告知

[公式情報リンク]

■ 公式サイト:LoL | Teamfight Tactics | レジェンド・オブ・ルーンテラ | VALORANT | ユニバース
■ 公式Twitter : LoL | TFT | LoR | VALORANT | Wildrift
■ LJL - Esports : 公式ページ | Twitter | Facebook | instagram

[パッチ・メンテナンス情報]

LoL | TFT | パッチスケジュール

[その他]

Clash 概要説明 | 名誉システム

2017年10月3日火曜日

バランスアップデートについての哲学


9月27・28日に行われたジャンナのバランスアップデートと、バランスアップデート全般について、公式ボードでMaple Nectar氏が行った説明の訳となります。


原文
General Philosophy on Balance Hotfixing


やあ皆さん!

ご存知のとおり、先週末にジャンナに2回目のバランスアップデートを施したところ、プレイヤーの皆さんに一部混乱が起こったので(当然です)、少しご説明したいと思います! 今年の初めに小躍りしたくなるような素敵な技術(「マイクロパッチ」です)が開発され、問題になっている変更にもよりますが1~2時間という極めて短い時間で変更(バグ修正、バランス変更など)をしたり、そういったものをまとめたり、実装したりといったことができるようになりました。これは作業過程の大きな改善だったのですが、これについてきちんとお話ししたことがなかったので、2回目になりますがざっと説明していきます。

かつては、ミッドパッチアップデートで緊急のバランス調整のようなものを現行環境について行うことは、とても時間がかかることでした。まず変更を行った後、QA(品質保証)に要求されるテスト項目をクリアするために数時間かけて1日経ち、そうしてから世界中の全サーバーに実装するために実装チームのメンバーが1日かけていたのです。超面倒なプロセスでしたし、迅速な対応力を阻害するものでした。しかも、前述したプロセスをもう一度行わないと「ロールバック」ができないため、何かを壊さないと100%自信を持てる変更でなければ、変更の実装はさらなるリスクを招いてしまいます。さらに、週末にチャンピオンやアイテムを壊してしまうと月曜までそれらを使用不能にしなければならないため、こういった変更は金曜には行えず、常に避けるべく努力する事態でした。マイクロパッチは、こういった手間を全て省略してくれて、変更にかかる時間もリスクも小さくしてくれたのです。

でも、私たちが胸に留めておかねばならないことがあります。

大いなる力には大いなる責任が伴う(画像を貼っておかないとこのミームは効果が小さくなってしまいますね)。

バランスアップデートは信じられないほど強力ですが、危険でもあります。緊急アップデートの頻度が高すぎればクソをいっしょに抱え込まずに済むように見え、緊急アップデートの頻度が(必要であっても)少なすぎれば解決したほうが楽しくなるはずのクソな状況にプレイヤーを置いてしまうことになります。問題が新チャンピオンや新アイテム、アップデートといった新規実装コンテンツに由来する場合、「状況に必要だと感じられるのなら緊急アップデートを行うのもやぶさかではない」というスタンスです。私たちが満足できる水準よりも、それらが強すぎたり弱すぎたりした時は、皆さんがアップデートに適応してしまう前に、2週間後の次期パッチまで変更を延ばして皆さんがもう一度学習しなければならなくなるよりも、いくつかの数値を緊急アップデートで手早く調整するのが総合的にはベターだと信じています。

新しい事例なので、先週のジャンナへの変更を例としましょう。この考えは以前シンジドに行った小規模アップデートにも適用されたものですが。

7.19パッチのリリース後、水曜朝のスクリーンショット

この図では、ジャンナの勝率が前パッチより2.7%上昇したことを緑のバーが示しており、赤のバーで示されているように全体では58.8%まで上がっています。パッチノートでも言及したとおり、彼女がリリース時に強いかもしれず、フォローアップが必要ではないかと思っていましたので(それについてはここでも少しお話ししましたね)、彼女の有無に勝敗が左右され続けることになる前に、素早く対応して最初の変更を実装することにしました。ジャンナのプレイヤーたちが攻撃的なプレイスタイルに適応する速度を私たちは過小評価しており、レーンフェーズのジャンナのプレイ方法をプレイヤーたちが理解する速度を過大評価してもいました。これがジャンナの当初のパフォーマンス統計の背後にあったもので、高くなっていたために対応しました。

1回目のバランスアップデート後、木曜朝のスクリーンショット

この数値は水曜のバランスアップデートの結果で、赤いバーが示すジャンナの勝率はわずかに下がって、全MMRでは56.4%、高MMRでは56.1%となりました。左の小さな数値─0.3%と0.0%─はそれぞれ、前のパッチからの勝率の変化です。注意して欲しいのですが、このようなタイプの変更を決める要因は決して勝率のみではありません。しかし、新規実装コンテンツの初期段階で見られるのは不満やカウンタープレイ、悪用といったピンポイントなケースからはかけ離れた微妙なものなので、勝率のみで方向性を決定しなければならないことがしばしばあります。

ジャンナの話に戻ると、先に示したデータから、私たちは水曜の変更で正しい方向へと戻れていることを把握しました。その時点で、彼女のパフォーマンスは7.18と同じくらいに戻っており(まだ確実に高い状態ですが)、7.20パッチまでフォローアップをしないことも可能でした。7.18の勝率は、ジャンナについて緊急アップデートを検討したレベルではありませんでしたので。これが、最初にお話ししたマイクロパッチ実装の効果です。

私たちはジャンナについてのみ作業を行い、プレイヤーの皆さんは彼女について明確な理解をしましたが、彼女の新しい変更について「慣れ」てはいなかったので、私たちが長期視点で望むレベルよりもジャンナは依然として強かったのです。かなり安心できたのと、正しいことを行えている感触がつかめたため、次のパッチを待つのではなく2回目の対応を行うという決断を下しました。時間を今日まで早送りすると、ジャンナの勝率は高MMRと全MMRで53.8%となっており、私たちの期待にさらに近づいています。今後数パッチで実装予定のさらなる変更をPBEでテスト中ですが、現在の考えとしては「ルーンの再構築」が実装されて皆さんの手元に届くまで待つのがよいだろうと思っています。正直言ってとてもワクワクするこの変更のせいでしばらくはとても混乱するでしょうが、これからの数パッチではあらゆる試みが一時的なものではないチャンピオンの微調整を目指しています。やらないというわけではありません。変更が少なくなるだろうというだけです。

でも、やっぱり! この投稿がジャンナについての話だけではないというのははっきりさせておきます。ジャンナの一件は、ミッドパッチアップデートについての私たちの哲学のと、将来的な困難さを背負いながらも私たちがそれらを実践していく理由を説明する、良いケーススタディでした。こういったものについて回り道をするつもりはありませんが、水準に達していないものがあれば私たちはすぐに対応します。このようなことが起こっている・起こったということについて、皆さんにお伝えするためのもっと良い方法についても、作業を行っています。プロの試合が始まっていることを皆さんにお知らせするeSports通知のようなものを使ったり、チャンピオンセレクト時に通知を出したりといった、いくつかの選択肢を探っています。それについては今後お知らせします。


参考記事
Game 4 Broke - LoLの情報ブログ: 7.14パッチでのミッドパッチアップデートについて