4月23日にredditに投稿された「なぜサイラスのウルトはあんなに一貫性がないの?」をというスレッドにて、QAエンジニアのRiotNorak氏がコメントしました。
(QA:品質保証。この場合は動作の安定やバグ修正の意味)
元スレッド
Why is Sylas’ R so inconsistent.(リンク)
注意:この記事で語られているサイラスが奪った各ウルトの挙動が、実際に書かれた通りになっているか確証はありません。また最新パッチでは異なる挙動をする可能性があります。
Dev Doodles: サイラス
(5年前に公開されたサイラス実装時の開発舞台裏の解説動画)
質疑応答
Q. なんでサイラスRはあんなに一貫性がないの?
サイラスがケネンRを盗んだ時は固有スキルが有効になって3ヒットでスタンするのに、ヴェル=コズRを盗んだ時は固有スキルが無効で3スタックの確定ダメージが発生しない。同様にブランドのRも固有スキルの炎上・3ヒットでの爆発ダメージが無効になっている。
それと他のスキルを強化する自動効果も一貫性がありません。リヴェンRを盗むとサイラスのQとWの射程が伸びます。しかしイラオイやナサスのRを盗んでもサイラスのQやWのクールダウンは短縮されません。さらにはヴェインRの場合はQ使用時にサイラスがステルス化します。
もっと一貫性を持たせることはできないのか?
QAエンジニア、RiotNorak氏
A. それは私が使命として取り組んでいることですね! 私はサイラスのウルトの一貫性のなさが以前から大嫌いでした。
次のパッチでアーリのウルトとサイラスの相互作用を修正予定です(サイラスがキルアシスト獲得時に再使用可能になります)。
そしてこのウルトの全てについてゆっくりと解決していくつもりです。ほとんどの場合においてこの問題はデザイン決定によるものではなく、サイラスのことを念頭に置いてデザインされたウルトではないことによるものです。
(訳注:5月1日のパッチ14.9にてアーリのウルトは修正済み)
私自身はデザイナーではないので、変更を実装する前に承認を得る必要があります。サイラスの全ウルトとの相互作用を修正することができればより良いチャンピオンになるはずです、なので実装するチームには代償にサイラスの弱体化をする必要がでるかもしれません、ですがこれは大きな成功につながると私は考えています!
サイラスのウルトはサイラスの中で最もクールな要素であり、ウルトを信頼できるようにするために少しの弱体化を施すのであれば健全でさらなる安定感と楽しさが得られるはずです。(原文)
Q. ではどのように変更するつもりですか?
ケネンのRでスタンさせなくなるのか、それともヴェル=コズのRが確定ダメージを与えるようになるのか?
RiotNorak氏 ヴェル=コズのウルトについてくる固有スキルはとても弱いものなので、サイラスのウルトでヴェル=コズの固有スキルも適用するでしょう。サイラスはウルト以外でこの固有スキルを付与する手段がない(ヴェル=コズはQWEで準備ができます)ことを考慮しなくてはならず、そのため固有スキルがフルスタックになってウルトが確定ダメージを与え始めるまでに時間がかかります。同時に固有スキルの誘発によるダメージは0であるべきでしょう、サイラスがウルトを盗んでも固有スキルは持ってはいないので、固有スキルの効果はウルトに関わるものだけにします。
ダリウスのウルトについても同様で、サイラスがダリウスからウルトを盗んだ場合、ウルトのダメージを増やす目的のための0ダメージの固有スキルのスタックを付与する何らかの方法が必要でしょう。(原文)
Q. そのダリウスのRを盗んだ状態ではスキルとAAで0ダメージの出血スタックを付与できるというアイデアを採用をした場合、ダリウス本人よりも高速でフルスタック付与できてしまうのではないでしょうか?
RiotNorak氏 それが私が「何らかの方法」と言った理由です。どのような方法になるかはまだわかりません。
おそらくはサイラスが高速で出血スタックを溜めたとしても問題にはなりません、なぜならサイラスのRにはその効率の悪さで有名なAD→AP反映率の変換がありますので。
もしかするとそうではない可能性もあります。そうでなかったなら、どのようにスタックさせるか?スキルでのみ?固有スキルとQの爆発ダメージがダリウスQの外側に「相当」するか?疑問は多数ありますが、答えられることは(まだ)ほとんどありません。(原文)
Q. ダリウスの固有スキルのスタックを付与させるのは大変な事態につながると思います。ダリウスの強さはフルスタックで急に増加する攻撃力ステータスによるものだからです。
RiotNorak氏 サイラスは攻撃力を獲得しないでしょう、それは出血ダメージと同じく固有スキルによる機能です。私が固有スキルの中で使う唯一の要素はアルティメットにかかる部分であり、この場合は出血スタックがダリウスのウルトのダメージを増加させる点です。(原文)
Q. 『ウルトがサイラスを考慮して作られていない』
サイラス実装時のRioterの話では今後実装されるウルトがいちいちサイラスのことを考えなくてもいいようにスクリプトの整備がされたはずです。あなたの話ではこれをまた逆行させようとしているかのように感じるのですが?
RiotNorak氏 これらの変更を作る前にサイラスのデザイナーと直接話をしました。サイラスのウルトとの相互作用の多くは、必ずしもデザイン決定に基づいて実装されたものではありませんでした。そのようなスキルはサイラスが実装される前にデザインされたもので、件のデザイナーがそれをした時にはサイラスでちゃんと機能させるためにベースラインのリスクリプトが必要であり、固有スキルとの相互作用は外されていました。
どんなチャンピオンの固有スキルであってもサイラスのウルトで機能するようにするには、スキルを使うチャンピオンが誰であったとしてもさらに完全なリスクリプトが必要となるか、あるいはサイラスのための特別な扱いが必要となってきます。これは膨大な作業を要することは明白で、しかもRioterたちは各チームごとの仕事にあたっているため、サイラスのウルトの修正のために数週間数ヶ月を費やすことを優先しにくいのです。私はこれらの不具合を自分の空いた時間に楽しみつつ修正しています。(原文)
Q. ヴェル=コズのRは詠唱が終わる頃にようやく3スタックを与えるので、確定ダメージ化は大した数値にはなりませんね。
RiotNorak氏 その通りですね、私は分解スタックはダメージ判定ごとに(つまり0.2秒ごとですね)与えられると思ってましたが、全体2.6秒のうちの0.7秒ごとに与えることを前提にコーディングされているようでした。なのでウルトでは固有スキルのダメージを誘発させるか、もしくは一貫性を保つために、ヴェル=コズのウルトを保持している間はサイラスの通常スキルに0ダメージのヴェル=コズ固有スキルを付与することを許可してウルトを確定ダメージ化させるかしようと思っています。(原文)
Q. そのような変更はサイラスのバランスに大きな課題として降りかかるのではないでしょうか?サイラスのAAとスキルの回転は他のどのチャンピオンより高速です。
また、サイラスにとって価値の低いウルトというのはカウンターピックとしての価値に繋がります。全てを有用なウルトにすべきではありません。
RiotNorak氏 ダリウスの場合ですが、「何らかの方法で」と言ったのは全AAとスキルでスタック可能だと早すぎて、おそらくOPになるからです。あるいはそうでもないかもしれません、サイラスのAD→AP反映率の変換率は極めて悪く、しかもダリウスの固有スキルが5スタックになっても増加攻撃力を獲得もしませんから。どっちにしても、そのコメントの続きで言及しましたがサイラスのQ2がダリウスQの外側のように出血スタックを与えるかもしれななというような、やり方を考える必要があるでしょう。
『大きな課題に』
個人的な意見ですが、私はバランスを取ることは容易だろうと考えます。極端なシチュエーションに依るバランスを取る必要はなく(盗むのに最高のウルト vs 盗むのが嫌すぎるウルト、どちらであってもサイラスはプレイ可能である必要があります)、サイラスにとって好相性のウルトが常にあるようになってもバランスを取ることが可能であれば、サイラスの基本のスキルキットはいまほど強くなる必要はなくなります。
『サイラスにとって価値の低いウルトというのはカウンターピックとしての価値』
「お前の象徴的なスキルはこのゲームでは無価値だ」とサイラスに思い知らせる、というのは正常なカウンタープレイなのでしょうか?
もちろんサイラスに対するドラフトでオーンやフィドルスティックスやマルファイトやアッシュやアリスターなんかをピックしないということはあるでしょうが、サイラスの1日を最悪なものにするためだけに相互作用最悪なチャンピオンをピックするというのであれば、それは良い状態ではないと私は思います。
私はむしろサイラスのスキルキットと相性が良い「かつ」可能であればサイラスに与えるには良すぎるウルトを持たない、という条件を中心にバランスが取れたドラフトがされることを望んでいます。(原文)
Q. 0ダメージの固有スキルスタックを付与することは混乱を招くのではないですか?
RiotNorak氏 サイラスが付与した時にそれ自体が危険なものではないことを示すためにグレースケールにするという案を考えています。ですがこれは現時点では全てただの夢想ですので、まだ取り掛かってはいません。(原文)
Q. ではヴェインのRを盗んだ時はQでインビジブルになりますか?ナサスやイラオイのRでQやWのクールダウンが短くなりますか?
これを実際に採用した場合、サイラスが大暴れする未来が予想できます。このためにウルトそのものを弱体化する必要すら出るかもしれません。
RiotNorak氏 サイラスは今もヴェインRで自身のQを使うとインビジブルになりますよ!
ナサスとの相互作用は私は問題ないだろうと思っています、Qは十分なキャスト時間+ディレイ+スキルショットのためそれほど悪くはならないと感じます。
イラオイの方は問題になるかもしれませんが、即座に否定はしません。イラオイのクールダウンを見れば、彼女のWはベースが4秒でウルトにより50%短縮されます。サイラスに対しても同じ割合の補正をするかを検討するかもしれません ― 仮にサイラスのWが最大になっている時、ベースが6秒でこれが半分の3秒になります(スキルヘイストは考慮していません)。(原文)
Q. ナサスRはQのクールダウン半減がなかったとしてもサイラスの最高の選択肢のひとつになります。特に殴り合いが長く続く戦闘では耐久力と射程とAP反映率のある割合ダメージを持つのですから。
どうか気をつけてください、特にナサスがよくピックされる低層において、サイラスが支配的になる危険があります。
RiotNorak氏 そうなればデザイナーが出てくることになるでしょう。私は一貫性を愛していますが、デザイナーらがバランスを保てないと言えばそれは実装されません。優先度を気にしなくともいいように作業していますが、これの決定権を持ってるのはデザイナーです。(原文)
Q. サイラス実装時の開発ブログを思い出します。新しいチャンピオンが実装されるたびにサイラスのスクリプトの調整が必要な自体を避けるために、ゲーム全体のスクリプトの整備をしたという話でした。これは現在も継続できていますか?
RiotNorak氏 新しいチャンピオン開発は基本的に「ヴィエゴとサイラスでテストしたか」というチェックボックスがあるのは確かです。この2名はバグ発生の第一人者ですからね。(原文)
Q. リワーク前のモルデカイザーにも同様の問題があったのでしょうか?
RiotNorak氏 わかりません! 私はここで働き出してまだ2,3ヶ月ですからね。(原文)
Q. それなら、マナコストがリセットされる時間が経過するまでコグ=マウやカサディンのRをサイラスも連発できるようにするのはどうでしょうか?
現状では1回使用しただけで終了していますが、このウルトの価値は連発できる点にあるはずです。
RiotNorak氏 コグ=マウとカサディンについて同じことを考えていました!(原文)
Q. コグ=マウとカサディンのウルトで改善がされたとして、サイラスにとって盗むべきでないウルトというのはどのようなものになるのでしょうか。適切なウルトを選ぶこと、それを盗むための位置取りをすることはサイラスのスキル表現のひとつだと思います。どんなウルトを取ってもいいならスキル差がでなくなります。
RiotNorak氏 何を言っているのかいまいちわかりません。
サイラスが使えないウルトを持つチャンピオンをピックすることがスキル表現だと言うのですか?(原文)
続き
Q. そのコメント書いた人はおそらくスキル表現という言葉を従来の意味で使ってないですね。プロシーンで注目されるようなバンピックの時の話でしょう。
例えば現在ではサイラスをバンするまでアリスターやマオカイのピックを我慢したい場面があります。あるいはサイラスが使いづらいウルトのチャンピオンをピックすることでサイラスピックを牽制できます。
とはいえ、RiotNorakが話す内容はつまりサイラスの取れる選択肢を広げるというだけで、これは悪いことではないと思います。サイラスはいつだってより強いウルトを選ぶだけなのですから。
RiotNorak氏 考えるべきなのは、ヴェインRがサイラスでもしっかりと機能し、サイラスのQでインビジブルになるという相互作用が失われないということです! そしてその上でもヴェインRはサイラスにとって悪いウルトだということです。期待した通りにウルトが機能するということは必ずしもサイラスでOPになることに繋がりません、一貫性を持たせるというだけです。
サイラスは確かにエンゲージのためにはヴェル=コズよりもマオカイのウルトを選んで盗みますが、もし低体力で逃げる敵がいる時にマオカイとヴェル=コズのウルトのどちらかを選べるとしたらどちらを選びますか? それにレイトゲームのサイラスはウルトを盗むクールダウンがとても短くなります、15-20秒くらいです。そしたら1回の集団戦で複数のウルトが使えます。実際に役に立つウルトは多ければ多いほどいいんです!(原文)
Q. 私はサイラスを使って長いのだけど、奪ったRとの相互作用のほとんどは直感的には変に感じるものの実際には矛盾の少ない仕様になっていると思います。例えばアーリRは使用回数を増やすために固有スキルの誘発が必要なため、キル獲得時に回数が増えないことが直感に反していても矛盾はありません。
矛盾がありそうなものは主に、他スキルの強化(ヴェイン、イラオイ、リヴェン等)、バグ(オラフRで攻撃力を得られない、マスター・イーRのキル獲得時の通常スキルのクールダウン短縮がスキル保持中は機能するのに発動してから持続中は機能しない)、使用するために意図的に調整されているもの(カイ=サ、タム・ケンチ)があります。
質問なのですが、相互作用がよくないものだけを調整するつもりですか?それとも直感的でないウルトも変更するつもりですか?
RiotNorak氏 私はサイラスのウルトを一貫性のあるものにしようとしています。もしあるウルトが固有スキルとの作用を持つものならば、私はそのふたつを繋げようとしているのです。
オラフとマスター・イーのウルトは率直にバグだと私は感じますね(そのスキルのバフと結びついているべきです)。
アーリのウルトはすぐに意図どおりに変更されるスキルの列に入るはずです。オーブを回収する固有スキルが、回復は0の、ウルトのリセットのためだけにサイラスに与えられることでしょう。(原文)
Q. 私は逆に、サイラスが盗むのはRのみにして、ケネンの固有スキルのような付属物は削り取った方がいいと思います。
RiotNorak氏 そうした場合の欠点は……このゲームのほとんどのウルトがそのチャンピオンのスキルキットを中心にデザインされています。そしてさらにその多くが魔力の反映率なしでデザインされています。つまりサイラスのウルトを盗むシステムはそのままでは極めて劣悪なものと成り果て、しかもそれがサイラスを特徴付けるものだったとしたら悲しみは倍に膨らむことでしょう。
同時に、固有スキルを使わない/作用させないようにウルトのシステムを弱体化することは、サイラスを平均に押し上げるために基本スキルを強化する根拠となってしまうでしょう。個人的にですが私はそのようにするとサイラスはさらに健全な状態から離れていくと思います。(原文)
Q. ウルトに影響する他のスキルも部分的に盗む仕様になった理由はサイラスが全てのウルトを平等に使えるようにするためですか? それとも一部のウルトがサイラスにとって価値が高いものになることは許容されているのでしょうか?
たとえ同じAP反映率があるとしても、バーストダメージとジャンナRのようなエンチャンタースキルとは別物であるはずです。しかし例えばケイトリンやジンのウルトであったとしても「AD反映率にAPが変換されて適用されるからサイラスでも使える」と判断されて盗むウルトの優先順位に影響が生じると思われます。
RiotNorak氏 個人的な考えですが、一部のウルトがサイラスにとって良くないものだったとしても問題はないと考えます。ですがそこにあるはずの相互作用が発生しないことで相性が悪くなっているのだとしたら、それは良くないことだと思います。
ヴェインのウルトは良い例ですね、ヴェインのウルトそのままに機能し、それでもなおサイラスには……合わない。これを良くするために追加できる物なんてありません、ヴェインのウルトはサイラスに合わない、そしてそれはそれで問題ないのです。少なくともヴェインのウルトはそうあるべき機能そのものなので、サイラスが盗んだ時にどうなるかを想像した出力がそのまま実現します。おそらくこのウルトが求められるのはインビジブルになりたいか敵を追いかけたい時なので、これで問題はありません。(原文)
Q. 『多くが魔力の反映率なしでデザインされています』
ADウルトの反映率を魔力を変換するのはどうでしょうか?
RiotNorak氏 サイラスはすでにそのウルトが魔力反映率を持っていないなら、攻撃力反映率を魔力反映率に変換していますよ(これはサイラスが魔力ビルドしてる時だけですが)。この変換率は現在はとても貧弱なものですけど。(原文)
続き
Q. 今日は新しい知識がたくさん学べますね! そのAD→AP変換比率を強化するかどうかの話は、こういうシステム的なスレッドでする話ではないですかね?
RiotNorak氏 そうですね、この件を取り上げて数値の提案をすることはできますが、結局は最終的な判断を下すのはデザイナーであり、バランスに生じる影響に対処する必要が出るでしょう。
私はデザイナーの仕事を(すごく)大変にするのが目的ではなく、単にこのゲームをより良いものにしていきたいだけなのです!(原文)
Q. イラオイRを奪った時は召喚した触手がWに呼応して叩きつけをするべきだとは思いますが、Wのクールダウンを半減させるべきではないと思います。征服者サイラスをあまりに強化しすぎてしまい、イラオイのカウンターマッチアップのひとつになりかねません。
RiotNorak氏 イラオイWの短縮ロジック、つまりRがイラオイWのクールダウンを基礎値の50%に減らすことをさらに応用できないか考えています。サイラスWのクールダウンが(最大ランクの)6秒から3秒に短くなりますが、この持続中はスキルヘイストを無視するというアイデアです(サイラスの持つスキルヘイストがWのクールダウンを3秒より短くしていたのでない時だけです。それはクールダウン短縮が50%以上つまりスキルヘイスト100以上になっている場合です)(原文)
Q. イラオイのRでWのクールダウンが短くなるのは固有スキルやWではなくRの効果によるものですので、サイラスのWのクールダウンも短くなるのが道理だと思います。ウルトの自動効果といえる要素も固有スキルのように切り離すべきと考えているのでしょうか?
RiotNorak氏 イラオイWのクールダウン短縮はウルトの効果の一部であり、可能なら適用させたいと思っています。ですが実装されるかどうかはデザイナー側の判断になります。
それとは別として、ヴェル=コズの固有スキルはそのウルトの一部になっていますが、ウルトは固有スキルを中心にデザインされています。ヴェル=コズのウルトは固有スキルを誘発し、そのダメージは固有スキルにより極端に増加します。固有スキルそのものを移植することなくウルトに関連するロジックを移植することが今回の私の目的です。例えばヴェル=コズの固有スキルで、サイラスはこれを誘発させるけどダメージは0、しかしヴェル=コズ自身でもそうなるようにヴェル=コズRのダメージを強化するというようになります。(原文)
Q. イラオイRを盗んだときのサイラスWはパッチ9.4以降は触手に叩きつけをさせるようになったらしいよ。
RiotNorak氏 それはいいことを聞きました、それがバグなのか目的を持って変更されたものなのか気になりますね。(原文)
Q. コーキRに関してはどうですか?ミサイルストック満タン状態で盗まれることになるのですか?
RiotNorak氏 それはすでにそうなっています :) ティーモのキノコでも同様ですよ。(原文)
Q. ウーコンの分身からウルトを盗もうとすると、何も盗めない上にウルトがクールダウンになるバグがあります。
RiotNorak氏 それは想定通りだと私は思います、間違った対象にウルトを使ったわけです。
タリヤが壁に乗っている時にウルトの対象にしたらウルトが盗めないのはバグですけどね。(原文)
(訳注:5月1日のパッチ14.9にてタリヤのウルトは修正済み)
Q. 本来の持ち主よりもサイラスが使った方が強いウルトについて調整する予定はありますか?例えばアイバーンのデイジーよりサイラスのデイジーの方がはるかに強力です。アイバーンのデイジーはアイバーンが倒れると消えますが、サイラスのデイジーはサイラスが倒れても活動を続けます。操作性においても、アイバーンのデイジーは定期的に逆らってアイバーンのストーカーを始めるのに対しサイラスのデイジーは従順です。
RiotNorak氏 まずはサイラスのデイジーが生き残ることとアイバーンのデイジーが倒れることのどちらがバグなのかを理解する作業が必要だと思いました。そうしたらどちらがそうだったとしても、正常ではない挙動を修正できます。(原文)
Q. 変身系のウルトが盗んだ時の相手のフォームに依存するようになってほしいです。
ジェイスでは常にキャノンフォーム、ニダリーでは常にクーガー、エリスでは常に蜘蛛に変身、【ではなく】。盗んだ時の相手のフォームに変身したらいいのに。これこそスキル使用の意思決定/プレイヤースキルの表現につながるでしょう。
RiotNorak氏 同意します :)(原文)
Q. 開発者からの好意(favoritism)がとても好きです。論理的に正しいのは、ケネンのウルトからスタンを削除すべきだろう。Riotは固有スキルではなくウルトを盗むようデザインしました。ならばサイラスにとって合わないウルトを選ばないようにすることも大切でしょう。意図されていない要素をサイラスに使わせることでサイラスを強くしてしまいます。
RiotNorak氏 『開発者からの好意(favoritism)がとても好きです』
好意と熱意(passion)は混同しやすいものです。Riotでのここ2,3ヶ月で私は数百のバグを修正してきましたが、そのほとんどは私がプレイしないチャンピオンのバグでした。中には私が嫌いなチャンピオンのもありました(レンガーメインズごめんね!)。私にとって最も重要なのは一貫性です。
『Riotは固有スキルではなくウルトを盗むようデザインしました』
チャンピオンはそのウルトが盗まれることなど考慮せず作られたため、ウルトが固有スキルに依存していた場合にはどうなるでしょうか? 仮に固有スキル込みでの相互作用が盗まれたウルトから削除される場合、サイラスのウルトはほとんど機能しなくなります。サイラスのウルトは彼のスキルキットの中でも象徴的な動きであるため、もしそうなってしまえば気持ちのいいものではありませんし、ウルトの信頼性が低いことから通常スキルの強化が必要になってしまうでしょう。私の考えでは、サイラスのスキルキットで最も安定しているのは通常スキルで、これが他のプレイヤーにフラストレーションを与えている問題点でもあり、しかもサイラスのプレイヤーが楽しんでいる要素はこれではないのです。
『サイラスを強くしてしまいます』
あなたがコメントしてきた元の私のコメントに書いたのですが、ウルトのバグ修正が副作用としてサイラスの強化に繋がったなら、埋め合わせに通常スキルの弱体化が必要になるでしょう。つまりまとめると、いいえサイラスが強くなることはないでしょう。パワーはそのままに、一貫性を高めることが目的です。
『意図されていない要素をサイラスに使わせることで』
サイラスのウルトは当初から固有スキルとの相互作用を使えるようにする意図がありました。いくつかのウルトには特別なケースが用意されましたが、サイラスでこれが機能するように「特別なケース」を実行することは献身と時間が求められます。
サイラスが固有スキルをそのまま盗むわけではないことにご注意ください。ケネンの固有スキルは自身のスキルでマークを付与し、マーク3つでスタンさせます。サイラスのスキルはマークもスタンも付与しません、(サイラスが盗んだ)ケネンのウルトでだけなのです。(原文)
「サイラスのRをより良くするために特定チャンピオンの固有スキルも含ませるべきだ、という意見に反対する」という新しいスレッドにて(投稿者によって削除済みのため、本文と添付画像の詳細は不明)
Q. ここの多くのコメントを見るに、ひとりのQAエンジニアの個人的な思考プロセスとその透明性を、Riot全体の公式スタンスや将来的展望と混同しないように気をつけてもらいたい。両サイドの立場を検討することは大事ですが、前後の文脈を無視したスクリーンショットは誤った印象を与えてしまう。現にこのスレッドの多くのコメントが誤った印象から書き込まれている。
RiotNorak氏 ナイスな提言です。
私はコメントする時には、私の役職はデザイナーではないことを明確にしようとしてきました。そして決定権が私にはなく、デザイナーがしなくてもいいように私が仕事をしているだけであり、そうすることで議論が「これはゲームにとって適切か?そして私たちにこれを為すキャパシティはあるか?」ではなく「これはゲームにとって適切か?」になるのです。
文脈を削いだスクリーンショットをしてそれをredditに投稿されるとその中身を正しく読み取れなくなります。私が書き込む全コメントでその全てを含めることはできないので(今回の場合は残念なことに、私がそのコメントで言った内容はその返信先についてのことでした)。ですが、これはよくあることなんですよね。(原文)
RiotNorak氏
「すでにこのスレッドでいくつか返信しましたが、念のため別のコメントも残しておきます。
まず、このスクリーンショットされたコメントはそのすぐ上にあったコメントに返信したものであり、私はデザイナーではなく、この中のどれを実装するかを決定する立場にありません。私のしている直接的なバグ修正ではない変更は全てまず初めにデザイナーを通すことになります。そうしてから一部がゲームに影響するバグ修正になるのです!
この投稿時点でのいくつかのコメントに返事してみましょう:
『サイラスは今すでに強い、バランスが取れたスキルキットをしている』
上記のコメントでも言及した通り、これらの相互作用の修正はサイラスへの強化となるでしょう。サイラスがウルトを使う時の一貫性は改善されますが、それで現状がすぐに変わるというわけではありません。バランスチームは常にゲームとチャンピオンの変動をチェックしており、仮にサイラスが閾値を超えた場合には弱体化だけではなく、盗むウルトの一貫性向上はそのままに、基本のスキルキットが弱体化されることになります!
私が考えるサイラスのよくない面は、ウルトを盗むシステム以上に、対面してのプレイが嫌がられる面だと思います。
『サイラスに利するためにウルトに魔力反映率を持つチャンピオンがいる。ブライアーとか』
この場合は私はそれが真実だとは思いません、ブライアーのウルトの魔力反映率は彼女のEにある魔力反映率と同じ理由でしょう ― APブライアーを愉快なオルタネイティブビルドにするものです(アリーナで私が勝てた試合もこの理由に追加すべきかな?)。サイラスにも利点がありますが、ブライアーのウルトがサイラスでも同様の強さだとは私は思いません。
『ダリウスの固有スキルでサイラスはダメージを与えないとしても、じゃあどうしてダリウス本人よりも強くウルトを使えてしまうのか』
この変更がされたとしても強さは同じにはならないでしょう。
ダリウスはレベル18の固有スキル5スタックで230攻撃力を獲得します。ダリウスの最も主流なビルドのトリニティフォースとステラックの篭手、それとアダプティブフォースのルーンシャードひとつそれと征服者。全てまとめると404攻撃力が得られます。
ダリウスのウルトは増加攻撃力の150%でスケールするので、1.5×404=606。これに基礎ダメージの750を加えて1356確定ダメージです。
2アイテムのサイラス、最も主流なリッチベインとシャドウフレイム、アダプティブフォースのルーンシャードふたつと目玉コレクターと征服者。これで268魔力。
150%増加攻撃力反映率は60%魔力反映率に変換されます。
268×0.6=161、基礎ダメージ750を加えると911確定ダメージ。
ダリウスの方がサイラスより50%高いダメージを出力します
『ベイガーのような無限スタックチャンピオンはどうなる?』
私がウルトと固有スキルの相互作用について話した時、固有スキルの中でもウルトが依存している部分だけを活用することについて言及しました。ですがベイガーのウルトは全くその固有スキルに依るところがないため、パッと見の感想では私がこれに触れることはないでしょう。
『この変更によって優れたウルトのないチーム相手にサイラスをぶつけることが可能になる』
個人的には私はこの考え方がすごく好きです。つまりサイラスの基本スキルが弱くすることが可能になって、サイラスがより相手との相性を気にするチャンピオンになるということです。
今後のための注意ですが、文脈を無視したスクリーンショットを投稿することはコミュニティとの交流に支障をきたします。文脈を無視したスクリーンショットはそれを見た人にRiotへの困惑を覚えさせ、Rioterにはこのような切り取りをされるのでは透明性のあるコミュニケーションなんてできないと感じさせてしまいます」(原文)
Q. 敵チームがサイラスをピックした!
こっちのチームはウディア/ニダリー/ゾーイ/ケイトリン/カルマで対抗だ!
RiotNorak氏 このコメントの最高なポイントは、仮に私が語った変更がデザイナーに承認された場合でも、このチーム構成はサイラスが盗むにはどのウルトもすでにサイラスで正確に再現できている上で、サイラスが盗むには相性が悪いものであるところにあります。どれを選んでも酷い!(原文)
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