2014年8月21日木曜日

NA REGIONAL SURVIVAL GUIDE


LoLesports掲載の、Mattias "Gentleman Gustaf" Lehman氏による、NA LCS Summer Playoffの観戦ガイドの訳となります。



Guide | LoL Esports

LCSの11週間を通して、皆さんは応援する北米のチームたちが最後まで戦い抜く様を見てきたことと思う。トップチームの失墜、新たなるチームの猛進撃、そして復活、といったことが起こった。さあ、トップの6チームが、プレイオフを戦い抜く準備はできた。準々決勝は見慣れたNA LCSスタジオで行われるが、準決勝以降は、またとないチャンスとしてPAX Primeの観衆の目の前で開催され、トップの3チームがLeague of Legende 2014 World Championshipへの出場権を得る。一方で最下位となったチームは、Promotion Tournamentに転落し、NA Challenger Seriesのトップチームに対し、LCS参加権を守る戦いを繰り広げることとなる。PAX Primeに参加できない人たちのために、lolesports.comでは配信・ニュース・分析をお届けする。

概観



NA LCSのチームたちは、様々な成り立ちを持っている。参加チームの半分─Team SoloMid、Counter Logic Gaming、Team Dignitas、Curse Gaming─は全て、Season 1から存在しているチームであり、歴史が長く、古くからの熱狂的なファンたちを抱えている。これら4チームは、LCSの設立当初から参加を継続しており、いわば地域の競技LoLの基盤となっている。

一方で、Cloud9とCompLexityは新興のチームであり、前者は有力チーム、後者は成長中のチームだ。Cloud9はここ3 splitしか参加していないが、その3つの全てで優勝している。ComLexityは1年前の降格後、シーンへとやっと戻ってきたチームであり、既にファンを獲得しているチームだ。

最後に、LMQとEvil Geniusesは、中国およびヨーロッパから移ってきたチームであり、彼らは北米地域を、非常に独特な、多様性のある地域たらしめている。Evil Geniusesは元々ヨーロッパのチームであり、北米とは常に親しい関係で、かつてはCLG.EUというチーム名であった。LMQはLPLを去り、北米のchallengerシーンに居を定めた。それ以来、この2チームはLCSへの道を邁進し、攻撃的なスタイルのおかげで、熱心なファン層を獲得している。

歴史

北米が国際的な歴史で辿ってきた道筋を一言で言い表すならこうなる──「失望」。

他地域はWorld Championshipの決勝戦に、最低1回は到達しており、韓国は2回到達している。一方で北米は、決勝戦に進出したことがないだけでなく、Dreamhackで行われた2010 Season World Championship以来は、準々決勝にすら進出できていない。



当時、League of Legendsは揺籃期にあり、確立されたメタはほとんどなく、競技シーンはそれそのものだけで繁栄を謳歌していた。北米とヨーロッパの8チームから6チームが、現在GPLと呼ばれているところからアジアの2チームが選抜された。北米シーンは著名なLeague of Legendsプレイヤーのほとんどを抱えていた……そこにはDyrus選手、Doublelift選手、Westrice選手、Xpecial選手といった、今も北米で活躍しているプロ選手が含まれていたのだ。

最初は、Epik Gamer、Team SoloMid、Counter Logic Gamingがグループステージで計7勝2敗という戦績を収め、北米のオールスター陣容がトーナメントを席巻しているように見えた。しかしながら、プレイオフが始まった途端、北米のチームは、秘密兵器を持っているヨーロッパのチームに及ばないことに気づいたのだ。その秘密兵器とは? 現在のレーニングメタである。 ヨーロッパのチームは、AD CarryとSupportをデュオレーンに配置する戦略を取り、その戦略を背景に、決勝戦で相対する2チームが両方ヨーロッパのチームとなったのだ。その2チームであるaAaとFnaticに対し、最終的に北米のチームが収めた戦績は2勝8敗であった。


Season 2のWorld Championshipが開催されるまで、北米は国際シーンでの基本的な足場すら失ってしまっていた。TSMはシードとしてプレイオフに進出したが、もう2つの北米チームであるDignitasとCLGは、グループ段階で脱落してしまった。どちらも、勝ち進むことはできなかったのだ。同様に、プレイオフの1回戦で、TSMもAzubu Frostに対し0勝2敗で脱落した。

プレイヤーたちに才能がなかったわけではない。事実、Doublelift選手は、世界でも指折りのADCとして称えられている。だがまたしても、北米は継続的に進化するメタに追随することができなかった。再三再四、北米のチームは単純にobjective争奪戦に負け、キルとCSが互角に保たれている試合ですら、ドラゴンおよびバロンを失って劣勢になっていった。あのTSMですら、ドラゴンとタワーのゴールド差のみで、Azubu Frostに敗北したのだ。


その後、Season 3では、北米は国際ステージでもっと良いパフォーマンスを見せるべく奮闘した。新人たちはすぐに頭角を現し、World Championshipまでに、TSMは北米に現れた2つの新星、Cloud9とTeam Vulcunの後塵を拝することとなった。Vulcunは典型な北米チームであり、才能に恵まれたsolo queueのヒーローたちで構成されていた。彼らはシーンの半分を粉砕し、下位4チームに対しては14勝2敗という圧倒的な戦績を収め、CLG、TSM、そして─特に注目すべき─Cloud9に対しては、2勝2敗という戦績だった。

Cloud9は北米の最後の、そして最高の希望だった。Cloud9をそんな特別なものにしているのは何だろうか? ……非常に面白いことだが、彼らは北米シーンに求められていた変化そのものになろうとしているように思える。

あいにく、World Championshipのグループステージにて、Team Vulcunは彼らのニックネーム「Throwbargains」の所以を遺憾なく発揮し、グループ勝者のFnaticを最初の試合で下すも、その後の試合でケアレスミスから敗北してしまった。最終的に、VulcunとTSMはそれぞれのグループで4位となった──勝つことができたのはInternational Wildcardのチームに対してのみであり、準々決勝への切符は彼らの手中からこぼれ落ちたのだった。

Cloud9は北米の最後の、そして最高の希望だった。Cloud9をそんな特別なものにしているのは何だろうか? まず初めに、彼らは全ての北米チームの上に立ち、その地位の責を負っていた。LCSにデビューしたsplitでは、Cloud9は25勝3敗という堂々たる戦績を誇り、敗北したのは、プレイオフへと突き進むVulcunとCLGに対しての試合だけであった。Cloud9の前では、北米のチームの考え方はことごとく間違っていた。元々、北米のプレイヤーたちは全員がsolo queueの配信者であり、そのような考え方でプレイしていたのだ。彼らは最高のプレイヤーになりたがっていたが、そのため、他者から学ぶ方法を知らなかったり、自分の弱点を認めようとしなかったりといった問題をも、抱えていた。

Cloud9と他の北米チームを実際に隔てていたもの─そして韓国のプレイとの共通点─は、ゲームの方法論に対し、極端なまでにフォーカスしたことだった。



まず、Cloud9はいかなるアドバンテージ─特にキル─に対しても重きを置き、試合中盤のドラゴンやタワーといったobjectiveの獲得へと変えていった。Cloud9が獲得したタワーの253本という数字は、彼らに最も肉薄していたチームよりも39本多く、ドラゴン獲得数68という数字も、次に位置するチームよりも8回多い。彼らはまた、バロン獲得回数も2位であり、1位のVulcunの26回という数字に対して、たった2回しか差がないのだ。

最終的に、これがCloud9が韓国より持ち込んだものである。他チームや他地域のアイディアから、得るものはあったのだ……

次に、Cloud9はアナリストを擁しており、LemonNation選手の象徴である「ドラフト手帳」がそれを補っていた。これらの手段は両方とも、Cloud9のobjective獲得感覚と謙遜を高め、極端に個のないプレイスタイルと、チームの各プレイヤーからの異常なほどのダメ出しによるプレイ改善、この両方へと繋がっていった。最終的に、これがCloud9が韓国より持ち込んだものである。他チームや他地域のアイディアから、得るものはあったのだ。「自分が最高だと自負するプレイヤーというのは、外部からの改善策を拒絶するように見えるし、そのために悪いプレイをしてしまう」とLemonNation選手が語るように。

その後、センセーショナルな期待の嵐の中で、2013 World Championship準決勝での対Fnatic戦、Cloud9は1勝2敗と、失望の内に敗れ去った。シードとして準決勝へ進出した北米チームもまたすぐに敗退してしまったのだ。

一体何が起こったのだろうか? Cloud9は自分たちのチャンピオンプールを大きく変える必要に迫られたことがなく、「LCSでは、そんな原因でそうそう困りはしない」とMeteos選手は話していた。言い換えると、試練がなかったために、Cloud9は改善や刷新を行う必要がなかったのだ。そしてそれは、彼らの初めての試練であるFnaticに相対した時、表出してしまった。


それ以来、Cloud9は国際的に北米のシーンを規定する存在となり、IEM Katowiceにて台湾のTaipei Assassins、中国のWorld Eliteを下し、All-Starsのグループステージでは、Fnatic、Taipei Assassins、さらにはOMGにすら勝利している(最終的に、All-StarsのプレイオフにてCloud9はOMGに敗北している)。

では、北米にとって2014 World Championshipがそれほど重要なのは、なぜだろうか? 北米のチームたちは、国際的なシーンで自分たちの力量を証明する機会を依然として窺っており、中国や韓国のチームに対して、1勝であろうとも報いようと思っているのだ。Meteos選手によれば「このsplitに参加する他の[北米の]チームは全て、とても良くなっている」とのことで、これは彼らがCloud9から学び、北米の競技シーンの争いが、これまでにないほど激化したからだ。北米にとって今年は、国際シーンをあっと言わせるには十分な強さを得た年になるかもしれない。

プレイスタイル

昨年以前に、北米そのもののスタイルは霧消してしまっている。チームは既にシーンにいたプレイヤーでほとんどが占められているが、若干の新陳代謝に向かいつつある。Cloud9の出現はNA LCSのシステムに衝撃を与えた。そこからシーンが立ち直るには1~2 splitかかったが、Cloud9の座すNA LCSナンバーワンの地位への挑戦者として、いくつかの北米チームが名乗りを上げている。今年、Cloud9は地域の最強チームというわけではないが、18勝10敗という戦績でSummer Splitを終えており、この戦績はLMQと同率である(そうは言うものの、この2チームが直接対決の記録を見れば、C9がトップであることがわかることと思う)。



実際には、北米に1つのスタイルが支配的な時代が到来しているわけではなく、前線ではいくつかのスタイルが見られている。

集団戦



北米最強のチームたちは全て、華々しい集団戦の技量を誇っている。これにより、彼らはゲームでは大きな余裕を確保できている。それは、レーンやobjective獲得のためのrotationで負けてしまっても、試合に勝つためには5対5という最終手段が残されているからである。最近、CompLexityやEGのようなチームは、TristanaのようなAD Carryを擁した極めて長引いたレイトゲームの5対5に向いたチームを構築してきている。しかし、もし北米で集団戦が強いチームを挙げるとすれば、それはCloud9である。集団戦においてはプレイヤーひとりひとりが大きな脅威となり、そのことはSneaky選手の優れた位置取りをやりやすくし、安全に敵に対して大きなダメージを与えることを可能にしていることが多い。

Objective Control

Objective controlとは、マップでの位置取りを活用すること全てであり、objectiveを獲得した後さらにobjectiveを獲得するために小さなアドバンテージを積み重ね、ひとつの良い意志決定から次の意志決定へとスノーボールすることをも指している。非常にobjective志向の高いある試合においてCurseはCloud9を下したが、この試合では全てのドラゴンと全てのタワーが、全てのキルをしのいでいたのだ。実際には、Curseが4-2でCloud9に勝つ過程で、バロン獲得回数と同じくらいのデスを重ねてしまっていた。


Pick

Pick compでの目的は、孤立している対象─どんな対象でも─を見つけることであり、その後対象にCCとダメージの連鎖をぶつけ、5対4のパワープレイを強いることである。プレイヤーはアドバンテージを見つけ出し、マップの至るところで、他のアドバンテージを引き出すためにそれを使うのだ。TSMはpick compositionで知られており、特にAmazing選手のEliseが有名である。

チーム

Cloud9 - 1位



Cloud9はナンバーワンの地位を獲得して帰ることを熱望しているはずだ。なぜか? 彼らの8敗のうち4敗は、プレイオフに進出しなかったチームである、CompLexityとEGによるものなのだ。事実その2チームは、プレイオフに辿り着いたTSM(2勝2敗)以外のチームに対しては3勝1敗という戦績を収めており、プレイオフ進出チームに対しては、総合的に14勝6敗という記録をたたき出していた。これまで、Cloud9に対してシーズン全体の戦績で勝つことのできた北米チームは存在しないし、Cloud9がプレイオフに進出できなかったこともない。

確かに、彼らが歩んできた道程は、彼らを北米ナンバーワンのチームから遠ざけてしまっているが、それでも彼らはSummer Splitを1位で終えている。Balls選手とMeteos選手は、メタにおける自分たちの居場所をついに回復したようだし、Hai選手は週ごとに調子を上げているように見え、Sneaky選手とLemonNation選手は、NA LCSにおいては最も老練なbot laneだ。別のチームがプレイオフを勝ち上がるとは思えないが、Cloud9が3位以内に落ち着き、World Championshipへの旅路を勝ち取ることは、ほぼ確実だろう。

彼らのプレイスタイルは時を経て変わってきているが、いくつかの点は一貫して残っている。Sneaky選手の超人的な位置取り能力によって支えられる、瑕疵のない集団戦のおかげで、どんな不利からも後れを取り戻すことができる。それが、Cloud9なのだ。

LMQ - 2位



LMQはCloud9の背中に手をかける存在だ。けれども、彼らはほとんどの北米チームに対して互角以上の戦績を収めながら、Cloud9に対しては1勝3敗に留まっている。シーズン開始当初の彼らは、レーンは強いがobjective controlに欠けるチームではあったものの、その後、他の選手と同等のマップコントロールを見せるようになった。



このチームで最もユニークなのはしかしながら、Ackerman選手だ。真にキャリーするtop laneを擁するチームはめったに存在しないが、Ackerman選手はこの地域で最も影響力のあるtop lanerのひとりであることを見せつけている。彼の抜きん出たパフォーマンスをもってすれば、北米シーンに加わる前に名乗っていた「GoDlike」という名も、うなずけるというものだ。

Team SoloMid - 3位



かつては有力チームであったTeam SoloMidだが、今年はスターティングメンバーを大きく変更したが故の激変もあり、不安定と言うほかないシーズンを過ごしている。Summer Splitを4勝4敗という取り立てて見ることのない戦績でスタートした後、チームは韓国LoLシーンの古参であるLocodoco氏を招いた。

今年TSMが行った大きな新陳代謝は、可能な限り素晴らしい才能を集めるという試みの結果である。事実彼らは最も才能豊かなチームであり、2人の伝説的なNA LCS選手(Dyrus選手、WildTurtle選手)が所属し、2人のヨーロッパからの移籍選手(Bjergsen選手、Amazing選手)を擁し、最近は韓国のサポート(Lustboy選手)を獲得している。彼らのコーチと司令塔の手により、そういった才能あふれる選手たちが、互いに確実なシナジーを形成しようとしているのだ。

Curse - 4位



Summer Splitの後半、Curseは大きな巻き返しを見せた。各チームメンバーの華々しい活躍により、ほぼ一夜にしてチームは6位から4位に返り咲いたのだ。First Bloodとバロンの統計で、彼らは継続してトップに位置している。

その上、彼らはついにリードを勝利に変える術を学習したとみえ、リードを維持できるのなら有力なチームになることができた。Curseは─C9以外で─Summer Splitからトップチームに対する勝敗数が最も良いチームとなり、Worldsの椅子を獲得するには、あと1位差のところにまで迫ってきている。

Counter Logic Gaming - 5位



Counter Logic Gamingは、splitのほとんどで、objective争いの優位に立っていた。結果として、劣勢の時、彼らはなんとかして試合の流れを取り戻そうとあがくというのが常だった。同様に、優勢の時には、既に取ったリードをがっちりと維持し、無慈悲な効率さをもって相手に引導を渡していた。しかしながら、最近はスランプにあえいでおり、それを打開したような兆候は見えていない。Montecristo氏はチームを韓国での練習に送り出したが、その決定はプレイオフでの対戦相手にとって、彼らをもっと危険なチームたらしめるかもしれない。

Spring Splitのプレイオフで、CLGは行き詰まってしまった。今回、彼らがその肩に背負うものを見てみよう……それは、プレッシャー下でパフォーマンスを出すためのものを持っているという証明だ。そうさ、皆さんは本当に、このメンバーがWorldsでプレイする様を、見たくはないのかい?



もちろん、彼のラッシュアワー・バディについては言うまでもない!



Team Dignitas - 6位



Team Dignitasは、シーズン開始時にはギンギンに輝いており、11勝7敗という戦績を収める、北米最高のチームのように見えた。しかしながら、彼らの熱狂列車はWeek 7後に脱線し、Summer Splitの最終4週には、2勝8敗という中途半端な戦績しか収められなかった。さらに悪いことに、彼らのたった2勝は、最終順位7位のEGに対して収めたものと、Super WeekにCLGのサブメンバーに対して収めたものだったのだ。

最終4週に何かヒントがあるとすれば、彼らからは明らかに何かが失われていること、そしてそれはShiphtur選手だろうということだ。Leagueにおける最有力なmid lanerの一角として歩み始めた後、彼は非常に受動的で、安全なプレイに滑り落ちてしまう兆候を見せている。このSplitでは、彼は他のmid lanerよりも、対面に大きなCS優位を許してしまっており、彼のKDA、キル参加率、fantasy pointも全て同様に、確かな衰えを見せている。

Dignitasがプレイオフを勝ち上がり、World Championshipへと到達するために必要なのは、Week 1にいたShiphtur選手だ。あの攻撃的で、試合中はずっとプレイを主導していた、彼なのだ。



その点で、これから述べるニュースは悪くない。他の時に比べ、Super Weekの間、Shiphtur選手はプレッシャー下でも活き活きとしているように見え、大きくパフォーマンスを改善していた。さらに、Dignitasは準々決勝でTSMと対戦するのだが、対TSMの戦績は現在3勝1敗を記録しているのだ。

北米地域は、ちょっとした嵐の渦中にあり、特にCloud9や現在のLMQのような、首位を争うチームが台風の目となっている。このことは、World Championshipを目指して戦うチームたちにとっては過酷な環境を作り上げているが、北米シーンの強さを増すことは間違いなく、今年のWorld Championshipで地域代表が戦い続けるチャンスを与えてくれるものだろう。