ゲームデザイナーのNeuroCat氏が、今後予定しているカルマの変更について書いた10月24日付の投稿の訳となります。新規追加要素を表現する単語については公式訳語が存在しないため、原語のままにしてあります。
注意事項:以下の内容は開発中のゲームプレイアップデートであり、数値や仕様は今後の議論等を経て変更される可能性があります。
10/25 23:12 - 最初の告知内容を公開
10/27 22:10 - 10月26日にNeuroCat氏が書き込んだフォローアップコメント訳を追記
原文
Karma Gameplay Change Preview
皆さんこんにちは。
今日は、カルマの変更点プレビューを皆さんにお見せしたいと思います。注意事項として、これらの変更は作業中のもの―現在ビジュアル制作と数値調整を行っている最中―のため、プレシーズンアップデートと同時にはPBE実装されません。最終的にこれらの変更をPBEに実装した暁には、実際にプレイしてみてフィードバックをいただければ幸いです。
最初に、カルマの問題点と今回の変更の目標についてお話ししましょう。
- 他チャンピオンと比較して、キャラクターテーマ面とゲームプレイ面の両方で、現在のカルマには個性を確立するための要素が多くありません。カルマ独自のものは本当に存在しないので、私たちのひとつめの目標は、カルマの個性の核を強化するユニークなメカニクスを作ることです。
- 健全にバランスの取れた状態を保つのが難しいチャンピオン、それがカルマです。平均的なプレイヤーにとって適切な調整の時は、プロの手にかかると圧倒的になってしまう可能性があります。ふたつめの目標は、既存のカルマのメカニクスの尖りすぎた点を丸めて他の箇所を強化し、平均的なカルマプレイヤーの強さを相対的に上げることです。
- カルマのマントラには柔軟性がなく、選択の余地がないとカルマプレイヤーは感じているかもしれません。一部のマントラは特定のビルドや試合のタイミングによっては強力過ぎるからです。みっつめの目標は、ほとんどの状況でカルマのマントラの選択をもっと有意義にすることです。
では変更について、まず最大の変更をお話しましょう―カルマには彼女の個性に沿ったユニークなメカニクスを実装します。カルマはアイオニアの民衆の精神的支柱であり、偉大な指導者のような存在で、共に在る人々の可能性を見極める能力と、彼らの能力を最大限に発揮させる能力を持っています。これをメカニクスに落とし込むため、新しくカルマのWを「味方に使用」できるようにします。Wを味方に使用すると、対象の味方のスキルのクールダウンを一定量解消します。マントラボーナスは「Harmony」で、解消するクールダウンが増えてさらにマナも回復します。
これはカルマのみに表示されるビジュアルエフェクトとセットになっています―固有スキルとして、味方のスキルのクールダウン状態を見ることができるようになります。Wを使うと効果の高い味方が一目でわかるというわけです。このメカニクスによって、カルマプレイヤーがレーンでのコンビネーションやチーム構成を新たに開拓できればと思います。
これらの変更では、平均的プレイヤーのレベルを主に2つの方法で底上げし、プロプレイヤーとの間に現在生じている差を縮めたいと考えています。
- カルマの強さというのは、マントラの使い方に大きく依存しています―固有スキルによるマントラのクールダウン短縮を最適化することはプロが非常に得意とするところで、プロが平均的なカルマプレイヤーよりも大きな強さを得ている原因です。この固有スキルをスペルシーフエッジと同様のモデルに変更し、チャンピオンもしくはモンスターにダメージを与えた際に発動するようにします。これによりカルマプレイヤーは固有スキルを最大限に使うためにずっと通常攻撃を続けなければならないのではなく、位置取りやワード設置などに時間を使うことができるようになるでしょう。
- マントラE(信念の抵抗)が第一対象の周囲の味方に与える移動速度増加(とシールド)を減らすなどで、スキルセット内の移動速度増加効果を全体的に減らします。特に信念の抵抗はAoEで移動速度を増加させ、標準的なランク戦よりも組織的なプレイでとても強力なため、この部分の強さを削り落とし、その分を他の箇所へと回します。
- 魂の劫火(マントラQ)では、最初の着弾時にもっと大きなダメージを与えるようにし、その後の爆発ダメージは少なくします―ポークに魂の劫火を使う際は、試合の後半でも強力であるべきです。
- 魂の新生(マントラW)では、失った体力および魔力の両方について反映率を変更します―タンクではなく魔力ビルドでプレイしている場合も、継続してヒール効果を得られるはずです。
- 信念の抵抗(マントラE)では、分配されたシールド(と移動速度)のパーセンテージをライブサーバーよりもかなり高くしますが、付近の味方で均等に分配するようにします―信念の抵抗を使う際により効果的なのは、2v2や3v3のような状況になるでしょう。
というわけで、このゲームプレイアップデートでは、カルマ全体に以下のような変更を行います。
固有スキル - 寄せ火
Kindled Spirit - カルマが敵チャンピオンもしくは大モンスターにダメージを与えるたび「マントラ」のクールダウンがX秒減少する(Z秒毎に最大Y回発生する)
Souls Alight - カルマは味方の基本スキルの合計クールダウンを見通すことができる。
Q - 心炎
機能はライブサーバーと同じ
W - 魂縛
味方に使用:カルマは対象の味方の基本スキルのクールダウンを最大X秒減少させる。
マントラボーナス - Harmony:クールダウン減少効果が最大Y秒まで増加する。カルマは味方の最大マナのZ%を回復させる。
敵に使用:カルマは対象の敵にXのダメージを与える。鎖が破壊されなければ、Xのダメージを与えてT秒間のスネア効果を与える。
マントラボーナス - 魂の新生:スネア効果の持続時間が長くなる。このダメージが発生した時、カルマは失っている体力のY%とAPのZ%を回復する。
E - 激励
指定した味方ユニットにシールドを付与し、移動速度を増加させる。
マントラボーナス - 信念の抵抗:対象にさらなるシールドを付与する。付近の味方はそのX%のシールドと移動速度増加を得る。
R- マントラ
機能はライブサーバーと同じ
個々の数値については調整作業中ですが、これらの変更をもって、カルマの基本能力値とスキル関連値をバランスに取れた状態にするための健全な強化を期待していただけるはずです。
ご清聴ありがとうございました! PBE実装が近づいた折には、新しく投稿をしてお知らせいたします。
-NeuroCat
10/27 追記:NeuroCat氏の反応(原文)
やあ皆さん。
たくさんの人たちがこの変更を楽しみにしてくれてうれしく思いますが、主に2つの懸念が寄せられていると思いますので、私にできる限りの説明をいたします。
#1 - 味方へのWは特定のチャンピオンたちと組み合わせるとぶっ壊れ性能、もしくは組織だったプレイでは非常に強くなってしまい、新Wを中心に弱体化やバランス調整を強いられる羽目になる
まず、新しく味方に使えるようになるWは強い効果です。効果的に使った時、大きな力を発揮できる真に強力な能力をカルマに与えたいと考えました―熟練したカルマプレイヤーなら、このスキルの真髄を引き出せるはずです。しかしながら、こういったリスク要素を減らすための試みとして、私たちは内部で多くの段階を踏んでいます。
ボイスチャットなしでもWを使う価値の高い味方がわかるように、カルマにはSouls Alightという固有スキルを新設しました。さらに、一定値のクールダウン減少はかなり柔軟に適用され、他のサポートや、長いクールダウンやマナ欠状態に悩まされ続けるADCたちを救いますので、使える対象の選択や幅広いチーム構成でカルマが良い感じになればと思います。
適用されるクールダウン減少には、すぐ立て続けにスキルが濫用されること(ハードCCチェイン)を防ぐために制限がついています。カルマのWは4分の1秒おきに適用判定が行われますが、最後に使用されてから3秒以内のスキルのクールダウンは減少させません。カルマのWの効果があるスキルには必ず「3秒バッファ」の間隔が保証されることになります。これにより、カルマのWといっしょに使った時に濫用が懸念されるほとんどのケースを防止できると確信しています。
まだいくつかのリスクがあることは理解しており、想定の標準範囲を外れすぎないかどうかは常に監視するつもりです。
#2 - 一連の変更はカルマをサポートに追いやるもので、ソロレーンカルマのプレイヤーとしては、十分な強化を受けられていないと思う
正当なフィードバックです。最もクールで最大の変更は確かに味方へ使用できるWで、これは味方を助ける役割が主です。私が言いたいのは、ジャングルのガンクや集団戦など、味方へ使用するWはソロレーンカルマでも多彩な応用が可能だということです。しかしながら、これらの変更とともに計画している強化および調整の範囲についてはお伝えできていませんでした。以下に調整・変更の内容を詳細に示しておきます。忘れないで欲しいのは、これらの数値は最終決定ではないということです―PBE実装時にわかる範囲のバランスによってはこれらを大きく変更するかもしれません。
- 基本能力値
- 移動速度: 335 >>> 330
- 体力自動回復: 5.5 (+0.55/lvl) >>> 7 (+0.6/lvl)
- 物理防御: 26 >>> 30
- 固有スキル - 寄せ火
- Kindled Spirit
- ダメージを与えた際にマントラのクールダウンを減らす: 2/3/4 (levels 1/7/13) >>> 3/4/5/6 (Rのランク)
- 通常攻撃で効果が半分になることはなくなる
- 大モンスターへの攻撃でも効果があるように変更
- システムを変更
- カルマは7秒毎に1チャージを獲得する(最大3チャージ)
- [NEW] Souls Alight
- カルマには味方の合計スキルクールダウンを把握できるインジケーターが表示される
- Q - 心炎
- マントラボーナス - 魂の劫火
- 増加ダメージ: 25/75/125/175 (+30% AP) >>> 35/105/175/245 (+45% AP)
- 爆発時ダメージ: 35/140/245/350 (+60% AP) >>> 25/110/195/280 (+45% AP)
- W - 魂縛
- クールダウン: 12 >>> 16
- 消費マナ: 50-70 >>> 70
- 追加魔法ダメージ(1回ごと): 30/55/80/105/130 (+45% AP) >>> 50/75/100/125/150 (+60% AP)
- マントラボーナス - 魂の新生
- 回復量(1回ごと): 失っている体力の20% (+0.01% AP) >>> 失っている体力の15% of + 25% AP
- [NEW] 味方に使用:
- 鎖で繋がった(2秒)味方単体の基本スキルのクールダウンを10秒まで減少させる。
- マントラボーナス - Harmony
- クールダウンをさらに20/30/40/50秒減少させる。対象の味方の最大マナの20%を回復させる。
- E - 激励
- シールド: 70/95/120/145/170 (+50% AP) >>> 75/100/125/150/175 (+55% AP)
- 増加移動速度: 40/45/50/55/60% >>> 35/40/45/50/55%
- マントラボーナス - 信念の抵抗
- 分配されるシールドの割合: 30% >>> 75%、対象全体で均等に分配される
- 分配される移動速度増加割合: 100% >>> 75%、対象全体で均等に分配される
基本能力値の変更、魔力反映率の調整、Wを敵に使用するだけでなくなる相対的な強化といった変更によりソロレーンカルマも適切に強化されると思いますが、実装後の様子や、ソロレーンカルマのプレイヤーが効果的にプレイできると感じられるかについては見極めを行うでしょう。しかしながら、Wの使用選択を状況によって適切に選択できるかどうかが、どんなレーンのカルマにとっても重要な技能になるのというのは再度断言させていただきます―Wの使用先、カルマを象徴するスキルであるマントラの選択、この両方を通して正しい意志決定に熟達する者、それが良いカルマプレイヤーの定義になっていくでしょう。