2014年6月24日火曜日

LoL Design Values:明確さの徹底解説


開発ブログ、今回はSummoner's Riftのアップデートに際して、clarity and environment designerのRichard "Nome" Liu氏が、jungle timerを含むゲーム中の「明確さ(clarity)」について語ります。



公式告知

League of Legendsのデザインの価値について進めている、最初の詳解記事へようこそ! 数週間前、私たちはLeagueにおいて核となるデザインの柱についてお話ししました。そして、それぞれの柱について、もっと掘り下げた記事をお届けすると、お約束しました。

今日は、League of Legendsの環境(environment)と明確さ(clarity)のデザイナーである、Richard ‘Nome’ Liu氏をお招きしました。ゲームプレイの明確さについて詳細に語っていただくだけでなく、jungle timerの開発を行わせることになった決定についても、お話ししてもらいます。さあ、明確さについてのNome氏の考えと、League of Legendsにとってそれがそんなに重要である理由を、まとめてお読みください!
Chris "Pwyff" Tom


明確さとは何か?


この記事はclarity and environment designerのRichard "Nome" Liu氏によるものです

皆さんは、集団戦の間に自分がいる場所を的確に把握できますか?

スコアボードを一目見て、CSが多いのは自分なのか相手なのかを把握するのを、3秒以内でできますか?

初めて使う時に──ツールチップを読まずに──スキルの全ての効果を理解できますか?

より深いレベルで、有意義な選択を行うためにプレイヤーが必要とする情報はどのくらいなのか、そして不明瞭な情報を計算に入れて選択を変える前に、どれだけの数のレイヤーを加えるべきなのでしょうか?

情報が表示される場所が重要です。Shyvanaがアップデートされた時、彼女のmeleeの攻撃効果は、その影響を受けるスキルのツールチップ内へと移されました──最も関係のある場所だからです!

これらは挑戦の類です─それ以上でもあります─gameplay clarity teamは、毎日のようにこれらに取り組んでおり、League of Legendsを改善できると確信している人たちの集まりです。Design values dev blogで言及されているように、ゲームプレイの明確さは、League of Legendsにおいてとてつもなく重要なものであり、プレイヤーはあくまで対戦相手と戦っているのであり、敵はゲームではないということを保証するのが、私たちのミッションなのです。

しかし、ゲームプレイの明確さとは何でしょうか? 明確さとは、浸透性のことです。ビジュアル、ゲームプレイ、デザイン、アート、そして全ての間に存在しています。League of Legendsでは、ゲームプレイの明確さは情報の入手しやすさと関係しており、同様に情報の不明瞭さにも関係しています。私たちは明確さを増すことができます──ミニオンが向かう方向をもっと的確に示すために、パーティクルをアップデートしたように──しかしこれらは、私たちがここで議論しようとしているものではありません。

ではここで私たちが言おうとしているものは、何なのでしょうか? ええ、Jungle TimerのPBE実装をもって、私たちはこれが、皆さんのゲームプレイ経験を改善する狙いで行っているものと同じく、未だ探求し続けているゲームプレイの明確さをも議論する、良いタイミングであると感じたのです。


Jungle Timers:上達にフォーカスを置く


私たちがdesign valuesで話したことを要約すると、League of Legendsには上達への基本的な道筋が3つ、用意されています。個人技能、チームワーク、そして適応性──私たちのフォーカスは、一番最初のものになるでしょう。個人技能は技術が複雑に合わさったものですが、メカニクスの上達、状況知覚、ゲーム知識といった要素が重要な構成要素であることには、全体的に同意できます。

これらのほとんどは、League of Legendsの経験にとって普遍的ですが、マップ、モード、プレイするチャンピオンに関係するかは、はっきりしません──いくつかは、個人の好みや適性に大きく左右されうるものですが。とにかく、いくつかの点─徹底的な複数ユニット間のマイクロ操作や、繰り返しのあるパターン記憶、計算といったもの─については経験に含まれないとも、宣言しておきます。

新しいjungle timerは、画面の最上部に表示されます。新情報でもなく、隠し情報でもありません。むしろ、現在も存在している情報を、視覚表示したのです。

Jungle timerは最後のケースに該当し、実行不可能な方法で示される、重要な情報の一例となっています。振り返ってみれば、このレベルの情報は表示されるべきか否か、社内では多くの討論が交わされました。

ある側面では、マップレベルのobjective意識が技能の重要な一面となるケースがありえます──それについて、私たちは心の底から全面的に同意します。それに私たちが同意しなければ、だとえば、戦場の霧から現れた敵が、皆さんがすぐ反応できる範囲に入った時、それを知らせません。敵のクールダウンを皆さんが把握できるようにもしません。敵と自分の相互作用は尊重されるべきものであり、私たちは常に、そういった相互作用を残しています。

別の側面では──ここにあるのが私たちの心を最終的に変えたものです──ジャングルは継続的な環境です。チャンピオンとは違って、モンスターは常に皆さんが予想する場所にいます。クールダウンとは違って、リスポン時間が減少することはありません。チームのチャットウィンドウでタイムスタンプを利用することができるので、ジャングルモンスターのタイミングは、それを記録しておこうとした人に依存することがしばしばです。私たちはここで、大事なことに触れたくないわけではありませんよ。サードパーティー製アプリケーションの出現は、この火に油を注ぎました。しかしそれは、そういった機能が私たちが価値を置くと認める線上にあるものだと、自信をつけさせてくれたのです。

究極的に、私たちが行ったjungle timerの計算(前述したように、チャット欄から素早く計算することで解決されることがしばしばでした)は有りか無しかという質問はプレイ経験の充足に寄与し、私たちは、それが意義のある価値を持ったルーチンワークとしては必要以上のものに過ぎる、と理解したのです。


タレット:明確さを適用する方法


しかし、この開発ブログは、全てをjungle timerの話に割くわけではありません(文脈上、最も関係のあるものではありますが)。明確さの他の使い方も、お見せしようと思います。私たちは常に全ての情報を表示しているわけではありません──明確さとは、意図的にするということです。ひとつの試合に隠されている全ての情報は、その時々の上達に対する褒賞というよりも、意識的な記憶を奨励する一方で、ひとつの試合を成り立たせている、入手可能な知識の欠片それぞれが、情報麻痺を起こします。デザインの仕事とは、情報的な明確さ(もしくはその欠落)を用いて、興味深い状況を作り出すことにあります。

タレットの攻撃対象になっている時を理解するのは、プレイヤーにとって極めて重要なことです。同時に、タレットの攻撃をわざと受けられる余地を残すこともまた、重要です。

限定された視野において、明確さが重要だという例をお見せしましょう。タレットを見てください。自分がタレットの攻撃対象になっている時を理解するのはとてつもなく重要です。タレットの攻撃は特に影響が大きく、独特のルール群に基づいて行われるからです。タレットはarmorの一部を無視し、連続して攻撃が成功すると、与ダメージが増加します。そのために、タレットは大げさな前振りを使ってきます。絶え間ない攻撃目標設定レーザーが放たれ、攻撃対象になれば明確なサウンドアラートが鳴り、そうしてから輝くエネルギー球が放たれます。さて、タレットには持続的な射程表示がありません(Co-Op vs AIおよびbeginnerの試合を除く)。

確かに、射程表示はタレット周りの明確さを改善するでしょう──それを否定する人はいません。タレットの下で、あるプレイヤーが別のプレイヤーにハラスをするというシチュエーションは、頻繁に起こりえます。そしてこれは、私たちの意志決定に大きく影響しています。射程表示が存在すれば、プレイは攻撃者と防御者というより、攻撃者と表示の間に発生するでしょう。タレットの射程表示がなくならないようにした場合、攻撃とは線に対してより上手く爪先を触れさせられる者に集約され、興味深いプレイが発生する可能性は、結局は減っていってしまうでしょう。


明確さの尊厳


私が指摘する最後のポイントとして、情報が表示されるタイミングと、それが隠されるべきタイミングを網羅しています。さあ、情報は入手可能だが到達不可能な時というものに、簡単に触れていこうと思います。

ここに良い例があります。KarthusのLay Wasteに対するビジュアルアップデートです。以前のパーティクルは、スキルの効果がある範囲をひどく間違って表示しており、一方で新しいパーティクルは、遥かに機能的で的確です。このような変更へのアプローチでは、不的確なパーティクルが誤った外見を見せることでゲームプレイを作り出してしまう可能性が議論を呼びますが、これは核となる価値としての明確さと真っ向から対立します。ゲームは決してプレイヤーを騙してはなりません。プレイヤーが他プレイヤーを騙すべきなのです!

古いパーティクルを隠してしまうのは簡単ですが、結局は欺瞞的なゲームプレイになってしまいます。新しいパーティクルは、ゲームプレイを明確に伝達しています。

このポイントでは、意図的な誤伝達によってゲームプレイを作ることは、本来は奥行きや個人の上達に加えられません。あるKarthusは戦略的かつ戦術的に他を超越しているかもしれませんが、表示されている当たり判定を越えて当たることを知らないせいで、もっと良いKarthusが負けてしまうとしたら、それは技術を身につけたことによる勝利ではありません。明確さの役割とは、両方のパーティーが賢い選択を行えるよう、知識を洗練させてゆくことです。もしあるプレイヤーが致命的な過ちを犯したとしたら(知識もしくはメカニクス面の技術どちらかの欠如により)、彼らのチームは敵が技量で勝っていたことによって負けるはずで、ゲームルール(全てのパーティクルは正確な当たり判定を示している)の不一致によって負けるのではありません。


前へ!


League of Legendsをもっと読み取りやすく、理解しやすく、使いやすくすることについて、私たちは情熱を燃やしています──全てはそのために、私たちは焦点を個人的な上達へと戻しました。そういうわけで、明確さは私たちが追い求めることもあるデザインの価値ですが、成長させるために大きな機会があるものでもあります。私たちの望みは、League of Legendsにもっと明確さを追加し続けることであり、プレイヤーの技量を包括することも、推し進めていきます。

どちらにせよ、これら全てのポイントに対する皆さんのフィードバックを、私たちは無条件に歓迎いたします──私たちが倒れた時も、大声で呼び続けてください! 質問、コメント、明確さの観点からゲームを改善できる方法についてのサジェスチョンがあったら、コメントに書くのを忘れないでくださいね。


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