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2015年2月22日日曜日

ワイルドカードを見据える: 日本のプライド


LoLeSportsに掲載された、日本リーグについての記事"WATCHING THE WILDCARDS: THE PRIDE OF JAPAN"の訳になります。


WATCHING THE WILDCARDS: THE PRIDE OF JAPAN | LoL Esports

ワイルドカードトーナメント枠への新規参入に伴い、League of Legends Japan League (LJL)は、世界の強豪たちと渡り合う前に証明しなければならないことがたくさんある。日本のプロゲーマーは、既に北米のChallengerラダー上で存在感を示している。LJLは、200近いpingの中、NA LCSのプロと同じサーバで練習していることで有名なのだ。ここに、二人の日本人プレイヤーがいる。彼らを知らないのであれば、初めに知っておくべき二人である。

YUTA "YUTAPON" SUGIURA - DETONATION FOCUSME


対人ゲームが大部分を占めているeSports市場では、日本の最強プレイヤーがプレイ技術に秀でていることは小さな驚きである。DetonatioN FocusMeの連勝は、Yutapon (YutapronやYutapongo、Yutaproid等、呼ばれ方は様々)選手から多大な恩恵を受けている。彼は、Counter-Strikeでの素質をLeague of Legendsへと移し、すぐさま日本最強のADキャリーとなった。

Yutapon選手は、優れたFPSの経歴を持っており、同じようにLoLに才能を見出したADキャリーの選手達に深い尊敬の念を抱いている。そこにはライバルのShotaro “Zerost” Ikeda選手も含まれている。「RabbitFiveのADキャリー、Zerost選手はFPSの経験から受ける強いゲームセンスを持っています。なので、彼には絶対に負けたくありません。」

Zerost選手だけでなく、Yutapon選手は誰にも負けたくない。最近のワイルドカードに関する記事で、異なる2つのMidレーナータイプについて触れた。ADキャリーにも2つのタイプがある。安全かつ確実な集団戦保守タイプ(Edward GamingのKim "Deft" Hyuk-kyu選手、ElementsのMartin "Rekkles" Larsson選手のようなタイプ)、魅せるプレイを好み、前に出ていく率先タイプ(OMGのJian "Uzi" Zi-hao選手、Counter Logic GamingのYiliang "Doublelift" Peng選手のようなタイプ)。

Yutapon選手は明らかに後者のタイプに該当する。日本の第一線にいる彼は、攻撃的なADキャリースタイルを持つ優れた率先者になることに目を向けている。「北米プレイヤーなら、Doublelift選手。韓国なら、Piglet選手かImp選手。彼らを目標にしています。」


私達の知っている優れたADキャリーがこの世界の基準になっているという固定概念をYutapon選手は証明している。日本の最強チームの中心的存在として、彼は勝ち続けてきた。しかし、勝つだけでは駄目なようだ。「つまらないやり方で勝つのは好きではありません。なので、いつも見ていて面白いプレイをしようと思っています。」 Yutapon選手が面白いプレイをしたいという想いは、"つまらない"を恐れているADキャリーとして、低火力のMarksmanチャンピオンにならないようにEzrealでManamuneではなくBrutalizerを選択したことからも見て取れる。

ファンは、発足して間もない地域のADキャリーが本当に優れているのか疑うかもしれない。しかし、Yutapon選手は「井の中の蛙」になるのではないかという懸念を払拭したがっている。「もちろん、LJLで勝ち抜きたいです。でもそこから、世界を見たいのです。World Championshipに繋ぎたい。そして、そこで最低でも1ゲームか2ゲーム…できる限り勝ちたいです。」

それは、確実に長い道のりとなるだろう。しかし、Yutapon選手にとって、日本をLeague of Legendsの世界に知らしめる方法は単純だ。「試合は勝つか負けるか。でしょう?負けは0%で、勝ちは100%だと思います。だから、何を始めるにもまず勝つ必要があります。」

KAZUHIRO "CLOCKDAY" SUZUKI - 7TH HEAVEN


世界でClockday選手のようなプレイヤーを見たことがない。

Lee "Faker" Sang-hyeokのような風変わりなMidレーナーではないし、Hai "Hai" Lamのようなすこし外れた普通のMidレーナーでもない。それよりはむしろ、Clockday選手はLeague of Legendsをプレイすることで見ている人を(自分も)笑わせる生粋のエンターテイナーである。他のプレイヤーが努力することを明言し、勝つことへの想いを語っているのに対し、Clockday選手はLJL前のインタビューでただ笑ってこう言った。「よろしく!」

Clockday選手はLJLではLoL配信者として有名で、最近、16,000人を超えた視聴者を前に、Rift(ゲーム内)でもそれ以外でも最高に面白い試合を見せると宣言した。その目的のため、ChallengerチームであったTIME OF CLOCK(現7th heaven)でのポジションであったADキャリーを退き、人気プレイヤーのKento "Mueki" Ojima選手をチームに迎え入れた。「Mueki選手は日本で最高のADキャリーです。多くの人がFocusMeのYutapon選手が一番だと言ったとしても。正確には私達のチームは彼が基点になっていると思います。自分もキャリーしますけどね! 」

Clockday選手のひょうきんな言動に、配信を支援するファンは彼の優れたプレイを見落としがちになるが、Midレーナーになったからと言って適当なプレイをすることはない。奇抜なプレイで、一見すると気ままな姿勢であるにもかかわらず、7th heavenは団結し、すでに首位チームDetonatioN FocusMeから一勝を奪い取っている。

この勝利をきっかけに、Clockday選手は目標を調整し、チーム内でのロールとは対照的に、もう少し彼個人の能力と向き合うこととなった。「Midレーナーになって初めに越えなければならない壁は[RabbitFiveのMidレーナー]Estel選手でした…彼の相手をすると知った時、Midレーンは難しくなるだろうと思いました。なぜなら、頑張ればうまくなれることを彼から学んだからです。彼はライバルだと思っています。勝たなければならない相手です。」


このようにMidレーンへの移行は難しい状況だが、Clockday選手は相変わらず前向きで、ひたすらユニークなプレイスタイルを作り上げている。「徹底的に勝つ。そのつもりでプレイしたい。でも、チーム全体のことを考えた時、集団戦ではチームを完全に信用しています。…例え自分が10や20 CS負けてても、集団戦で巻き返せると思っています。そうすれば、勝ち目があります。」

Clockday選手を日本の注目プレイヤーとして記事にするのを変に思うかもしれない。とりわけ卓越したMidレーナーではないのだから。Kyohei "Ceros" Yoshida選手のような残忍さも持っていなければ、Sho "Estel" Takahashi選手のような優れた素質も持ち合わせていない。しかし、彼は人を惹き付ける魅力を持っている。そして、プロフェッショナルなプレイから見受けられるように、最高にユニークな姿勢でLeague of Legendsに取り組んでいるプレイヤーの一人であろう。

配信場所 (全員、Clockday選手を含む)

LJLの放送は毎週土曜日18:00 PM JST (1:00 AM PDT)から。公式ウェブサイトはこちら。日本語配信はTwitch、英語配信はAzubu

原文: Alex Manisier (@TLmanisier)