)
チャンピオンのゲーム内外見・演出関連
・ケイルの鎧が軽装になった理由
ケイルは引き続き鎧をまとっていて、銀色のパーツはすべて鎧で、鎧だとわかるようにモデルとスプラッシュにいくつかの調整を施しました。VGUで軽装になった理由は、基本モデルのビジュアルデザインをゲームプレイに合わせるためです。ケイルはとても柔らかいチャンピオンで、外見からそれがわかるようにしたかったので、重装備感のない外見になりました。
(回答者:Reav3氏 - 原文)
・ケイルの新しいビジュアルエフェクトについて
基本スキンのVFXについての目標は、格が上がっていく天使と、剣の召喚者という描写をしっかり行うことでした。ケイルがスキルを使うたびに金色のきらめきと光が舞うのはこのためです。炎を加えたのは、実際にはケイルがただの魔法使いから歩みだしたという描写であり、Eの最終形態を私が大好きな理由でもあります!
人気アニメでたとえるならばギルガメッシュやセイバーのように、圧倒的なかっこよさを持つ天使キャラクターと同じような印象を抱いてもらえれば、私の仕事は成功でしょう。楽しい質問をありがとう!
(回答者:I-Zac氏 - 原文)
・モルガナのドレスについて
モルガナのドレスにスリットが入っているのには技術的な理由があって、スリットを作ることでゲーム中のドレスのアニメーションを作りやすくなるんです。スリットのない一様なドレスだと、私たちが使うエンジンでは、最低品質設定と良いアニメーションの両立ができません。尻尾はキャラクター設定が理由でした。モルガナは神髄になるのではなく、人間として生きることを望んでいるので、6枚の翼を縛り付けています。あの「尻尾」は実はモルガナの背中の一番低い位置にある翼が縛り付けられているものなんです(ケイルもLv6になると同じように一番下に一対の翼が生えます)。
(回答者:Reav3氏 - 原文)
・モルガナの翼の描写について
モルガナの翼は鎖で縛られて垂れ下がっており、ケイルの翼が自由に広げられているのとは対照的になっています。モルガナの翼がドレスの一部になるというアイディアは非常に魅力的でした(彼女の翼がドレスと完全に一体化していたらとてもかっこいいとも考えたのですが、うまくいきませんでした)。
最終的に、ゲーム内でモルガナだとわかりやすくするために、モルガナの翼は一部広げられることになりましたが、前述した目標を達成するため、一番低い位置にある翼はドレスの上に垂れ下がる描写を採用しました。
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
・ケイルとモルガナの新しい配色について
ケイルの鎧の新しい配色パレットは、キャラクター設定とビジュアルにいくつかつながりを作りたいという目標もあって作られました。ここでのビジュアル面の目標のひとつは、双子の姉妹の間につながりがあることを示したいということです。ケイルとモルガナは同じ配色パレットを共有する部分もありますが、正反対の印象を与えるものもあります。たとえば、紫色と金色の装飾は共通していますが、第一印象は光と闇です。もうひとつ達成する必要があったビジュアル面の目標は、デマーシアとターゴンの天界の間のつながりです。ケイルの鎧はデマーシアのものであることを示すアラバスター色のままにしつつ、姉妹ともにターゴンの天界への関連を示すパターンである、紫色に金色のアクセントを使っています。以前のものと配色パレットが大きく変わったことは私たちも承知しており、キャラクター設定との一貫性が、あまり合わない赤色を紫色に変えた理由です。ケイルの天使フォームでは、ほとんど金色のままではあるのですが。
(回答者:Lonewingy氏 - 原文)
・ケイルの新しい外見のコンセプト、アニメーション制作で難しかった点など
天使というテーマはケイルで驚くほどうまく行っています。どうやってコンセプト初期にテーマが固まったのか? ゲームプレイの流れが進化と成長でできていたので、格を高めていく天使のテーマにたどり着くことになりました。
ケイルのために用意した他のテーマや構想にはどんなものがあったか? 天使っぽいコンセプト、熾天使の炎、自然、中世と現代のミックスなどです。
ターゴンとデマーシアのファッションのバランスと、それを解決するアイディアについて。前述した要素を考慮しながらいくつかのビジュアル面の目標を設けたので、とても楽しいチャレンジだったと言えますね。
ケイルが進化していく時に鎧を増やすのではなく脱いでいく(特にLv11ではヘルメットを脱ぎますよね))決定に至った経緯? 超越していくコンセプトでしたので、ケイルは進化すると定命の者がまとう物質を失っていきます。
6枚の翼と2本の剣を使った3Dモデル、テクスチャー、アニメーションがどれくらい難しかったかって? 大きな挑戦でした。プロポーション、ヒットボックス、シルエットの3点についてわかりやすさを考慮しなければなりませんでした。
(回答者:Lonewingy氏 - 原文)
・姉妹の外見のテーマについて
ケイルについて最も重要だと私たちが受け取ったのは、魔法の剣を持ち光をまとう天使の戦士だということで、モルガナについてはダークでちょっぴりゴシックな外見でした。私たちが追加したい、はっきりさせたいと思った要素は――天使の双子姉妹にデマーシアとターゴンの天界の要素を加えることでした。公式のアート発表がいつになるかはよく知らないのですが、ぜひ楽しみにお待ちくださいね。
(回答者:Lonewingy氏 - 原文)
追記:公式のアートまとめが公開されました。
Riot Games League of Legends: Kayle & Morgana Art Blast
・ケイルのヘルメットについて
ヘルメットの任意脱着機能をつけるつもりはありません。欲しいという気持ちはわかりますが、ケイルは試合の進行に従って(外見もゲームプレイも)変化するというコンセプトで、変化を消してしまう選択肢を作れば、このコンセプトに反することになってしまいます。
(回答者:Riot August氏 - 原文)
・エーテルの機翼ケイルの演出について
スーツがケイルを徐々に乗っ取っていくというアイディアがありました。議論を重ねた結果、彼女のモデルやスプラッシュでこれをしっかり描くのはやめました。なので9.6でロボット風のボイスプロセシングは削除するつもりです。
(回答者:Reav3氏 - 原文)
その他
ケイルとモルガナのテーマ曲を作ったものです。
曲の導入部に込めた物語そのものはまず、2人の姉妹が同じミュージカルに出演するという「感じ」にしてあります。その後は、姉妹それぞれの人生と成長を追っていきます。ケイルと彼女がたどった正義の道、それからモルガナと彼女が通った共感と苦痛の旅路を表現しています。曲を聴いてくださってありがとうございます!
(回答者:Ed the Conqueror氏 - 原文)
・チャンピオンのローンチとルーンテラの物語の進行について
チャンピオンのローンチは現在、ルーンテラの物語を前進させ、世界に命を吹き込み進化させるために絶好の機会となっています。こういったタイプの発表と、独立した設定の発表の間のバランスを、もっと取っていくべきかどうかはわかりません。前者が増えるのは(全てにならなければ)おそらく良いことなのでしょう。皆さんが考えていることをお聞かせ願えればうれしいです!
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
・ケイルとモルガナのVGUについてのアンケート結果
私はゲームデザインの視点についてお話しすることはできませんが、プレイヤーの視点から来ている理由もあります。プレイヤーアンケートでは、ケイルは「アップデートが必要なチャンピオン」として非常に多くの要望がありましたが、モルガナはそうではありませんでした(モルガナについての要望のほとんどは、ビジュアルを改善してほしいというものでした)。
(回答者:EdwinMols氏 - 原文)
参考リンク
Spideraxe30氏によるケイル&モルガナAMAまとめ