2014年10月12日日曜日

開発ブログ:Sionの再構想


今回の開発ブログは、一からの新規チャンピオン制作とほぼ同等の労力および時間が費やされたSionのリメイクについてです。ゲームプレイ・物語・アートの担当者それぞれが、その制作過程について語ってくれています。


Dev Blog: Reimagining Sion | League of Legends

そう……Sionです。私たちが彼をアップデートするということをいい加減に捉えて構想したのは、何年も前のことでした──そして今、アップデートは成り、古いSionの何が間違っているのか、どうやって現在PBEにて敵の頭蓋骨を叩き割っている重戦士を創造したのか、これらのことについてお話しできるようになりました。

古きを脱し……

旧Sionには無数の問題がありました。彼は斧を携えたメイジであり、ビルド方法を考慮していない冗長な2つのスキルをメインとせざるを得ず、CGモデルはひどく古びており、いくつかのとても……興味深いセリフを発していました。最悪だったのは、これらの「品質」が実際には全て機能していないため、最近のチャンピオンデザインがゲームプレイ・物語・アートおよびアイデンティティの結合を目指そうとしているにもかかわらず、Sionは何もかもが混乱していたということです。全グループで熟考した後、私たち─Champion Update team─は、今までにない大規模のプロジェクトに着手することに決めました。Sionのアート、物語、ゲームプレイをアップデートするのです。旧Sionを埋め、衛星軌道上からの攻撃を命令し、その後の破片から、アップデートに用いることのできるダイヤモンドの原石を掘り出す……基本的にはそのような作業でした。

ですが、私たちは新しいSionの制作をどこから始めたのでしょうか? 最初に、私たちはメカニクス、アート、物語に用いねばならない鍵となる柱を見つける必要がありました。これは、私たちが新規チャンピオンや既存チャンピオンのアップデートを行う時に通るプロセスです。今回通ってきた道筋は、以下のようになっています。
  • アンデッド
  • 止まらない重戦士
  • 消え去ったNoxusの栄光
基本的には、次にSionが姿を現す時には、容赦の無いウォー・マシーンに、戦いの後には身体全てを縫い合わされたボロボロのNoxusの巨人に、敵軍の荒っぽい指示に従わされる存在になって欲しいと思っていました。Sionをひとつのチャンピオンとして結合させるため、この認識を彼のアイデンティティのあらゆる面にじわじわと広がらせる必要がありました。ここでは、Sionのアップデートの鍵となったスタッフたちの意図について紹介していきます。

ゲームプレイ

Gameplay design by Riot Scruffy

何よりも、アイデンティティの統一感が全く整理されていない。それが旧Sionでした。彼のスキルの一部はAttack Damageを扱い、別のものはAbility Powerを扱い、彼はいくらかタンクっぽい機能を果たしていました。重要なのは、皆さんが彼のビルドをどのようにしようとも、スキルの数値と能力値の効果的な使い道を、積極的に諦めることになってしまうということです。なおそのうえに、彼のスキル構成には面白い相互作用がほとんどありませんでした。Sionのプレイパターンには方向指定スキルが皆無で、彼のスキルにはプレイヤーの技量や習熟の機会が本当に少なかったのです。実は、私たちがSionについての作業を始めた時、彼のスキルにはほとんどそういったものがなく、スキル構成も─Wとパッシブによるヘルス増加以外は─調和していなかったため、デザインをほとんど一から始めなければならないことがわかっていました。

さて、彼が図体の大きく止まらないアンデッドの戦士であることがわかりましたが、デザインの視点からはどういう意味になるでしょうか? まず、動きが遅い彼ですが、頑丈で、沈む前に大量のダメージを受けることのできる、歩く死体です。このことから、私たちは基本的なデザイン・コンセプトを作りました。新Sionは戦車のようにゆっくりとした動きで、力強くも大きな範囲に及ぶ攻撃とスキルを持つことになるでしょう。これは、Sionが攻撃しようとする範囲の周辺で敵が動けるということではありませんが、頭脳的なプレイを行うために、Sionが同じ知識を用いることができるということでもあります。たとえばDecimating Smashは大きな範囲を誇りますが、Sionが斧を食らわせようとした敵にとって、溜めているのが非常にわかりやすくなっています。これによってSionが得るのは素晴らしいゾーンコントロールですが、攻撃しようとする時、斧をもっと早く振り下ろすこともできます。Soul Furnaceはアップデート前から変わらない唯一のアクティブスキルですが、同様の心理要素を持っています。シールドを発動するということは、敵に戦闘準備ができたことを教えてしまいますが、それを爆破するタイミングについてはわからないままです。スキルの使い方、そしてスキルが与えるダメージの脅威の使い方は、自分と自分の敵のプレイに内包されるものです。さらに重要なのは、広い範囲のAoEスキルを持つことにより、Sionは戦闘の真っ只中、複数対象にダメージを与え、敵アサシンを脆い味方からゾーニングして遠ざけられる場所でこそ、完全な成功を収めるのです。



次に私たちが強調したかったのは、止まらない重戦士としてのSionです。ゲームプレイのフックとしてはパッシブにこのアイディアを使い、狂戦士化と、アップデートされた物語同様の、死んでも敵を打ち倒すチャンスを彼に与えました。同じテーマはultimateであるUnstoppable Chargeにも使われ、超広範囲をなぎ倒してゆくゾンビを、恐ろしい人間弾丸へと変えることとなりました。しかし再度繰り返しますが、ここにはトレードオフが存在します。Sionの進行方向を操るのは難しく、長い直線状に移動することしかできないため、賢い場所を選ぶことと、彼が目的地にたどり着き、思いがけないところに突進して敵チームに捕まってしまうことのない、最適なタイミングを理解することは、Sionのプレイヤーにかかっているのです。敵の背後にテレポートした後にultで突っ込んでいくSionの様子は、社内テストでは恐ろしい光景であり、皆さんがUnstoppable Onslaughtを最大限に活用する様子が見られるのが、楽しみでなりません。


物語

Narrative design by Riot Entropy

チャンピオンをアップデートするたび、私たちはそのチャンピオンについて私たちが知る情報全てを把握し、本質を構成する最小限の要素、それを変えてしまうと全く違ったキャラクターになってしまうであろう、核となる変えてはならない特徴にまで情報を削ぎ落とすことから始めます。旧Sionの構成要素全てを列挙し、情報を削ぎ落とすことは簡単だったかもしれませんが、要するに核である「巨体のアンデッド戦士」というコンセプトは、常にしっかりとした基礎であり続けていました。問題は、その骨格に私たちがぶら下げた数多くの要素が、核となるアイデンティティに相応しくなかったということです。私たちはSionからユーモラスな路線を取り去り、明るく色彩豊かな造形に作り直して、アーノルド・シュワルツェネッガーを想起させるセリフを喋らせ、最終的にそれらの全てが、核となるコンセプトに対してクールな要素をもたらすようにしました。今度こそ、私たちはきちんと整理されたコンセプトを用いることにし、アイデンティティおよびアート、ゲームプレイによって真に恐ろしい戦士を全体的に構築することにしたのです。

この時点では、Sionを巨大なアンデッドのキリングマシーンにすることが決まっていましたが、まだ、Sionをユニークな存在にするためのものを探す必要がありました。斧を持ったNoxusのかっこいい奴といえば、Dariusが既に素晴らしい存在としてその地位に就いています。私たちはこれらの類似点を余分なものと見なすよりも、インスピレーションとして使うことにしました。私たちはまず、大きな質問から始めました。もしNoxusが死人を蘇らせることができるのなら、なぜ彼らは数千ものアンデッドの軍団を持とうとしないのでしょうか? 彼らはなぜ、Sionとは全く違った手段でUrgotを生き返らせたのでしょうか? 生前のSionはどんな人だったのでしょうか? Noxusはなぜ、彼を生き返らせたいと思ったのでしょうか? 反魂について、DariusはSionをどう感じているでしょうか? 実際、Sionは何歳なのでしょうか? Sionの蘇生は、彼にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?


いろいろと考えてみて私たちがたどり着いた答えとは、彼は昔のNoxusの偉大な戦士であり、最後には国家の最大の敵の息の根を止めた最初のHand of Noxusだということです。私たちはSionを、その偉業によって不死を与えられた男としましたが、彼が受け取った贈り物は、祝福というよりも呪いであるはずだとしました。彼を偉大たらしめていたものを奪った変化の中に、私たちは崇高で悲劇的なものを見つけました。それは、彼のアイデンティティです。Sionとは、本能的な生への渇望によって動かされる、かつての彼自身の残響なのですが、私たちは彼をただの血に飢えた怪物にはしたくありませんでした。私たちはSionを、昔と同様に今も、注目せずにはいられないような物語に裏付けられるキャラクターにしたいと思っていたので、彼の状態に微かな希望を入れておくことにしました。Sionはかつての血に塗れた人生を再体験し、短い時間ではありますが、自分が誰で、何者になったのかを思い出し始めます。彼が追憶と忘却の円環から解き放たれるには、十分な時間が経ったと言ってもいいのでしょうか? それは、時間が経てばわかることです。

ゲームでプレイしているチャンピオンが、Sionの状態のユニークさを実際には反映していなかったとしたら、この背景の全てが虚偽になってしまいますので、Sionのセリフでは実験的なものに挑戦しました。Sionがチャンピオンと戦ったり、敵チームにダイブしたりすると、彼はより生き生きとした印象になり、彼のセリフ群は、彼がかつて戦士だった頃をより反映したものに変化します。活力に溢れ、荒々しく、戦争を愛した彼に。戦いから遠ざかると、Sionの思考には霞がかかり、唯一欲するものを求める、反魂のせいで朦朧とした状態に戻り始めてしまいます。

アート

Art design by HUGEnFAST

2014年の標準に従うと、旧Sionはクソのようなものでした。ああ、言っちゃった。彼はLeague最古のひとりであり、他のほとんどのローンチ・チャンプのように、全くもって良い熟成を経たものではありませんでした。しかし、それは必ずしも正確な事実ではありません。実際、私たちはしばらくの間、Sionの古いモデルとアイ・コンタクトすることを避けていたのです──が、物語担当とゲームプレイ担当の連中が、等しく彼にイライラしていたのは知っています──彼を解体し、受け取ったものと、留めておいていいものについて、必要なものを理解する時が実際に来るまで、待たねばなりませんでした。最終的に私たちは全員で集まって、旧Sionには相当な数のビジュアルの取っ掛かりがあることを理解しました─特に彼の斧、大きさ、アンデッドとしての本質─は、留めておく価値のあるものだったのです。重要なのは、そういった要素の実装が貧相だったことで、そのことが私たちにとてもシンプルな最終目的を与えてくれました。今度こそ、これらをもっと上手く実装して、新Sionのビジュアルを、彼の母国たるNoxusに結びつけるのです。

さて、鍵となる柱を考慮すると、Sionのアップデートについてはどのような配置を行ったでしょうか? ええ、まず私たちが見極めて強調したかったのは、この大きな野郎における魔法の役割でした。彼の力強さの源は明らかにその斧ですが、Swainが彼を蘇生した時、何らかの魔法も彼には込められています。なので、Sionは虚ろな屍のようなものとなりましたが、彼の身体の腹部には、ひときわ目立つ赤いエネルギーが満たされています──同じエネルギーが、Soul Furnaceのシールドにも使われています。次に私たちが形にしたかったのはSionの斧と鎧で、とりわけDariusとの、当時SionがNoxusで将軍に対して果たしていたのと同じ役割を果たす男との関連を作りたく思いました。


全体的な形と色(Noxusは……漆黒と赤です)など、一部にはとても明確な共通性がありますが、Sionが最初に死んでから起こった、軍事的変化の一部をほのめかすものを入れたいとも思いました。根本的に、Sionはより粗暴で、一方でDariusはもう少し洗練されています。Sionの鎧はより肉厚で強固であり、彼は斧を斬る武器としてよりは殴りつける棍棒として使います。数百年の時が経ち、Noxusの戦争は洗練されたため、Dariusは依然として明らかに粗暴ではありますが、もっと精密です──敵の喉笛をかき切り、出血死へと導くのです。これは彼の外見に表れています。Dariusの斧は相当洗練された武器であり、彼の鎧はSionほどの大きさと重さではありません。

次に私たちが示したかったのは、アンデッドとしてのSionの特徴です。私たちは彼の肌の彩度を研究し、最終的には灰色がかった青白い色調を使い、彼の鎧にふんだんに使われた赤と黒とのコントラストを強調することにしました。鎧についてお話しすると、他のNoxus人と比べて彼の鎧は大きく欠けていることに気づくと思います。これはわざとです。鎧のパーツを増すほど、アンデッド的な印象がなくなっていってしまうことに気づいたのです。また、よく見ると、鎧が実際にはボルトで固定されていることに気づくと思います。Sionは、戦いの後に外出用の上着を脱いで、室内用の上着に着替えるような存在からは変わり果ててしまっています──生けるウォー・マシーンである彼は、自国民を相手に大暴れできないよう、戦わない時は閉じ込められているのです。もうひとつ気づくと思う箇所は彼の髪です。全て抜け落ちています!


いくつかのスタイルを試した後、アンデッド的な印象を受けるのは、毛髪が全くないものだということがわかりました。同時に、この髪飾りの外見がとても好きだったので、私たちは毛髪以外にSionに付け加えられるユニークなものを作り始め、その他はつるっと禿げ上がったシルエットにしていきました。短剣というアイディア─ユニークで荒々しい─は完璧で、私たちはそれをすぐに彼の蘇生の儀式に組み込みました。粗暴さについてお話するのなら、Sionの顎を見てみてください。装着しているのは、Jarvan I世の王冠なのです!


このとても小さな外見要素は、Sionの物語とモデルを結びつける方法のひとつに過ぎませんが、この人物がいかに粗暴なのかを非常に強調しています──彼は文字通り、自分が殺したDemacia王の王冠を使って敵に叫びを上げるのです。


この記事で皆さんに、私たちが行ったSionの再創造について、少しでも良く知ってもらえれば幸いです! 私たちは彼のアップデートに何ヶ月も費やし、まとまりのあるユニークなチャンピオンをLeague of Legendsにお届けするために作業してきました。こちらで行われている、チーム全体へのQ&Aにもぜひご参加ください!

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