新規リリースされるスキンやスキンテーマ、既存スキンテーマの新スキンなどについて、パーソナライゼーション部門のプロダクトリードであるBellissimoh氏のコメントの訳です。他、最近のスキン開発事情などについても氏のコメントを訳しています。
原文
BellissimohがI wish Riot would explore more skin lines rather than recycle the same themes every yearについて記入したコメント
やあみんな。私の名前はBellissimohといって、LoLのパーソナライゼーションのプロダクトリードです。このスレッドで素晴らしい議論が多く行われていますので、スキンテーマについて幅広くお話ししたいと思います。
テーマの配分:プレイヤーの皆さんが好むことがわかっている既存のテーマと、私たちが皆さんに楽しんでもらえたらいいなと思うリスクのあるテーマ、毎年この両方を混合してお届けするよう努めています。
テーマの選択:最近はこのプロセスでたくさんの作業を行います。プレイヤーにアンケートを行い、最も求められているテーマの把握に努めます。購入、ゲームでの使用といった面で、プレイヤーの視点から前回のリリースがどのくらい上手く行ったか、スキン所有者へのアンケートでプレイヤーから見たクオリティも調査します。このスレッドのどこかで既に誰かが言及していましたが、あるスキンシリーズがプレイヤーに受けなかった場合、そのシリーズのスキンを増やせるチャンスは減ってしまいます。私たちが作りたいのは皆さんに愛されるものです。でなければ、ごく一部のプレイヤーのみが好むテーマに時間を使い続けるのではなく、皆さんが好きになってくれるかもしれない新テーマを追求していきたいと思っています。
地域ごとの好み:地域が違えば好みも違います。プレイヤーから見た出来栄えとクオリティが、地域によってものすごく違うスキンというものが時々あるのです。顕著な例が「オラフアニキ」です。北米ではかなり好まれるスキンなのですが、他の国ではあまり好まれない、もしくは楽しい世界観と思われていないようなのです。この好みの違いが、プレイヤーの大多数に愛されるテーマというものを難しくしています。このサブレディットでも、同じ文化・メディア・流行などなどを共有する人であっても好みが大きく違う人がいるの、わかりますよね。「デマーシアバイス」はこれをよく示す例です。全員が80年代カルチャーを好きでなくとも、このスキンを心から愛してくれる人がいてくれればいいなと思います。
テーマの開発:時には新鮮な驚きと喜びで皆さんを満たすという目標をもって、新しいテーマを作り上げる努力も継続しています。「紙細工」を例にすると、このシリーズはゲーム内で大胆な技術を用いて何か作りたいというアイディアから出発しました。「バトルアカデミア」は、さまざまなプレイヤーアンケートにて、アニメに大きな興味を持つ層とLoLプレイヤーが大きく重なることがわかったためでした。テーマ開発過程は一部のチャンピオンを対象にするのではありませんし、1日で終わるものでもありません。新テーマをお届けするためには、各スキンテーマ世界を練り上げる専門家チームがおり、新しい世界でチャンピオンを掘り下げていくというのが大事なのです。チャンピオンのスキンバイオ、レジェンダリースキンの場合にはボイス、CGやゲームプレイトレイラーといったものに彼らの仕事が反映されます。
つまりですね。私たちは挑戦し続けています。既存のスキンテーマの新スキンを毎年期待してくださってもかまいませんが、皆さんを楽しませるための新しい世界とテーマの開発に心血を注ぎ続けていることも、知っていただければ幸いです。
チャンピオンとスキンテーマの合一性
BellissimohがI wish Riot would explore more skin lines rather than recycle the same themes every yearについて記入したコメント
これまでは、コンセプトを広げてから、最も合うと考えた数体のチャンピオンを選ぶというやり方で作っていました。
この方法はうまく行くこともありましたし、うまく行かないこともありました。うまく行かなかった例が「ダンクマスター アイバーン」で、テーマを選ぶ前にアイバーンメインが欲するものを理解していれば、もっとうまくやれたのではないかと思っています。
現在は、もっと多くのことを行っています。たとえば、あるチャンピオンをメインにするプレイヤーにアンケートを行い、どんなテーマに興味があるかをできるだけ把握するよう努めています。
今後のリリースを改善するために、どんなチャンピオンであってもプレイヤーが欲するものを理解し、特にそのチャンピオンをメインにするプレイヤーの望むものを実現するために努力を尽くしていきます。
とは言いますが、みんな好きなものはみんな違っていますので、常に全員を喜ばせることはできないでしょう。私たちが全力を尽くしているということを知っていただければうれしいです。
人気のあるチャンピオンのスキン
BellissimohがVel'koz Skin is what I want.について記入したコメント
人気チャンピオンにスキンを作っているというのは本当です。これらのスキンはほとんどのプレイヤーに届くもので、私たちの目標は「できるだけ多くのプレイヤーのためになることをする」ことです。
プレイ人口が小さいチャンピオンはスキンを作ってもらえない、というのは本当ではありません。アニビア・ヌヌ・アイバーン・シャコ・ウディア・シェン・ガリオ・ベイガー・ノクターンに2019年はスキンを作りましたし、今後もそういったチャンピオンのスキンがリリース予定です。
注釈をつけておきますと、可能な限り多くのチャンピオンとプレイヤーに届けるべく、年ごとにスキン開発の量を多くしようとしています。現在のLoLには140体以上のチャンピオンがいますので、たったひとつのスキンで大きなプレイヤーグループを満足させるのはどんどん難しくなっています。ですが、大きくなっていくプレイヤーの需要を満たすべく、できることを行っている最中です。
プロプレイとスキン
BellissimohがDoes Riot encourage pro players to use the latest skins for promotion?について記入したコメント
パーソナライゼーションチームのプロダクトリードとして、私たちはいかなる地域リーグにおいてもプロ選手たちがスキンを使用することについて影響を与えていないと明言します。
クリエイティブチームの責務とは、プロたちが使いたくなる素敵なスキンを作ることです。これは、私たちが前進すること、もっと良いスキンを作ること、これらを推し進めるための機能として働いています。
スキンは競技プレイ上でのわかりやすさを審査され、プロプレイに向いていないものも出てきます。基本的にはプロたちからのフィードバックにもとづきますが、他のケースでは初めてプロ試合を見た新規プレイヤーが混乱するからというものもあります。(プロシーンで使用禁止に指定されている)リストは残念ながら私の手元にはありません。
人気のないチャンピオンにスキンを作る決断の背景
BellissimohがWhy aren't there more shocking skin ideas?について記入したコメント
仕事ですので、収益がなければ立ち行かないというのは真実です。私たちが払う労力が全て収益優先というのは誤りです。
「ダークスター シャコ」を例にしましょう。シャコはLoLの中で使用人口が少ないチャンピオンのひとりです。ですので、もしシャコのスキンを作るのであれば、その新スキンに興味を持つであろうプレイヤー数は、流行りの主題で最近リリースしたラックスやエズリアルのようなチャンピオンに比べると、明らかに少なくなるはずです。
とは言いますが、もし私たちが収益のみに価値をおく企業でその最大化を狙うのであれば、アイバーン・シャコ・ウディア・ガリオといったチャンピオンのスキンはリリースされないでしょう。
このようなチャンピオンたちのスキン需要は満たされるべきだと私たちは信じ続けています。ですので、ダークスター シャコのようなものを作ると決めた時、最大の目標は収益でなく、シャコのファンたちが本当に気に入ってくれるものを作ることとなります。
これについては成功することもありますし、成功しないこともあります。
私は15年にわたりいくつかのゲーム開発企業で働いてきましたが、こういう決断を進んで行い、心からプレイヤーを気に掛ける企業というのは、Riotが初めてです。
成功するスキンとしないスキン
BellissimohがWhy aren't there more shocking skin ideas?について記入したコメント
どんなチャンピオンであっても、そのチャンピオンのスキンにエンゲージするであろうプレイヤー数予測というものがあります。
人気チャンピオンはたくさんの人が見かけるでしょうし、人気の少ないチャンピオンは見る人も少なくなります。
特定チャンピオンのスキンのエンゲージが良くなかった場合も、そのチャンピオンのスキン開発をやめてしまう決断材料としては捉えません。そのチャンピオンを見た人がそのスキンを好まなかった理由と、次に改善できる箇所を見出せる機会として考えます。
クインを例にすると、クインをプレイし、クインのスキンを欲しがるプレイヤーが多ければ、スキンを作る理由としては十分です。
ですのでクインのスキンのエンゲージが良くなければ、社内で決断やテーマ選択、アートの出来栄えといったものをまず評価します。
スキンのエンゲージが良くなければ、その責任は私たちにあります。私たちはクインプレイヤーの求めるものを作れなかったわけで、次回はクインプレイヤーが欲するものを理解しなくてはなりません。
また、プレイ人口が小さいチャンピオンのスキンリリースは、サイクルや間隔が長いことも気にしています。これについても何かしたいと考えていますので、今年中にお話しできれば。